2028年02月05日

はじめに。(※10/11 少し改定)

・いきなり「超音戦士ボーグマン」に再燃したせいで、やり場のないアレコレをどうにかするために開設したブログ。気が済んだら放置上等になります。
・再燃のきっかけがリョウ×アニスなので、そういう方向メインで。
・当時を思い出しつつ、今だから云える戯言とか二次創作とか、ひっそりまったり進行。のはず。あと昭和〜平成初期ぐらいの懐かしアニメも採り上げるかも。
・うっかりここを目にした同世代の方々対象&えっちネタ有りなので18歳未満の方の閲覧はお断りします。
・別方面で腐れな活動してますがここでは予定なし。しかし軽いネタであってもホモダメ! ゼッタイ! と云うナイーブな方は回避推奨。
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posted by はらよしかず at 00:00| 日記

2019年10月15日

【30周年】ここが変だよ! ラストバトル解答編その1。

さて資料も出そろいましたので、ラストバトルをぼちぼち語っていこうと思います。今までのはほんの序章です。あの程度でゆるされたと思うなよハッサン。食傷気味になると思うので、合間に別のネタも挟んでいく所存。

サイソニック学園と妖魔の概念の消去、リョウとアニスの同棲関係という設定に釣り合わない愛情描写の欠如、リョウとチャックの戦闘のサポートに留まったバルテクター、オリキャラのハッサンと火鷹が話を回すお粗末なシナリオと、ラストバトルが「ボーグマンの続編」として見ると欠陥だらけなのは今までの記事でお分かりいただけたかと思います。特にメカを中心に、続編でありながらTVシリーズの設定のほとんどをなかったことにしたのはどういうことなのか。

簡単です。根岸監督が優先したものが「三年後のメガロシティ」だからです。

ラストバトルの冒頭の仕上がりは素晴らしいです。無数に乱立するビル群、働く人々、夜の歓楽街、そして発展から取り残された、それでも逞しく生きる貧困層の人々が集うスラム街(旧グレイタウン?)。三年の間にメガロシティが歪な発展を遂げたことが伝わる描写と、合間に挟まれるオメガ誕生のカットは「この街でまた何かが起こる」という期待を高めずにいられない、魅力的な映像となっております。山ちゃんの歌もカッコいい。

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が、この冒頭の空気感と、かつてこの街を守る為に戦った「(元)超音戦士」たちの描写が噛み合ってない。謎のボーグマン出現に戸惑う美姫の後、舞台がアメリカに移った途端、突然はじまったリョウとアニスの痴話喧嘩の説明不足が、それを物語っていると思います。

根岸監督が重要視したのは「メモリーが守った街のその後」であり、そこで「メモリーの遺志」を継いだリョウたちが再び何をし得るのか、だったと思うのです。
しかし、どういう訳か根岸監督はそれ以上に「街」そのものにこだわり、超音戦士だったリョウたちとその世界を、監督が設定したと思われる「三年後のメガロシティ」に見合うリアリティに落とし込んでしまった。そのリアリティは、AI搭載で喋るバイクも変形システムも奇抜なデザインのバギーも不要とし、バルテクターの機能も制限。さらには「妖魔」というオカルトな敵がいたことも伏せ、サイソニック学園も過去の遺物としてしまった。
このこだわりはヘブンズゲートの描写にも及んでおり、火鷹の案内でヘブンズゲート内を見て回るアニスのくだりでそれは分かると思います。磁力で快適に走るエアカーとか、近未来の雰囲気はいま見ても興味深いです。というか、案外リアルでまだ実現されてない気がする。

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こんな風にメガロシティにはこだわったクセに、NASAの描写がいい加減なのが(ハッサンのあの蛮行を金属疲労で納得するなんてあり得ないでしょ)、ラストバトルのイラつくところです。

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※インタビュー再掲。海上都市云々の部分にこだわりが窺えます。


