ヤフオクの張り込みを日常化させていて本当に良かったと思ったテレホンカードでございます。番組宣伝用の非売品ですが、原画が紛失しており画集では描き下ろしとなっているシロモノ。このオリジナル版は「STUDIO TRON ARTBOOK」もしくは「スタジオトロン オールテレカコンプリートファイル」でしか公式に掲載されておりませんでした。原画の紛失に加え、二号影の指定を無視されたとも画集のコメントにあり、菊池氏にとっては思うところの多いイラストであるようです。画集の描き下ろし版と併せてご覧いただきたい。
オリジナル版は当時クオリティの印刷でテレカだから仕方ないんですが、よく見ると印刷の粗さが目立ちます。でも原画の良さは伝わるかと。実は描き下ろし版も嫌いじゃないです。チャックはTVシリーズ終了直後ぐらいのデザインが好み。放映中は菊池氏がなかなか描き慣れず、絵柄が変化してからいい方向に向かったキャラですよね。それ以降はまあうn。
こっから雑談。
LD-BOXの菊池氏インタビューを読み返した際に「主人公3人が教師という、『ウルトラマン80』が失敗した設定を最後まで押し通したことに感心した(意訳)」というくだりでハッとさせられました。ウルトラマン80はうっすらとした記憶しかないんですが、途中で先生の設定は忘れられていったとか。ボーグマンの「ヒーローであり教師」という二足の草鞋設定がスタッフを悩ませ続けたことは、今まで入手してきた資料からも窺えます。会川氏は13話までずっと悩まれていたそうですし。確かにリョウとチャックのバックボーンをぼやかした状態の1クール目だと、「誰が為に教師となり戦うのか」が描きづらかったと思います。
「教師」というテーマを通せたのは根岸監督と園田氏の信念の賜物ではないかと思います。園田氏も企画段階から「教師」にこだわっていたそうですし、生徒の描写も最後までおざなりにしなかった。
個人的にですが、特に後半でメモリーの「校長先生」の部分を押し出していったことが、テーマの地固めになったのではないかと思ってます。断罪しか浮かばないシンジですが、彼がリョウたちを「教師」たらしめる「生徒」の代表として暗躍…もとい在ったからこそ、ボーグマンのテーマがブレずにいられたのではないでしょうか。まあもっと他の生徒にも役割を散らせば良かったのにとも思いますけど。
しかしこの「教師」の設定、根岸監督は読売広告社から「ジリオンとの差別化」として要望のひとつにあったとしているのに対して、園田氏は自分のアイディアだとLD-BOXのインタビューで語られてるんですよね。どっちやねんと。園田氏のインタビューは所々、深読みするとイラっとする箇所があるんですよね…ヽ(´ー`)ノ
ちなみに菊池氏の起用は、根岸監督は企画が立ち上がった時にオファーを出したとあるんですが、菊池氏は「Pが突然当時所属していたスタジオに来て、すぐにキャラ描いてと云われたので数時間で描いた」としており、この辺の認識の相違も気になるところです。
というか、本当に主要スタッフ間の横のつながりがアレだったのかなあと(ボソリ)。おそらく根岸監督もある一線から絶対に譲らない面があったんじゃないかと思うんですが、まあそうでないと菊池・園田・会川という3人の暴れ馬を制御することはできなかったでしょうねー。
これはおまけ。
ゼオライマーCDに付いてきたでっかい円盤のジャケット画ですヽ(´ー`)ノ
あまり知られてないんじゃないかなーと。ロボは森木氏担当だそうで、この重厚さがいいですよね…。キャラはあれ? ナデシコ? と思ったなどと。