2020年07月28日

【ボーグマン】こどものおもちゃ【るーぱー】

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お盆前までクソ忙しくなりそうで、予定していたネタは先送りにして16話感想をさくっとやろうかなーと思ってたんですが、ついったで非常に興味深いTLを拝見したので、それを肴に雑談します。ちなみに今回の記事は画像がなくて寂しかったので、フォルダ探したら発見した拾い物です。つよい(視覚的に)。



この「子供向けとは、子供騙しとは何ぞや」が素晴らしく簡潔に語られた(しかもコロコロコミック編集部という説得力)文章で、ボーグマンがなぜ子供に受けなかった(玩具が売れなかった)のかを考えさせられたのでした。この辺は同時期のサムライトルーパーも同じ問題を抱えていたと思います。

「これは絶対に子供だってかっこいいと思うはず! でもちょっと分かりにくい(難しい)かもだから、分かりやすくしよう!」

正直、ボーグマンスタッフ、特に園田氏はこういう考えを持ってなかったんじゃないかと思えるのです。語弊はありますが、「夏目想太郎」前提の設定の段階では、園田氏の中に志はあったと思うんですよ。それが根岸監督にひっくり返され、設定の仕切り直しを行わずにそのまま放置してしまった。1話で「1999年の時点でなぜメガロシティを制圧できなかったのか」という疑問をメッシュが「いずれ分かる」としつつ、結局謎のままで終わったのは、初期の構想にあったラスボス「魔王ビシュヌー」を何処かで出す意図があり、夏目想太郎で構想していたプロットを諦めてなかったのではないでしょうか。
ボーグマンのよく分からないところは、園田氏が構築した初期の世界観の代案が出た様子が見えず、しかしビシュヌーなど、初期案から再利用という考えも見えない。園田氏の初期の世界観への固執と、それを没案として拒み続けた根岸監督という「平行線の図」しか見えてこないんですよね。平行線のまま後半に入り、打ち切りもちらついたことでどう物語をまとめるか。そこで根岸監督が構想したプロットがPに気に入られて、園田氏が入り込む余地がなくなったことで物語が「根岸案」で集束していった。妖魔サイドの掘り下げが中途半端に終わったり、27話までマリモ先生が忘れられていた(放置されていた?)のも、その辺が関係していると思います。マリモ先生はまたピンで採り上げたいので詳しくはその時に。

夏目想太郎前提のアイディアをリサイクルしたと思しきライジンオーの完成度の高さから、園田氏は「子供騙し」のつもりはなかったと思います。ただ、園田氏の「おじさんが子供に伝えたいカッコいい」は夏目想太郎でないとできないもので、響リョウで進んだボーグマンの物語でそれらを伝えることを諦め、アニスへの思い入れが加速したことで、子供からアニス萌えの男性ファンに対象を変更したんじゃないかと思えます。アニスはレイナの流れを汲むヒロインで、レイナ以上の金脈として申し分なかったですしね。嫌な云い方ですけど、文芸で食べていく立場の方として間違ってなかったと思いますよ。ただ、やり方は拙かった。本当に糞拙かった(二回)。

「子供騙し」と云われても仕方なかったのはスポンサー陣じゃないでしょうか。ジリオン銃がヒットしなかったから在庫抱えてボーグマンに流用という事態になった訳で、そもそもジリオンシューティングもちょい年齢高めの、アニオタの萌芽が見える層には受けたようですが、メインターゲットの小中学生にホワイトナッツなりきりでキャッキャしてもらうには知名度と普及が致命的に足りなかったンじゃないですかね。自分だけでなくお友達にも買ってもらわんと一緒に遊べないんだし。
まあジリオン銃に限らず、セガの玩具って「おじさんにはよくわかんないけどキミたちこういうの好きだよね?」という志の低さを感じるんですが気のせいでしょうか。そういうセガだから、自社のクソマイナーなハードでTVアニメのゲーム出しちゃったのかしらね。いや後年のセガサターンとドリキャスは愛してましたよ? 引っ越しで(まだ状態の良かった)サターンを手放したのを今でも後悔してますよ?
根岸監督に関しては、子供向けとか子供騙し以前に、当時は子供向けコンテンツのノウハウがなかったんでしょう。ついったで頻繁に「玩具アニメ」の重要性について触れられるのは、ボーグマンで反省点やら何やら負の経験を相当されたからじゃないかと邪推してます。そこから勉強して試行錯誤されていったんじゃないかと。でもラムネもテッカマンブレードもウェブダイバーもパっとしなかった印象しかないですスイマセン。