本当に推論ですが、ラストバトルは元々「アフリカで教師をしているリョウとアニス」の心のすれ違い、そこに付け込みアニスに接近する火鷹、という恋愛要素中心で途中まで制作が進行。しかしシナリオが没となり、二転三転した挙句、最初は影も形もなかったNASAスタートの(急造?)シナリオが決定稿となった。その過程で根岸監督はラブストーリーを諦め、「三年後のメガロシティ」、そしてメモリー(の遺志を受け継ぐアニス)に自分を認めさせるために狂気に走った火鷹の在り方に照準を絞ったのではないでしょうか。もしかしたら、根岸監督が自由にこだわれた要素がそこだけだったのかも知れません。
火鷹の信念はあくまで「サイボーグとは人類の進化の鍵」にあり、TVシリーズの設定がひっくり返されたのは、「火鷹を基準とした科学力」にリアリティを持たせたかったと推察。転送装置もラストバトル的にはロストテクノロジーにしちゃったみたいですし。

結局、根岸監督がラストバトルで何よりも誠実であろうとしたのはファンでもリョウたちでもなく、監督の中の“メモリー・ジーン”だったのではないかと思うのです。火鷹の野望に浸蝕されようとしていたメガロシティが、ボーグマンというメモリーの代行者たちによって(街の人々の誰も気づかない間に)再び救われる物語を描き出したかったのでしょう。
しかし、「メモリーのいないボーグマンは丹下段平のいないあしたのジョーみたいなもの」と云い切るほどにメモリーにこだわった割に、随所にメモリーの存在を感じるような作品だったかというとそうでもない。まだラバレの方が「メモリーのいないメガロシティ」の空虚感、そこで彷徨うリョウたちを表現できていたんじゃないでしょうか。
監督がメモリーに捕らわれたせいで、リョウたち「ボーグマン」がどう3年の月日を過ごし、どう生きようとしたかが不明瞭となってしまい、肝心のメモリーの存在すらもどこかぼやけている。そこを鮮明に描き出せなかったのもラストバトルの欠点だと思います。

というか、インタビュー読み返すと、ラストバトルは監督の引き出しから無理やり要素を引っ張り出して作った続編で、本当は監督の中でボーグマンはFORVERで終わっていたと思わざるを得ません。しかし、根岸監督がここで降りていたら間違いなく園田氏が乗り出していたと思われるので、監督が続投したことでボーグマンは守られたと思っていいでしょう。そこは感謝すべきと思ってます。
そこまで云うかと思われそうですが、ではクロノスの大逆襲を踏み台にしたレイナ剣狼伝説以上の惨劇を見たかったと?

なぜ途中まで制作が進んでいたアフリカスタートの物語では駄目だったのか、なぜリョウとアニスの関係は中途半端なことになったのか。次回はそこに触れようと思います。

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関係ないですけど、ラッコのトレイシーちゃんは何をしたんでしょうかね。
美姫も気になってるんじゃないですかね
posted by はらよしかず at 19:00| Comment(3) | ボーグマン

2019年10月04日

【資料】ラストバトル アーカイブス【後編】

ラストバトルに戻ってきました。が、リョウ誕もちっと書き足りてない感があるので、もしかしたら補足回をやるかも知れません。またマンガをロクに描けないまま今年もあと2かgウェッホウェッホン!!!(吐血)

今回は脚本の岸間信明氏がアニメディアの別冊付録で発表した2本のSSです。掲載に差し障りが出たら削除します。
ラストバトルの欠陥の原因のほとんどは脚本にあると云ってもいいぐらいですが、岸間氏を戦犯として責める気になれないのは、このSSを通じて岸間氏のボーグマンという作品、そしてリョウとアニスの関係に対する深い思い入れを感じるからです。
前編で掲載した根岸監督のインタビューにあるように、脚本が途中で大変更となり結局四稿まで改稿された経緯を考えると、岸間氏のモチベーションが切れても仕方ないし気の毒な状況に置かれていたことは想像に難くありません。
SSはどちらも「リョウとアニスはアフリカで教師をやっていた」最初の設定が大前提となっており、ラストバトルでトンチキぶりを晒したリョウは、ここではちゃんとアニスを大事にする年相応の青年として、アニスはリョウに寄り添いつつ、教師として懸命に生きる女性としてしっかり描写されています。
あの22話で見事にリョウを掘り下げるなど、キャラクターを重視して丁寧に描写してきた岸間氏なので、ラストバトルのあの完成稿が氏の本意だったとは到底思えないんですよ…。

