去年の30周年の時に1話感想をやっていたことを思い出したので、じゃあ31周年で2話をやっておくかと思った次第。演出も本橋作画も1話よりマシで、動画もそこそこで決して悪い出来ではないんですがそこまでで、どうしても「面白い」と云えない。メイン視聴者の小中学生男児がチャンネルを変えずに最後まで見てしまう魅力があったかと云うと疑問だったりします。シナリオ面であれもこれもと盛り込み過ぎて薄味になった気がせんでもなく。1-2話である程度フォーマットを作り上げてしまいたかったんですかね。
・バルテクターを装着したリョウとチャックが正面からメガロビルに突入。会話のノリの軽さに園田氏の意図が見て取れるんですが、以降で継承されたかというとそうでもなかったという。スポンサーも望んだであろう「ジリオンの登場人物たちの軽妙な会話」を再現できず、断念したのかなあ。根岸監督が早々に諦めて、いろんな意味でジリオンから離れた作品にしたかったのかも知れないという推察。あくまで。
・メガロビルの防衛システムの攻撃を迎え撃つバギーと、チャックの「妖魔と面会しなきゃなんねえからなっと」のセリフがカッコいい。井上ヴォイスならではの良さがある。この辺のアクション演出と、メカの作画(メカ作監は寺東氏)は悪くないんですけどねえ…防犯カメラの向こうに銃を向けるチャックとか。
・バリアンの存在感が実にいい。以降の妖魔サイドがパっとしなかったのは、バリアン以上の妖魔を出せなかったことも原因のひとつじゃないでしょうか。ヒューマノイドから完全な妖魔人に変身した時のグロさとか、こういう描写をなんで止めちゃったんでしょうね。
意外とドスケベボディである。
・バリアンと一体化したメガロビルのコンピューターの暴走のせいで街中大混乱。80年代に細かい考証を要求するのも酷かと思うのですが、もっと考えてバックアップしとけばよかったのに。まあリアルでも行政のそういった管理は意外とザルだったりしますけど。
・何回か見てやっと気づいたんですが、街の混乱の収束、メガロビル内の子供たちの救出、囚われの身であるアニスとモーリーの救出、バリアン討伐とミッション多すぎじゃないの。あれもこれもすぎて散漫なことになってる気がします。
・アニス救出はこの後の見せ場とイコールなのでともかく、街の混乱描写はいらんかったよね。
・モーリーと共に囚われているアニスの手首に在るのはソニックレシーバー。メモリーとの会話から、彼女は既にバルテクターを知っていたのですが(装着のシミュレーションもしていた可能性も微レ存)、何でリョウとチャックの存在をずっと云ってなかったんだメモリー。
・いやだからメガロビル内の近道が分かるマップぐらい、メガロビルに突入する前にサンダーにインスコさせといてあげてよぅ! メモリーがいろいろ後出しすぎて、「こういう場面ありき」でキャラに行動させていることが窺えるのが、2話の脚本のイケてないところなんですよねえ。まあ実はラストバトルもそうなんですけどね。
・妖魔の触手攻撃
触手責めですお納め下さい(ただし腐女子に限る)。
・リョウが最上階に駆け付けた直後に、アニスとモーリーを閉じ込めている球体が落下。慌てて追うリョウがアニスのソニックレシーバーに気付いたその時、ついにアニスが変身、第三のボーグマン登場です。しかし視聴者を虜にしたのはそこではなく変身中のアレであった。
・あれ? リョウが背中のバーニア使ったのって本編ではここだけ…?
ざんねんながらみえてません。
・囚われのヒロインを助けにきた主人公という構図ですが、ヒロインはヒーローであった訳で、つまりもうひとりの小さなヒロインこそが主人公の運命の相手と云えなくもない(えっ)。
・「自己紹介は後にして!」…あのですね、アニスのことぐらい、メガロシティに戻ってくるまでにリョウとチャックに教えてあげてたら良かったんじゃないですかね。2年もあったのに何で何にも云わなかったのか。脚本の人そこまで考(略)。
・だから! メガロビルの見取り図があるんなら! リョウとチャックが格納庫から出ていく時点でそれ渡しておいてよ! 段取り悪いよメモリー!