以上のことに思いを巡らせたと同時に、サムライトルーパーもメインターゲットだったはずの子供をどう思っていたのかよく分からない、ボーグマンと似たもの同士な作品だったかも知れないと思いました。
るーぱーの玩具事情はウィキペディアで知れる限りの情報しか得てないんですが、タカラサイドもアニメスタッフも前述のような「坊主、ヨロイギアはカッコいいだろう!?」という情熱があったのか、めっちゃ疑問です。ぶっちゃけ、星矢っぽい企画で一発当てられたらラッキーぐらいの志だったのだろうかと。
ちょっと前についったで「サムライトルーパーは面白くなかった」というTLがちょろっと流れてきた時にも呟いたんですが、19話までは正直、アニメファンならいざ知らず、子供は途中でチャンネル変えるだろコレなシナリオや演出面でのメリハリのなさが気になったし、仲間が集結しちゃ即分散されていたので、これでは当時のお子様はごっこ遊びもできなかったでしょうと。
ただ、つまらなくはないし続きは気になる。実際二部から各キャラが立ちはじめテンポがぐっと良くなり面白さが増したのは事実で、個人的にはちょい似た体感を味わったボトムズと同じカテゴリの作品です。そのボトムズもキリコの行く末が気になったから見れたように、るーぱーも(腐女子人気は横に置いた上で)真田君を見守る気にならないと、ちょっときつい作品じゃないかと。
まあ池田監督はどうも偏屈な方だったようですしそこに高橋良輔御大も加わっていたことを考えると、子供向け云々以前に察してあげなさいな現場だったんでしょう。スタッフが入れ替わった20話以降、明らかに女性ファンを意識しつつ、外連味ありの分かりやすい内容に変えたのは大正解だと思いますよ。玩具は輝皇帝でワンチャン狙ってやっぱり駄目だったと二次裏で読みかじった記憶。

ボーグマンもるーぱーも子供に振り向いてもらえなかったことを考えると、そういう意味では1988年は、作品も玩具もヒットしたワタルのひとり勝ちだったんじゃないでしょうか。あの当時の芦田氏の貢献度、ワタルで繋がった玩具ロボットアニメの復権を思い返すと、やっぱり芦田氏は偉大なクリエイターだったと畏敬の念を抱かずにいられません。OUTで下ネタ連呼してたおぢさんというだけじゃなかったんだね!ヽ(´ー`)ノ

またしばらく潜ります。体調がもうちょっと回復したらいろいろやりたいことはあるんですが、夏バテが待っている悪寒(;´Д`)
posted by はらよしかず at 20:47| Comment(3) | ボーグマン

2020年07月07日

【もうちょっとだけ】ここが変だよ! ラストバトルその4。【続くんじゃよ】

気が付けば一ヶ月近く間が空いてしまいましたが、プライベートのあれやこれやが重なってメンタル含めて体調不良に陥ってまして、PCの電源入れるのも億劫な状態でした。つべのセラムンS公式配信がどうしようと思う位面白くてどんだけ救われたか。
まだ完全復調まで行ってませんが、上向きになるきっかけになるかなーとのっそり。また予告と違うネタで申し訳ありませんがラストバトルです。脳内でネタを複数転がしてたら、すぐまとめられそうなのがこれだったので。ライジンオー感想はエネルギー溜まらないとやれそうにないです。そのせいでしばらく月1100円のバンチャを止められないトホホ。