脚本の大変更の理由は知る由もありませんが、3人いたプロデューサーの意向のすり合わせや、根岸監督の「ボーグマンの続編」に対する試行錯誤など、大人の事情が錯綜したことは確かでしょう。
本編でも、主人公が夏目想太郎でゴールドシルバーブロンズなボーグマン設定ありきの世界観がギリギリでひっくり返った経緯を考えると、根岸監督はそういう卓袱台返しが平気な方だったんじゃないかと思ったり。


アニメディア1989年6月号付録「アニメ少女体験告白集」より。

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「メモリーの不在」がアニスにもたらすリスクから彼女を救うリョウや、アニスの教職に対する情熱、リョウへの想いが見どころ。ここでは未亡人にコナかけられてますよリョウ。イザヤは何歳なんだ。ピチピチの若い男を捕獲しておきたかったのか。アニスをサポートするサンダーもいい味出していて、この世界観だったらサンダーもそこそこ登場していたのかと。
アニスのパーツを自分のと交換したと云うリョウですが、どうやって手術したのか。ブラックジャックが自分で自分を手術したぐらいには難易度高そうですが。
まじめな話、アニスは生きている限りこういったリスクを負う運命にある訳で、リョウが傍にいて自分の一部を与え続けていくことで、2人は一蓮托生ということですよね。まあチャックが猛勉強してメモリー並の科学者になる未来なら、悲観することもないと思いますけどそんなものはない(無表情)。

アニメディア1989年9月号「アニメキャラ キョーフの未公開秘話集」より。

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たぶん時系列的に、こっちが「ラブ・バラード」より先のエピソードになるんでしょう。実はよしかずさんこの話がちょう大好きです。控えめに申し上げてもラバレより遙かに好きです。りょあにの聖典だと断言します。
男女の関係を意識し合いながらも、間に横たわるメモリーの存在にそれを阻まれてしまう。それでいて、ふたりで過ごす時間が楽しくて幸せで。そんな空気感がたまらなくいいんですよ。幽霊メモリーとリョウの会話も優しくてしっとりしてていい。サンダーがチャーミングでいい。最後なんてもう絶対にセ(規制)。

どちらも岸間氏の温かい目線の感じられる内容なので、だから園田氏みたいにフルボッコできないんですよ。おそらく(火鷹を交えた)2人のラブ・ストーリーをちゃんとやりたかった岸間氏に対して、根岸監督は同棲設定で満足してしまい、別の要素を重視してしまったのではないかと。この「別の要素」に関して、後日考察を進めていく所存。

だいぶ前にも書きましたが、ラストバトルはノベライズ版を出して補完するべき作品だったと思います。菊池氏が外れた時点でそういう企画も出なかったのかも知れませんけど、惜しいなあ…。

おまけ。
アニメージュ89年10月号のOAVレビュー。

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タイトル部分をうっかりトリミングしちゃってますが、いちばん下がラストバトルの項目です。あさり先生は通常営業だからともかく、アニスのおっぱ…変身バンクしか見てなかったライター連中にそこまで云われる筋合いねーよとか思っちゃうのはわたしの心が狭いんでしょうか。まあ当たってる部分も多いけど(ムキー)。
posted by はらよしかず at 21:00| Comment(3) | ボーグマン

2019年09月24日

【リョウ誕】響リョウ考察2019。

私事でバタバタしてて疲労困憊していたこともあり、遅れましたが4回目のリョウ誕となります今回、いろいろ仕入れてきた情報が蓄積されたこともありまして、いくつかのキーワードを立てて改めて響リョウという主人公を見直していこうと思います。

リョウはスタッフによって解釈が微妙に異なり、それが顕著となった「ラストバトル」「LOVERS RAIN」では別人と云っていいぐらいに立ち振舞いが違った訳ですが、それでいて破綻するでもなく、“響リョウ”という器に収まっている不思議な主人公だったりします。アニス人気の前に(園田氏や雑誌媒体等で)存在を軽んじられた面もあったものの、それでも嫌われるでもなく安定した支持を保ち続けられる理由は何処にあるのでしょうか。

【ワードその1】JJ

云わずと知れた「赤い光弾ジリオン」の主人公。明朗快活で単純で子供っぽくてスケベと、二枚目半主人公のあらゆる要素を秘めた彼は、物語が進むと同時に“ジリオン世界の中心”として輝きを増し、存在感を示していきます。そしてジリオンは終了し、その後継である「ボーグマン」の主人公は、ジリオンから継続したスタッフとファンから“JJの残照”を期待される運命にあったと思われます。

