2019年02月15日

【原点】FOREVER感想。

いつもならアニス誕アフターなんですが、再燃のきっかけになったFOREVERをそろそろ振り返ろうと思った次第。4年前になんとなくつべでFOREVERを見直す直前まで、再燃するなんて毛ほども思ってませんでしたよ。ちょうど某人気BLゲームにドハマりして、やっとメジャージャンルでいっぱいほも描けるよやったね! とかルンルン(死語)だったんですよ。なもんで、今更どのツラ下げて戻れるというのか需要も疑わしいのにと頭抱えましたよ。しれっと戻ったけど。いや、どうせすぐ冷めるだろうとタカをくくってたので…(遠い目)。
しかし昔気付けなかったものにたくさん気付かされる、実に優れた映像だったことに驚きましたし、トシくった今ならもっと掘り下げられるかも知れないと、そう思った時点で昔掘って忘れていた古井戸に落っこちてたんですね…(二度目の遠い目)。

FOREVERは秀逸な“エピローグ”なのですが、ブルーレイBOXに収められておらず、ミュージックビデオの中古ソフトを手に入れるかLD-BOXを手に入れるかしないと、手元に置いておけない作品となっております。あの中国語表記のヤツ、つべにまだあるんでしたっけ。
クレジットには明記されていないのですが、演出は根岸監督、作画監督は菊池氏と思われます。正直、ラストバトルもラバレも「後日談」としての完成度という点において、FOREVERを超えることはできなかった。そう思っています。ぶっちゃけ、あの2作はボーグマンを巡るスタッフの意地の張り合いが透けて見えるのが難点なんですよね。

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愁いを帯びた表情のリョウの回想からはじまる冒頭、まずチャックとの「別れ」が描かれます。彼の横には美姫が寄り添っており、チャックは美姫と共に生きる未来を選んだことをうかがわせております。

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場面は変わり卒業式。
乱堂をからかったりとか、リョウはこういう、もっといろんな表情のできるキャラだったことも描かれているんですよね。そしておそらく校長の代理を務めているアニスの正装が可愛らしい。

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「あたしと先生の愛の記念写真、しっかり撮ってよねシンジ君」(鬼)

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モーリーに記念撮影を求められて困り果てるリョウ。根岸監督的には、リョウは戦いを離れるとシャイな普通の青年という解釈で、園田氏や菊池氏がラバレでこだわったような、二の線が強めの「ヒーロー」ではなかったのかも知れません。
アニス先生の目の前で、響先生と既成事実を作ってしまおうという女の意地(何だと)を見せたモーリーでしたが、乱堂たちの悪ふざけの前に崩されてしまった訳で。
ところでFOREVERに限らず、ボーグマンは写真がよく出て来る気がします。メモリーがそういう記念を残すことにこだわってて、ボーグマン3人もそれに倣ってるのではないかと勝手に思ってます。
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そして子供たちの未来予想図。そうか。宇宙に行くのかシンジ。できるだけ外宇宙の彼方に行けるよう頑張ってね! 無理して戻ってこなくていいからね!(笑顔)モーリーは普通に女子高生になってトオルは受験生か。絶対公務員ルート余裕な進路選んでそう。乱堂はラグビーで大成して新宿二丁目の淑女から熱い視線を浴びる存在になるのですね。いいことです(ニッコリ)。

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寂寥から笑顔へ。リョウの表情の揺れ方が絶品。

子供たちの未来が示唆され、かつて同じ夢を見ていた親友・チャックもリョウとは違う夢を見つけ、未来へと歩み始めた。
ではリョウは何処へ? その答えがまだ見つけられず、彼は校長室(=メモリー)の中から出て行けない。そこに現れたのが、彼と同じく「何処にも行けない」もうひとりの仲間。
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メガロシティを救った「ボーグマン」でもなくサイソニック学園の「響先生」でもない、ただの「響リョウ」となった彼にただひとつ残ったものが、彼と同じく、ただの「アニス・ファーム」となった女の子。戦士と教師、どちらの肩書も外した2人が向かい合ったその時に、「ボーイ・ミーツ・ガール」が成立したのでした。

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この辺は1カットずつ表情が変わってて、めちゃくちゃ手が入ってるんですよ。リョウがこういう、赤面したり戸惑ったりという表情は、実はTVシリーズではほとんど見せておらず、根岸監督にとって本編での「やり残し」を片付けていくことでもあったのではないかと思います。

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からかわれて照れて怒鳴った直後にこの顔ですよ…(萌)。

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キスを通じて、アニスの自分に対する想いを受け取った瞬間、リョウはメモリーの呪縛から解き放たれ、彼女の肩を抱き扉の向こう、未来へと歩み出すことができた。アニスがそっとリョウの肩に頭を寄せた瞬間に閉まる扉。アニスに残されたものもリョウであり、恋人に寄り添う女の子となったと同時に「超音戦士」の物語も閉じられました。

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最後のポートレートは、リョウがなかなか手放せかった4人で過ごした日々の象徴。リョウとアニスが去ったその時に過去となり、時間は未来へと流れていく。見事な締め方だったと思います。

実際、根岸監督の中では「超音戦士ボーグマン」はここで完全に終わってしまった物語で、ラストバトルは蛇足でしかなく、だから「ザ・ボーグマン」という「別物」にしないと後日談が作れなかったんだろうなと。「リョウがアニスの想いによってメモリーの呪縛から解き放たれる」という主題はラバレでも使われましたが、園田氏の脚本からはこだわりが感じられず、村山監督の個人的な主張に終始しちゃったせいで、FOREVERほど説得力がなかったように思います。まあアレはアレで好きなんですけどね。

…やっぱり好きすぎて語り切れてない感。また補足することができたら書きます。
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posted by はらよしかず at 18:33| ボーグマン