今年はあと何回更新できるのかしらーなのっそり更新になったとはいえ、奥や駿河屋のチェックは欠かしておりません故、今回は奥でゲットした35話のアフレコ台本を紹介。実はかなり以前に1話の台本が出品されてまして、これが回転寿司になっていたので入札して余裕かましてたら、終了ギリギリでかっさらわれたトラウマがあり、そんなヘマは二度としないぜ! と気合い入れて参戦したらあっさり入手できました。
最終回シナリオはアニメディアの別冊付録に丸々掲載されているので、目新しさ的にどうだろうと思っていたんですが、チェックしたら微妙な差異があったので(本当に微妙)、そこを中心に最終回語りをしていこうと思います。
周知に関して疑問があるので一応念押し。最終回のシナリオは根岸監督です。園田氏は34話を担当しておられますが、28話以降はあまり制作に関わってないと思われます。園田氏のシリーズ構成作品ではボーグマンだけじゃないですかね。園田氏が最終回に関われてないのは。
レミニス(ダストジード)を手にかけたメモリーの涙から始まっていた冒頭、台本では防衛軍登場から始まっておりました。ナレーションのタイミングを思うと、逆にしたのは正解ですね。
ちっと残念なのは、台本ではアニスがリョウの肩で泣くとあったのに、実際はアニスが悲し気に目を伏せるに留まったことです。まあリョウのアニスへの気遣いが窺える表情で充分と云えばそうですが。
あんまり突っついてやるなという点でしょうけど、リョウの切り替えぶりを見ると、リョウとダストジードの因縁の物語は34話で完結しているので、ラバレであんなに引きずるのはおかしいんですよね。そもそも園田構想の最終回はまったくの別ものだったようなので(ソースはアニメディア別冊付録の最終回特集)、園田氏がラバレでキャラにも最終回にも余計なミソ付けた感。園田氏が剣狼伝説系のアニスアフターを構想していたなら、メモリー死亡EDも不本意だったんじゃないでしょうか。園田構想だとメモリーの代わりに男2人が強制退場させられていた疑惑を抱いてますが(剣狼3で最終回の没アイディアを使い回したんじゃないか? と)、その辺は執筆停滞中のアニス考察で触れる予定。
ここのモーリーのセリフに「シンジ君はどうなるの!?」がありましたが本編ではカット。防衛軍が子供を見捨てる気でいたということになり、コンプラ的によろしくなかったからですかね(メタ)。
シーン78のリョウとチャックのこの会話もカットされてます。台本で読んでいくと、取り残されたボーグマンたちが妖魔王からも防衛軍からも追い詰められていく様を、丁寧に書いていたことが窺えます。根岸監督はこういう「世間は知らないが生徒たちは知っている」孤高のヒーロー像をやりたかったようですね。
フリッツ博士&美姫やバーガー署長の信念故の「ボーグマンチーム」否定は、根岸監督がもっと掘り下げてやりたかった要素なんじゃないかと思えました。園田氏は逆に「ご当地ヒーロー」として持ち上げたかったんじゃないかと、20話を見る限り思えます。正に「ご近所ヒーローロボット」だったライジンオーが、園田版ボーグマンリベンジだったとするなら尚更。
ただ、「誰からも認めてもらえない」戦いをリョウたちが理不尽と腐らず、笑顔で受け入れ続けたところがボーグマンの魅力だったと思うのです。「どんなに戦っても誰も分かってくれない」という湿気が入らずに終わったのは良かった。
いつも通りな彼らのまま、最終決戦に臨む姿が最の高
クライマックスシーン。妖魔王にソニックブースター付けた後のボーグマンたちの反撃は、台本の段階ではアニスでトドメだったんですね。リョウのヘルメット割れに特に指定がないので、羽原氏が魂を込めて仕事をしたのが窺えます。そういえば台本に「(メモリーの)メガネが取れ、」という記述がありましたが、作監の本橋氏がアニメージュで「メモリーの眼鏡は冷たい印象があって嫌だったので最終話で取った(意訳)」とコメントしており、根岸監督が大畑氏だけでなく本橋氏の要望も取り入れた上で、脚本の執筆を進めたのかなと思ったりします。しみじみ、根岸監督が信用できるスタッフだけで作り上げた最終回だったんですね。
いや本当に、こうやって最終回を吟味すると終盤は根岸体制になって良かったと思います。当時の園田氏のアニス関連のはしゃぎ方を見てると、園田氏がこの最終回以上の最終回を作れたとは微塵も思えないので。構成的にターニングポイントだったはずの18話以降も、ここからどうまとめに入る気でいたんだろう…と思う位に散漫だったしなあ。19話や22話とか、単品だといいハナシが増えてきてたんですけどね。
もっと早くに構成に芯が入っていたら、25-26話は締まったものになってたはずだし。2話分やる意味が感じられないぐらい緩い内容だったのは本当に痛恨。なんだろう。昭和カラーTVアニメ版の009で、序盤の主軸だったのに途中から保留されて各キャラの単発エピ「戦士の休息編」でお茶を濁し続けた「宇宙樹編」が、ネオ・ブラックゴースト三兄弟とガンダール登場でそろそろ話が動くのか? と思わせといてやっぱり動きませんでした! だった肩透かしに似ていると云えば、分かるひとには分かってもらえるかしら。あれも確か高橋御大が宇宙樹編を持て余したのが原因なんですよね。その反省を活かしたのがボトムズという考察をどっかで聞いた。
さりげないツッコミですが、乱堂はスタッフから愛されてたのかしらヽ(´ー`)ノアドリブが入っていたりと、桜井氏もノリノリでしたし。
リョウ誕をやる余裕がなかったので、予告通りの台本紹介でした。奥で原画集を落札し損ねたショックを引きずっててすまない…うすいほんを新型ipadと思い込める愛と勇気と財力がわたしにはありませんでした…いやマジで予約できるぐらいの金額に跳ね上がったので…。
しかしそのお陰でネタが拾えたので、次回は(できるだけ間を置かずに)小ネタを更新予定。
おまけ。
最終話で鷹森さんのお名前の誤植はいただけませんが、台本あるあるだったんでしょうか。
最終話で鷹森さんのお名前の誤植はいただけませんが、台本あるあるだったんでしょうか。