しかし、響リョウはJJのような常識に捕らわれない奔放さはなく、スタンダードな熱血漢としてキャラの肉付けが施されていきます。
1クール目の段階では、時折やんちゃな言動行動があったりするなど“JJの影”が感じられましたが、12話で生徒や仲間に対して配慮を見せる様子がしっかり描かれます。そして13話で自身の夢破れた過去と、「子供たちの未来を守るために戦う」スタンスが明確となり、過去の影を見せたことでJJよりも大人びたキャラクターになっていくのでした。

【ワードその2】夏目想太郎

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響リョウというキャラクターの形成において、不協和音を生み出す存在となったのが、放映スタートギリギリまで残った幻の主人公「夏目想太郎」。シリーズ構成の園田氏が企画段階から推していたキャラクターで、その在り方は画像の通り。“夏目漱石の(自称)子孫”である彼が、サイソニック学園の見習い教師として「坊ちゃん」的な活躍をするという構想が園田氏の中にあったようで、アニメディアの付録冊子で公開された没設定のいくつかが想太郎絡みだったこと、フリッツ博士は初期では学園の陰険教師(赤シャツ的存在?)という設定だったことからも、園田氏は「夏目想太郎ありき」の世界観で構成していくつもりだったのでしょう。
夏目想太郎自体は早々になくなったものの、名前だけは残しておきたいという意図があったのか、松本氏がオーディションを受けた時まで夏目想太郎だったそうで、園田氏にとって夏目想太郎は簡単に譲れない“主人公像”だったことが窺えます。

園田氏は公式ではジリオンに関してコメントは残していませんが、夏目想太郎の設定を見る限りでは、園田氏はJJを意識し、「JJ路線でJJよりも魅力的な主人公」として夏目想太郎を考案していたのではないか、そして「響リョウ」となった後も、園田氏の中でリョウはずっと夏目想太郎だったのではないか。少なくとも、岸間脚本の12話、会川脚本の13話のようなリョウは園田氏の引き出しの中になく、7-8話のような、軽率な言動行動でメモリーに叱られる場面が目立つ「半人前の教師」だったことは確かでしょう。

園田氏のこだわりを余所に、13話が決定打となったのか、リョウは岸間&会川ベースで肉付けが進んでいきますが、園田脚本回だけは何処か軽く、子供っぽさが目につく振舞いをしがちでした。しかし、それはマイナス要素にはならず、むしろリョウというキャラの幅を広げることになったと思います。マイナスになったのは、園田氏は雑誌媒体で夏目想太郎の設定前提でリョウを語り続けたせいで、本編のリョウと齟齬が生まれた点でしょう。個人的には、ドラマCDのリョウはリョウではなく、夏目想太郎のリベンジだったのではないかと思ってます。

【ワードその3】アニス・ファーム

誤解を招くかも知れませんが、ヒロインのアニスがボーグマンの代名詞的な存在となり、リョウに彼女の想い人という設定が追加されたことで、彼(の在り方)は振り回されることになりました。ここでさんざん云ってきたことですが、園田氏はリョウとアニスの“接近”に難色を示し、雑誌媒体で2人の関係を否定し続けると同時に、リョウの魅力をあまり語らなくなった。それは依頼元のアニメ誌がアニスありきの特集記事を組み、作品も他のキャラクターも顧みなくなったこともありますが、他ならぬ園田氏自身がアニスに魅了され、アニス萌えの大きなお友達に迎合し、「夏目想太郎の成り損ない」響リョウに対する愛着が薄くなったことが原因に思えます。
その園田氏のアニスへの執着を断ち切るかのように、根岸監督は園田氏を遠ざけた本編の終盤とエピローグ映像のFOREVERでリョウとアニスのカップルを成立させ、後日談のラストバトルで同棲関係にしアニスの“未来”を確定。レイナ同様にアニスの「キャラクターコンテンツ化」を目論んでいたはずの園田氏からアニスを取り上げた格好になった訳です。まあ憶測ですが。
でもラストバトルはあんだけ設定が二転三転したのに、「リョウとアニスの同棲関係」だけは変えなかった(付かず離れずだった関係が、事件をきっかけに結ばれる展開もアリだったと思うんですが)のは、根岸監督の園田氏対策に思えるんですよねえ…。クロノスがOAVであんな方向に行ったことで「アニスのレイナ化」を防ぎたかったのかしらと。