火鷹に触れる前に片付けたいネタがあったのを思い出したので。ラストバトルで最も痛感するのは、リョウとアニスの不遇なカップルぶりです。ラストバトルは本来、恋人同士となったリョウとアニスの間に割り込む火鷹というシチュエーション、リョウと火鷹の間で揺れるアニスの恋愛模様がメインになるはずでした。

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アニメVの記事再掲。本橋氏の一連のコメントから、「大人の恋をするアニス」がラストバトルの一番の見どころであり、キャラデの一新もそのためのものであることが窺えます。
このプロットでは、サイソニック学園は存続しており火鷹は社会科教師という設定。リョウと別れ古巣に戻ったアニスが、リョウとは違う「大人の男」の火鷹と時間を共にし魅かれていく。そして火鷹も「人類の進化形として共に生きよう」とアニスの手を取ろうとする。火鷹が示す未来への誘惑と、断ち切れないリョウへの想いの間で迷うアニス。その様子を以て「大人の恋」を描写するはずだったんでしょう。
この「大人の恋」がクセモノで、スタッフはそもそもそれが本当にメインターゲットであるアニスファンへのサービスになると本当に考えていたのか。断言しますけど大多数のファンが見たかったのは菊池氏デザイン(&作監)のTVシリーズのアニスの活躍であり、本編できっちり描かれてもいないリョウとの恋愛関係の描写もすっ飛ばした上に、ポっと出のオリキャラでしかない火鷹とのロマンスがファンサービスになると思っていたんでしょうか。

これは推論ですが、根底にはボーグマン放映中に話題となったジリオンOAV「歌姫夜曲」の影響があると思っています。歌姫は映画「ストリート・オブ・ファイヤー」を下敷きにしたパラレル作品ですが、作中でアップルはJJといい雰囲気になりながらも、昔の恋人であるリックスを忘れられずにいる、という「大人の恋を経験したヒロイン」として描かれました。


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ついったのフォロワー様のTLより(火狐だと画像が表示されないので別途アップしました)。歌姫のPである植田氏のこのコメントはアニスに通じるものがあるのではないでしょうか。本編に恋愛要素を持ち込めなかったお詫びに、素敵な大人の男との恋を経験させてあげたい。これはそのままアニスにも当てはまる要素で、良くも悪くも園田氏がボーグマンチームに恋愛要素を持ち込み禁止にしたお陰で、アニスも女性の生々しい感情は控えめなヒロインとして在れたと思います。ただ、園田氏の場合はアニスへの邪心が見え隠れしたのがいただけないンですけど。
主人公が最初で最後の恋の相手になるのは気の毒。その前に大人の恋ぐらい経験させてあげたい。そういう「親心」が当時は当たり前で、こだわれるのならこだわりたい要素だった。ラストバトルのPも根岸監督も、それをメインのウリにするつもりで制作を進めたのでしょう。

しかし、根岸監督は途中で卓袱台をひっくり返し、脚本は第四稿まで練り直されまったく違うストーリーに変更されました。ここで露見したのが、根岸監督の「主人公とヒロインの恋愛」に対する関心の薄さです。脚本の岸間氏がアニメディアの付録で発表したリョウとアニスの“空白の三年”を描いたSSは、恋人として寄り添い合うふたりへの愛情が窺える内容でした。ですが、あれらは最初のアフリカ設定が前提であり、急ごしらえとなったNASA設定には当てはまらない。リョウとアニスの空白の三年は本当に“空白”になってしまった。根岸監督はパンフレットのインタビューで「三年あったらとっくに恋人になってるでしょう」と語るに留まっており、監督の中には具体的な「リョウとアニスの愛の形」のビジョンがなかったと思われます。監督にとってリョウとアニスはFOREVERで成立し、そこで止まってしまったカップルだったのでしょう。岸間氏もアフリカ前提のシナリオが総ボツになった時点で、NASA前提のふたりの過去を構想し直す余裕はなくなったんじゃないでしょうか。ここはさすがに責められないです。