・バリアンの“招待”に応じ、メガロビルのコンピューター中枢にやってきたリョウとチャック。途中で子供たちの救出に向かっていたアニスも合流。ここまでシンジの霊圧なし。ちょっと忘れられすぎじゃないですかね。
・で、バリアンとボーグマン3人の直接対決なんですが、すいませんあんまり書くことないです。本橋さんの作画いいんですよ。チャックが特にカッコいいんですよ。バリアンの最終形態も、メカとも魔物とも云い難い禍々しさがあっていいんですよ。
・戦闘シーンひとつひとつのカットを見ると悪くないんですが、ボーグマンの戦闘の「何を最優先して」見せたいのか分からない。アニスの「プレゼントをあげるわ!」のセリフのセンスのなさとか、そういうマイナス部分がいちいち目に付いてしまうんですよ。
・バルテクターの存在感もいまいち、ソニックガンもそんなにバリアンに効いてない。結局チャックの捨て身のタックルから反撃の糸を掴んだ訳で、ジリオンでは序盤から既にあった「敵との駆け引き」はなくひたすら力押し。そしてトドメが「バトルゲットオン!」で唐突に出てきたソニックウェポンでした! では、最後まで見ずにチャンネル変えたお子様たちが続出してもしょうがない。
・これこそがボーグマン最大の武器! カッコいいだろうおもちゃ発売したら親にねだれよ! これでいいですかねスポンサー様?(ドヤァ)ということなんでしょうけど、クロノスでも感じましたが、園田氏は本当に玩具の販促が下手だったのねえ。というかハナっからソッチはやる気があるように見せかけて本当はなかったのかも知れませんけど。
・順を追って書いてみた結果、戦闘シーンの魅力の無さの原因は、ソニックウェポン登場に至るまでの描写の雑さ加減ではないかという結論。いくら演出と作画が頑張ったところで、見せ場を作る元となる脚本がしょっぱかったらそらどうにもなりませんわなー。
・バリアン退場、そして笑顔でメガロビルから出てきた子供たち。唖然とするバーガー署長にボーグマンからのメッセージが記された手紙を渡すモーリー。これと最後のリョウとチャックのサイソニック学園赴任こそが園田氏が本当にやりたかった場面で、「学園ありき」なボーグマンに重きを置く気でいたんじゃないかと思えます。なんとなくですけど。特に1クール目の園田脚本って、戦闘より子供たちやボーグマン3人の教師としての描写の方が力入ってるように思えるんですよねえ。
・後始末をバーガー署長に任せましたけど、修繕費の請求からトンズラ決め込んだのではないのかこれは。
・今更ですけど、フリッツ博士は2年もの間ずっとメモリーを説得できないまま、彼女がソニックチームを始動させてしまったんなら、メモリーのバックアップに務めた方が良かったんじゃないの。そんなことしたらファントムスワット結成計画がお流れじゃないですかー。
・余談になりますが、これ書いてる現在dアニで「サムライトルーパー」を視聴中なのですが、園田脚本による5話はいろいろしっかりしたソツのない内容で、何でるーぱーでできたことがボーグマンではヘロッヘロだったのか。るーぱーのアラゴ一派から学ぶものもあったかも知れないのに何で妖魔をちゃんと設定できなかったのか、不思議でしょうがありません。
・まあ1-2話で園田氏が敷こうとしたフォーマットに対し、根岸監督が首を傾げたまま「何をどう構築していくか。そもそも基盤はこれでいいのか」を決め切れずに進行してしまった。作画や演出の不安定さまで加わり、序盤で盛大に躓いたのが後々まで響いたと思います。
・ボロクソ書きましたけど、そういうところも含めて好きなアニメなんですよ。いや本当に。でなかったらそもそも再燃してだらっだらブログ続けてなんかいませんよ。ええ。
結構生徒数多かったのにいつの間に減ってしまったのか。
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