根岸監督の強引な幕引きに疑問を覚えた演出の村山氏が、ボーグマン作りたくて仕方なかった菊池氏と組んで制作したのがラバレで、根岸監督が触れなかった「リョウとアニスの恋愛」に焦点を当てた。そこにスポットを当てたところまでは良かったんですが、FOREVERという完璧なエピローグを否定する内容となり、2人の掘り下げの描写もファンが納得する内容とはならなかった。それは「リョウとアニスの恋愛」ではなく「ヒーローとヒロインの恋愛」のテンプレに2人を当てはめただけの脚本に原因があるんじゃないでしょうか。リョウもアニスも、園田氏がずっと書き続けてきた2人とは程遠いキャラクターになっていて、村山氏の要望に沿って脚本を起こしただけの「魂を込めてない仏像」だったんじゃないかと。
個人的にラバレはラストバトルよりも好きですが、園田氏のそういった「やる気のなさ」が目に付く作品でもあったりします。

ラストバトルとラバレ、どちらも重視されたのは「アニスの恋心」であり、双方共に必要としたのは「アニスから愛され彼女を守るために存在するヒーロー」としてのリョウ。その結果、「リョウのアニスへの恋愛感情」はおざなりにされ、解釈の相違からリョウは別人のようにキャラクターが変わってしまった。ただ、不思議なのはどちらも「本編からの派生」として見たらアリで、破綻までしていないところなんですよね。ラバレ→FOREVER→ラストバトルの時系列で並べるとあり得ないぐらいキャラが変遷しますけど。大人の事情がなんとなく察せるアニメファンはともかく、本編のメイン視聴者だった小中学生が見たらどう思ったのかしらね。

【ワードその4】松本保典

響リョウというキャラが破綻を免れたのは、松本氏の声と演技の力だと思います。ブルーレイBOXのインタビューによると、松本氏はリョウを「人と触れ合うことが好き」な人間と解釈し役作りをしたそうで、誰とでも親しくなれる人懐っこさ、親しみやすさからリョウを表現した。松本氏本人も非常にコミュニケーション能力の高い方だったようなので、そういうリョウと重なった部分が、スタッフのリョウの解釈にも影響を与えたのではないでしょうか。
松本氏が既に持っていた包容力のある演技がリョウを教師たらしめ、“やんちゃ坊主”のJJとは一線を画す方向に導くことになったと思います。なんせヒーロー役で一時代を築き、今では国民的人気アニメのパパ役射止めすぎですからねえ…(ゴクリ)。
OAV2本も、リョウの描写に違和感があっても、どちらもリョウとして成立できたのは、松本氏の声が付いたらリョウになる、その声の説得力だと思います。本当にいい声優さんが付いたよね…。

【ワードその5】菊池通隆

菊池氏といえばアニスのビジュアルばかりが語られがちですが、リョウに関しても非常に思い入れを感じるビジュアルを残しており、特に本編で振るわなかったバルテクターをはじめとするメカ描写の物足りなさを、菊池ビジュアルで補完していたファンは多かったと思われます。
菊池氏は「ジリオンとの差別化」を意識してキャラデザインをされたそうで、リョウはカラーリングこそJJと同じ黒と赤がベースですが、右足のバイクの修理道具一式入りの小物入れ(と云うのか)、手首に巻けるサングラス等、服装に男の子のハートをくすぐるギミックを仕込んでおり、私服はシンプルだったJJとは対照的になってます。
菊池氏は初期からリョウの「ヒーロー性」に焦点を当てたイラストを多く発表し、変身ヒーローに対するこだわりをリョウに託していた節があります。

思い過ごしかも知れませんが、菊池氏以前の「時代の寵児」だった美樹本晴彦氏は女性キャラほどに男性キャラを魅力的に描かない(モチベが低い)印象が強く、なもんで菊池氏の男性キャラもガチで取り組む姿勢は、私的には新鮮でした。ジリオンへの対抗心も根底にあったのかも知れませんけど。
菊池氏は今でも遺恨なようですが、本編に関わらずにイメージビジュアル専業になったことは、菊池氏にとっても作品にとってもプラスだったと思うんですよ結果論ですけど。もし途中で本編に関わっていたら、そこで気が済んでボーグマンを卒業してゼオライマーに専念していた可能性がありますし。
男性キャラを楽しんで描けるようになったのはシュラトから、とよく申されてましたが、ぬーたいぷのダストジードのべちにぱんつの時点で、もう充分楽しんで雄っぱいを描いていましたよね(根拠のない断言)。