痴話喧嘩で始まったラストバトルのリョウとアニスの関係は、今までさんざん書いてきた通り、リョウのアニスへの想いが伝わってこない。「リョウがアニスをどう愛してきたか」考えてないから描けませんと云わんばかりにハッサンを使ってはぐらかしまくっている。火鷹とリョウの間で苦悩するはずだったアニスは、火鷹の誘いを最悪の返答で絶対にノウ! し、結局「大人の恋」とは程遠い内容になってしまった。クライマックスのオメガとの戦闘も、恋人でなくてもふたりはお互いを守る為ならそこまでやりますよね? 程度の「愛の勝利」で留まり、そもそもどんな恋人同士かというビジョンがスタッフにないので、キスどころかホットな場面がほとんどない同棲カップルという歪な関係に、リョウとアニスはされてしまったのです。この辺、演出の村山氏は相当に不満が残ったようで(アニメVのラバレ連載記事からチラホラ窺えます)、これがラバレに繋がる原動力になったんですよね。そら肝心のリョウとアニスの情報が空っぽだったので、演出しづらかったと思いますよ。

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数少ないそれっぽい場面。リョウのアニスに向ける優しい目線、彼を抱きしめるアニスはまあ好き。

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リョウはアニスに支えられないと動けない位ダメージ追ってたのに、爆風から咄嗟に彼女を庇うカットも好き。


おそらくはですが歌姫夜曲路線の「ヒロインの恋」を想定していたはずが、結局それが根岸監督の手に余る要素だったせいで、恋愛よりも「アニスがサイボーグの体をどう捉え、どう生きていくのか」という主題だけを残し、三年後のメガロシティでボーグマンがメモリーの遺志の下、一夜だけの復活を果たすという、シンプルなストーリーにまとめたと解釈しています。
3人いたPの意向やアニス人気等、とりまとめに苦慮されたことは察せますが(特にアニスの扱いに関しては意見が分かれたと思われますし)、正直ラストバトルからは、根岸監督のリョウとアニスに対する愛情があまり感じられません。アニスが「サイボーグであっても普通の女として生きていきたい」という結論にたどり着くことが重要で、ラストでアニスはリョウと共に生きる未来を選択しましたが、リョウと別れて自立する未来でもそれはそれで有り得ますね、というスタンスだったのかもなあと。いや勝手に思ってるだけですけど。

まあ、火鷹とのガチ恋は没で正解だと思いますけどね。歌姫も賛否あったようですし、当時のアニス人気を考えると、彼女のロマンスはファンにとって要らざるお節介にしかならんかったのではないでしょうか。そこは今も昔もセンシティブな部分だと思いますし。というか、モロ本橋フェイスのスカしたイケメンとのいちゃいちゃとか喜ばれる訳がない。いやまあ、初期では火鷹はダストジード以上のサイボーグだったので、上手くやればダストジードを彷彿とさせるヒールとの禁断の恋という美味しい要素になったと思いますけど、最初から最後までファンととことん考えがズレていた根岸監督が、ファンを納得させられたとは思えませんなあ。
恋愛要素をどうしても入れたかったのなら、なんで(反発も少ないはずだった)リョウとアニスの恋を真面目に描く方向に行けなかったんでしょうかねえ。行ってたらラバレは生まれてませんでしたけど。

本編では園田氏に否定され、ラストバトルでは根岸監督から適切な愛情を与えられず、恋愛中心だったラバレもラストバトルにもFOREVERにも繋がらない孤立したエピで、本当に不憫なカップルですよりょあに。それでも一定の支持があるという不思議なカップルですけど、これはラバレの菊池氏の奮闘と、FOREVERのお陰ですかねえ。ラバレに関してはまた改めて語ります。

またちょっと間が空くと思います。すみません。やりたいことはいっぱいあるんですけどね(;´Д`)
posted by はらよしかず at 19:03| Comment(3) | ボーグマン