という訳で本日でボーグマンはちょうど放映30年目となる訳で、放映された年に生まれた赤子が働き盛りなお年頃いや止めようこんな話。きっと吐血する
紹介したいものが増えてしまいどうにも整理がつかない状況なのと、30周年当日らしい企画を熟考した結果、第1話を振り返るということにしました。
企画書や設定資料集は後日おいおい採り上げていきます。企画書は美味しい要素ばっかりで書きたいことが多すぎる。4〜5月はできるだけ更新頻度を増やせるよう頑張ります。と思ってるだけです(後ろ向き)。
さて本題。
しょっぱなからぶっちゃけますと、1話はジリオンの後継ということで期待した視聴者を微妙な気持ちにさせて有り余る出来としか云い様がないんですよね。現在でも高評価なOPのクオリティに、本編が完全に負けているという。もうこのスタート時点で人手不足だったのかと。そこいらへん割り切って見たらそこそこ面白いんですけど、これは駄目な子ほど可愛いというアレかも知れません。
1話なんだからもうちょっと頑張れよと云いたくなる作画レベルに目をつぶれても、演出と脚本の微妙さはどういうことなのかと。かみ合ってないというのともまた違うような。脚本・園田氏で絵コンテ・演出は根岸監督なのですが、この微妙さは両氏が手掛けた18話にも感じられるのでした。この辺は本当に不可解で、だから18話の感想が今でも書けないんですよね。お互いの意向のすり合わせがなされないまま作業に入っちゃったんかなあ。
・…ところで30年前のクライシスで、妖魔が覇権を握れなかった理由って後できっちり語られましたっけ?「いずれ分かる(意訳)」とか云いながら、説明しようと思ったら妖魔神官全員退場していたんじゃないですかねメッシュ様。もったいぶるからそんなカッコ悪いことになる。
・ノストラダムスの大予言が、うっすらとした恐怖として巷に刷り込まれていたあのご時世だからこその冒頭。もう世紀末もへったくれもない現在、若い子これ見てどう思うのかしら。
・ハイウェイをサンダーで疾走して登場する主人公・リョウ。これ、ジリオンとの差別化を意識した場面だったと思うんですよ。荒野をチャリで疾走して登場したJJの「泥臭さ」と対照的に、都会的なイメージを前に出したかったのではないかと。
・サンダーのヴォイスはこの時は機械の音声を意識した演技だったんですね。中の人の山ちゃんは今でも声に劣化が感じられないのがしゅごい。それは井上さんも同様ですが。
・追跡した妖魔と単独でバトルするリョウ。松本さんの演技がまだこなれてないのは仕方ないにせよ、リョウがベラベラ独り言云いながら戦ってるのが気になる。この場面がもうちょっと締まったものだったら印象変わったと思うんですけどねえ。
・リョウのピンチに登場したチャックとの会話のノリは、JJとチャンプとはまったく違う男同士のコンビを書こうという気概が感じられて良いんじゃないかなと。園田氏はリョウとチャックのコンビに関してはいい描写多かったんですよ。そういう意味で、後半でアニスに入れ上げて他が雑になったのは本当にマイナスだった。
・「本当に強い子は弱い子を守ってあげるものなのよ」何気にトオルに対してひどいこと云ってるなアニス先生。1話の作画でいちばん残念だったのはアニスじゃないでしょうか。ヒロインなのに。2話で伝説爆誕となる変身バンクで、視聴者のハートを鷲掴みにするとはこの時点で誰が予想したであろうか。
・モーリーを強引に誘ってたんけんだーと立ち入り禁止区域にるんるんと入る織田シンジ。彼の悪行はまだ始まったばかり。バリアンこいつわんこ妖魔に食わせてしまえば良かったのに(ボソリ)。しかしなぜシンジだけバリアンに見つかった後霊圧がぷっつり途絶えていたのか。
・メガロビルはメガロシティの中枢だから、ここのコンピューターに何かあったら大変なことになるとアニスが説明した端から、