話は逸れましたが、菊池氏はアニスに偏らず、リョウにも真摯に向き合い続けた。本編で絵的に物足りない部分をイラストで補い続けたことでリョウのキャラクターの幅が広がり、その魅力を増していけたと思います。

上気で挙げた要素、根岸監督がこだわった「メモリーの視点」によるマイルドな世界観によって、リョウはアクのない、“嫌われにくい”要素で構成された主人公になったのではないかという総括。彼が嫌われる理由があるとするなら「アニスの恋の相手になった」ことぐらいじゃないでしょうか。フックがないので印象に残りにくいという弱点はあるものの、バルテクターを通じてのビジュアルと松本ボイスで、今でも「マイヒーロー」として大事に思っているファンは多いと、わたしはそう信じてます。

まだ書き足りてない要素もありますが(これでも)、もうド長文なのでここいらで止めます。なんかまた園田氏ディスったよねよしかずさん。でも他に書きようもないし…。

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例のSSとの関連はないネタ。この後2Pぐらい不毛なやりとりが展開される予定でした。
posted by はらよしかず at 17:20| Comment(3) | ボーグマン

2019年09月17日

【剣狼伝説3】OSTライナーノーツ【寄稿文】

今回の記事は、ずっと発表しそこねていた剣狼伝説3のサントラのライナーノーツ感想です。ラストバトル関係が落ち着いたらひっそり出そうと考えていたのですが、現在プライベートでばたついている最中で、リョウ誕を最優先しないと間に合わない状況となっているので埋め合わせに使います。これでもう剣狼に関して云うことはなくなるかなーと。たぶん。まだライトニングトラップがあるので安心して下さい(何が)。
我ながらけなしすぎだろうと書きながら思っていたので、頭が冷えた後で何回か書き直したり削ったりしました。これでも。それと、剣狼シリーズ肯定派の方がいらっしゃったら申し訳ないとも思っております。これでも。肯定派の方の感想も聞いてみたいんですけどねえ。たまに検索したりしてるんですが、(音楽以外)絶賛している文章にお目にかかったことがない。いやアニメVの読者レビューにありましたけど、読みやすいだけで納得できる内容ではなかったので…ゴニョゴニョ。



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もうラストバトルのことを考えよう。そう思った矢先にうっかり入手した画像のアイテムのせいでそういう内容です。本当に申し訳ない。
奥で入手したのですが、落札直後に剣狼伝説のサントラ全部アマゾンミュージックの有料サービスで聴けることを知ってアチャー(ノ∀`)だったんですが、あの御仁が何か寄稿している匂いがプンプンしていたので、私的に剣狼最大の謎である「ロムの死」について云い訳のひとつでも残しているのではと、それなら元は取れるかなーと到着を楽しみに待った訳です。あと園田氏が手掛けた挿入歌の歌詞をちゃんと見てみたかったというのもあります。

予想通り、コラムが載っていたので損はしませんでした。羽原氏のイラストも良かったし。
ご覧ください。この当時既にアニメ業界で中堅以上の地位にあったシナリオライターの文章です。

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これはひどい!
さんはい!

こ れ は ひ ど い !


ボーグマンのサントラの寄稿文という前科があったのでさほど驚きはありませんでしたが、あまりにも稚拙な文章に開いた口が塞がりませんでした。素直に疑問なのですが、園田氏は当時まだ四百字詰め原稿用紙を利用していたのか、ワープロ導入していたのかどっちなんでしょう。ワープロ使っててこのひらがな率だとしたら、失礼ながら漢字の候補一覧の開き方を知らなかったんだろうかとすら。原稿用紙だとしたら、晩年の栗本薫女史のように意図的にひらがなで字数稼ぎしていたのか。あの女史はいろんな意味で手遅れだったようなのでともかく、まがりなりにもそこそこのヒットメーカーだったのに、国語辞典を手元に置く習慣がなかったのかと疑わざるを得ません。まさかとは思いますが、ライナーノーツを手にするファンの読解力に合わせたつもりだったとか、さすがにそこまでアニメファンを下に見ていたなんてことはないですよね…?

