調べてみたら意外と情報があったラストバトルですが、シナリオの大変更等、かなりの変遷を経て発表に至ったことが窺えます。まずその辺を把握しないと本質が見えてこない作品だと思いますので、当時の記事や根岸監督インタビューを資料としてアップさせていただきます。ブルーレイのブックレットの根岸監督インタビューは当ブログでは初公開となります。黒地にフォントが白だし、平綴じだしでスキャンしづらいんですよね。
アニメV1989年4月号。アニメVでラストバトルの第一報記事となります。リョウのキャラデや設定など、実際発表されたものとはかなり異なっております。ブレイン・ハーマーは後に美姫の爺ちゃん(桂重藏)に変えられちゃってるんですよね。ハッサンも立場がまったく違うし、こっちだったら玄田ヴォイスが普通に似合うナイスおっさんになってたのかしら。
しかし5-6月号は音沙汰がなく、この7月号で公開された第二報で内容が一変したのでした。4月号ではもろに本橋デザインだったリョウが、元の菊池デザインに近くなっております。
アニメディア1989年4月号。アニメVと同じ4月号で時期的にそんなに離れてないのに、アニメディアでは既にアメリカ設定で紹介されているのが不思議。もしかしたら、情報はアニメディア最優先だったのかも知れません。アニメディアはこの後も事後ポスターや岸間氏のSSなど、ラストバトルを熱心に採り上げてましたし。
ラストバトルファンクラブ会報vol.1。表にほとんど出てこなかった岸間氏のコメントが貴重。アニスがお気に入りだったんですね。
会報vol.2。根岸監督インタビュー。ラストバトルの不可解な点は、監督の一連のコメントでだいたい腑に落ちます。納得できるかは別問題ですが。
ラストバトル劇場パンフレットのインタビュー。
ブルーレイBOXブックレットインタビュー。ラストバトルに触れる前のコメントも必読。28話は園田氏にとって、アニス確保に王手をかけた回でもあったのかしらね。その直後にボーグマンの“終盤”のすべては根岸監督に委ねられ、園田氏の目論見は外れることになったと。演出サイドで脚本を作り直した回はずっと気になってます。18話の不完全燃焼ぶりはそれも影響しているんかなーとか、いろいろ考え込んでしまう。だいぶ前に見かけた某所のアニメ脚本家スレで、「脚本の出来に問題があると演出家が直すことはある」というレスが忘れられないし。
おまけ(?)。菊池・麻宮FC「Sandwich」の会報7冊目より。松本さんと菊池氏の対談っぽいインタビュー記事から抜粋。ラストバトルは菊池氏的には「降ろされた」という認識だったようで。おそらくですが、根岸監督はOAVの企画が出てきた段階で、菊池氏の続投は考えてなかったんじゃないかなあ。本編の進行中から菊池氏の絵がごんごん変わっていってて、後期OPでは根岸監督が望んだであろう「田村英樹フォロワー」色は薄れていたし。
んでも、もし菊池氏にオファーがあったとしても、ゼオライマーの作業と折り合いを付けられたとは思えないし断ったと思うんですけどね。
まあ三年後のボーグマンたちのイメージスケッチぐらいは出してもらっても良かったんじゃないかと思いますけど、もうお互いブチ切れ合ってて、FOREVERが限界だったのかも知れないですねー。
次回は岸間氏のSSと、余力があればアニメ誌のラストバトルレビュー記事など。
2019年09月06日
【資料】ラストバトル アーカイブス【前編】
posted by はらよしかず at 18:05| ボーグマン