・血気盛んな男2人がぐーすか寝ている格納庫につかつか入り込んでたたき起こすメモリー校長先生ハンパねえ。この校長先生の「説明は後!」は後々も(主にリョウにとって)凶悪な意味合いを含むのだった。というかそれボーグマンたちに先に云ってあげてよ! なこと多すぎたよね。
・1話目にしてうすいほん的な目に遭うアニスとモーリー(こら)。しかし「ヒーローの助けを待つ囚われのヒロイン2人」とシチュ的にはいいカンジで、これを成立させるためにシンジは外されたと思っていいんでしょうか。そのまま忘れ去られてしまえば良かったものを(小声)。
・しかしメガロビル最上階付近で宙ぶらりんとか実際怖いですよね。VR体験させられたらちびりますよね。
・妖魔出現をメモリーから聞かされ出動準備するリョウとチャック。そこでメモリーからソニックレシーバーを手渡され、肝心の用途の説明は後回し。転送のぶっつけ本番に対する拒否権を彼らに与えない状況に持っていくメモリーマジ策士。
・その間にもバリアンのメガロビル制圧準備は着々と進行。振り返ってみると彼女以上にインパクトのある妖魔って出てない気がします。2話でのパワーアップバージョンとかエグかったし。そういえば人間に近い見た目のデザインの妖魔も彼女ぐらいだったんじゃ。
・メガロビルに向かう最中にバルテクターのレクチャーを受けるリョウとチャック。人体実験はしてないけどあなたたちなら大丈夫よね(はぁと)…いやいやいや、いくらリョウたちがサイボーグとはいえ、転送システムは人類がまだ到達してない未知のしくみなはずで、何を根拠に大丈夫と断じたのか。まあこれをズッコケで返すこのノリがボーグマンらしさな訳で。ところで2話ですんなりボーグゲットオンしたアニスはシミュレーションで体験済みだったんでしょうか。
・つべこべ云ってないで! ヴォイスキーはボーグゲットオンよ! と有無を云わさないパワハラ上司。9話の水上レースの合言葉はメフィストワルツ! といい、メモリーこういうの好きなのかも知れない。
・そして変身バンク。後の戦闘シーンがいまいちパっとしなかったことを思うと、これが1話の実質クライマックスじゃないでしょうか。
・バルテクター装着成功でボーグマンたちはメガロビルに到着。演出自体は悪くないんですが、バルテクターの強さを見せるより先にサンダー&バギーの火力を先に見せてるのは作劇的にどうなのか。
・わんこ妖魔即合体パワーアップで、ボーグマンがさっそく苦戦しちゃってるのがなあ…サイボーグパワーブースト攻撃を見せたかったのは分かるんですが、なんか盛り上がらないというか、メイン視聴者のキッズが手に汗握る展開になってなかったと思うんですよ。
・リョウの攻撃でわんこ妖魔が一発撃破される場面とか、シーンごとの演出はいいのに戦闘場面そのものの構成の魅力の無さが足を引っ張っている気がします。テンポがよくないよね。これは本編の終盤直前まで直らなかった欠点じゃないでしょうか。
・云いたかありませんが、ジリオンを通るとボーグマンのこういう粗が本当に目につくんですよ。スタッフの経験値の差だったんですかねえ。
・さらに云えば、4話まで作画も演出もハズレ回が続き、キャラの描写をはじめ調子よく回り始めるのは5話以降。それまでに見限った視聴者は多いはずで、この序盤の躓きは大きかったと思われます。反面、アニスのおっぱいに免じて我慢したかつてのボーイズアンドメンズも多かったはずですけど。
・3話も4話も良かった探しをしようと思えば充分できるんですけどね。すべてがどうしようもなく出来が悪かった訳ではないんですよ。ただ雑だっただけで。いや本当に。
せっかく30周年なのにもうちょっとホメてあげられないんですかよしかずさん。いやいやこれでも結構ホメたつもりですよ?(脳内会話)
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