要素の抽出もひどい。マイナーバンドのサクセスの例えはそんな長文いる? かつてゲーム雑誌の編集部で、わたしにライティングを教えて下さった上司にこんな文章見せたら、無駄しかねえじゃんかもっと要素を絞れよとけちょんけちょんで全リテイク一択でしたよ。
剣狼三部作に対する各コメントですが、ワタクシ1は速水声のロリコンと女子高生の着ぐるみを着た園田氏の一人芝居にしか見えませんでした。退屈な日常を変えるのは自分自身、なんて既に手垢のついたテーマで、視聴者的には分かっとるわ! だったんじゃないですかねえ。というか、視聴対象となるおっきなおともだちはオタクという時点で楽しみを得ていた訳で、釈迦に説法だったんじゃないの。それより当時は「ムー」か「マヤ」の熱心な読者だったんですか?
2はロムとレイナの「兄妹の絆」を描きたかったことまでは分かります。しかし「ロム(兄)の強さの源はレイナ(妹)」にお、おぅ…? となったファンは多かったんじゃないでしょうか。クロノスのロムの強さはキライの教育と修業に基づいた強靭な信念と正義感にあり、可愛い妹を守りたいというミニマムな意志でハイリピードを手にしてきた訳ではないと思うんですけど、もっかいクロノス見直せそうしたら納得できるから案件でしょうか。いやーロムはただのシスコンですよ? と云われたようで不愉快でした。ストーリーは3部作の中でいちばんマトモだったんですけどね。レイナの金魚のフンみたいなおっぱい2人組はどうでも良かったですけど。
で、3ですがもう嫌気がさすぐらいにツッコミどころしか浮かびません。見事な位にレイナのことしか記述がなく、ロム死亡にまったく触れてないのがなんともひきょうきわまりない!(武神流39代目自重)ネタバレ回避の云い訳は通じません何故ならストーリー紹介ページでしっかりバラしているからです。
レイナは兄が死ななければ自立できないポンコツ娘なんですか? レイナのお守り役だったジェットドリルジムの3人は一応健在な訳で、それなら彼らも退場させるべきだったんじゃないですか? プロットを詰めれば回避できたはずなのに、何が何でもレイナのためにロムを(この世界での死を以て)退場させないと駄目だ、と思い込んでいたんじゃないですか? それ以前に伏線ってご存知?

何がいけないって、スタッフにとって「ロム・ストール」が“その程度”の存在だったことじゃないでしょうか。クロノスで幾度も死線を潜り抜け、己が住まう惑星だけでなく宇宙の平和のために戦い抜こうとしたヒーローを、ただのシスコン恋愛脳な“ロム兄さん”として最期を迎えさせてしまった。少なくとも、ロム兄さんを心の支えにしていた女性ファンに配慮する神経はなかったんでしょうね。

そんなやるせなさを覚える反面、この歌詞でちょっと拍子抜けしてみたり。

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「はるかな旅路へ、きみと」と「想(おもい)」は園田氏の作詞です。

歌詞の内容から、少なくとも園田氏がいちばんロム×レイナのカプ厨だったことは確信できました。作中でも「死んだ訳ではなくどこかで必ずまた会える」的な発言を強調していたことからも、剣狼三部作の「次」でフォローするつもりでいたと解釈できるのではないかと。要望が多ければ「ロム復活」も視野に入れたんじゃないでしょうか。
園田氏も他スタッフも「ロムを殺した」自覚は本当になく、剣狼3リリース後に羽原氏が雑誌等で「ロムは死んだ訳ではない」と主張していたのは、弁明ではなく素で「彼はレイナとはすぐに会えない世界に旅立っただけで、いつか必ず再会してその時は兄妹ではなく恋人として結ばれる」としていたんでしょう。
ロムとレイナがカップルになるお膳立てを整えて「あげた」のに、なぜファンは怒っているのだろう? と困惑していたのだとしたら腑に落ちます。ただ、羽原氏が矢面に立ってファンに対応したのに対して、園田氏はダマテン決め込んだのはいただけませんけど。

結局剣狼シリーズ以降、レイナが再登場したのは剣狼とは縁遠いライトニングトラップで、それを最後にレイナは表舞台から姿を消したキャラクターとなりましたが、ああいう番外編しか出せなかったのは、剣狼でモチベを使い果たしてしまったんでしょうか。なんとなくですが、アニスというレイナ以上の可能性を秘めたコンテンツの登場も関係していたんじゃないかと思ったりします。レイナという“守られるヒロイン”の限界を感じ、剣狼3で彼女を独り立ちさせた後は「第二のレイナ」アニスに移行しようとしていたのかなと。


という内容でした。ではリョウ誕の準備続けます。
posted by はらよしかず at 18:13| Comment(5) | その他アニメ

2019年09月06日

【資料】ラストバトル アーカイブス【前編】

調べてみたら意外と情報があったラストバトルですが、シナリオの大変更等、かなりの変遷を経て発表に至ったことが窺えます。まずその辺を把握しないと本質が見えてこない作品だと思いますので、当時の記事や根岸監督インタビューを資料としてアップさせていただきます。ブルーレイのブックレットの根岸監督インタビューは当ブログでは初公開となります。黒地にフォントが白だし、平綴じだしでスキャンしづらいんですよね。

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アニメV1989年4月号。アニメVでラストバトルの第一報記事となります。リョウのキャラデや設定など、実際発表されたものとはかなり異なっております。ブレイン・ハーマーは後に美姫の爺ちゃん(桂重藏)に変えられちゃってるんですよね。ハッサンも立場がまったく違うし、こっちだったら玄田ヴォイスが普通に似合うナイスおっさんになってたのかしら。

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しかし5-6月号は音沙汰がなく、この7月号で公開された第二報で内容が一変したのでした。4月号ではもろに本橋デザインだったリョウが、元の菊池デザインに近くなっております。

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アニメディア1989年4月号。アニメVと同じ4月号で時期的にそんなに離れてないのに、アニメディアでは既にアメリカ設定で紹介されているのが不思議。もしかしたら、情報はアニメディア最優先だったのかも知れません。アニメディアはこの後も事後ポスターや岸間氏のSSなど、ラストバトルを熱心に採り上げてましたし。

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ラストバトルファンクラブ会報vol.1。表にほとんど出てこなかった岸間氏のコメントが貴重。アニスがお気に入りだったんですね。

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会報vol.2。根岸監督インタビュー。ラストバトルの不可解な点は、監督の一連のコメントでだいたい腑に落ちます。納得できるかは別問題ですが。

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ラストバトル劇場パンフレットのインタビュー。

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ブルーレイBOXブックレットインタビュー。ラストバトルに触れる前のコメントも必読。28話は園田氏にとって、アニス確保に王手をかけた回でもあったのかしらね。その直後にボーグマンの“終盤”のすべては根岸監督に委ねられ、園田氏の目論見は外れることになったと。演出サイドで脚本を作り直した回はずっと気になってます。18話の不完全燃焼ぶりはそれも影響しているんかなーとか、いろいろ考え込んでしまう。だいぶ前に見かけた某所のアニメ脚本家スレで、「脚本の出来に問題があると演出家が直すことはある」というレスが忘れられないし。

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おまけ(?)。菊池・麻宮FC「Sandwich」の会報7冊目より。松本さんと菊池氏の対談っぽいインタビュー記事から抜粋。ラストバトルは菊池氏的には「降ろされた」という認識だったようで。おそらくですが、根岸監督はOAVの企画が出てきた段階で、菊池氏の続投は考えてなかったんじゃないかなあ。本編の進行中から菊池氏の絵がごんごん変わっていってて、後期OPでは根岸監督が望んだであろう「田村英樹フォロワー」色は薄れていたし。
んでも、もし菊池氏にオファーがあったとしても、ゼオライマーの作業と折り合いを付けられたとは思えないし断ったと思うんですけどね。
まあ三年後のボーグマンたちのイメージスケッチぐらいは出してもらっても良かったんじゃないかと思いますけど、もうお互いブチ切れ合ってて、FOREVERが限界だったのかも知れないですねー。

次回は岸間氏のSSと、余力があればアニメ誌のラストバトルレビュー記事など。
posted by はらよしかず at 18:05| Comment(3) | ボーグマン