2019年09月06日

【資料】ラストバトル アーカイブス【前編】

調べてみたら意外と情報があったラストバトルですが、シナリオの大変更等、かなりの変遷を経て発表に至ったことが窺えます。まずその辺を把握しないと本質が見えてこない作品だと思いますので、当時の記事や根岸監督インタビューを資料としてアップさせていただきます。ブルーレイのブックレットの根岸監督インタビューは当ブログでは初公開となります。黒地にフォントが白だし、平綴じだしでスキャンしづらいんですよね。

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アニメV1989年4月号。アニメVでラストバトルの第一報記事となります。リョウのキャラデや設定など、実際発表されたものとはかなり異なっております。ブレイン・ハーマーは後に美姫の爺ちゃん(桂重藏)に変えられちゃってるんですよね。ハッサンも立場がまったく違うし、こっちだったら玄田ヴォイスが普通に似合うナイスおっさんになってたのかしら。

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しかし5-6月号は音沙汰がなく、この7月号で公開された第二報で内容が一変したのでした。4月号ではもろに本橋デザインだったリョウが、元の菊池デザインに近くなっております。

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アニメディア1989年4月号。アニメVと同じ4月号で時期的にそんなに離れてないのに、アニメディアでは既にアメリカ設定で紹介されているのが不思議。もしかしたら、情報はアニメディア最優先だったのかも知れません。アニメディアはこの後も事後ポスターや岸間氏のSSなど、ラストバトルを熱心に採り上げてましたし。

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ラストバトルファンクラブ会報vol.1。表にほとんど出てこなかった岸間氏のコメントが貴重。アニスがお気に入りだったんですね。

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会報vol.2。根岸監督インタビュー。ラストバトルの不可解な点は、監督の一連のコメントでだいたい腑に落ちます。納得できるかは別問題ですが。

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ラストバトル劇場パンフレットのインタビュー。

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ブルーレイBOXブックレットインタビュー。ラストバトルに触れる前のコメントも必読。28話は園田氏にとって、アニス確保に王手をかけた回でもあったのかしらね。その直後にボーグマンの“終盤”のすべては根岸監督に委ねられ、園田氏の目論見は外れることになったと。演出サイドで脚本を作り直した回はずっと気になってます。18話の不完全燃焼ぶりはそれも影響しているんかなーとか、いろいろ考え込んでしまう。だいぶ前に見かけた某所のアニメ脚本家スレで、「脚本の出来に問題があると演出家が直すことはある」というレスが忘れられないし。

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おまけ(?)。菊池・麻宮FC「Sandwich」の会報7冊目より。松本さんと菊池氏の対談っぽいインタビュー記事から抜粋。ラストバトルは菊池氏的には「降ろされた」という認識だったようで。おそらくですが、根岸監督はOAVの企画が出てきた段階で、菊池氏の続投は考えてなかったんじゃないかなあ。本編の進行中から菊池氏の絵がごんごん変わっていってて、後期OPでは根岸監督が望んだであろう「田村英樹フォロワー」色は薄れていたし。
んでも、もし菊池氏にオファーがあったとしても、ゼオライマーの作業と折り合いを付けられたとは思えないし断ったと思うんですけどね。
まあ三年後のボーグマンたちのイメージスケッチぐらいは出してもらっても良かったんじゃないかと思いますけど、もうお互いブチ切れ合ってて、FOREVERが限界だったのかも知れないですねー。

次回は岸間氏のSSと、余力があればアニメ誌のラストバトルレビュー記事など。
posted by はらよしかず at 18:05| Comment(3) | ボーグマン
この記事へのコメント
>はらよしかず様

「なるほど、だいたいわかった」
 と、某ディケイドのセリフを言ってしまいそうになります。
 ファンクラブ、自分も当時入ってて、この会報も読んでたはずなんですが、すっかり忘れてました。
 というわけで、こんばんは。


「大人になったリョウたち」もしくは、「大人の(恋愛)ドラマを描く」というのが、当初からの指針であったようですが。
 それに伴い、TVシリーズで描いていた、メカアクション的なもの、玩具の販促なども取っ払い、全てにおいてTVシリーズの作風を無くす方向で進めていったと思って間違いなさそうですね。
 そしてそれは、園田氏の脚本および、菊池氏のキャラデザイン及びビジュアルの消去も同時に進める事に。

 この状態で、大畑氏が参加してたら。一体どんな内容になったのか。
 ただ、根岸監督は、メカやアクションをほとんど封じるつもりのようでしたし、どこかちぐはぐな内容になったんじゃないかと。
 実際ラストバトル作中では、バルテクターのギミックも、ボーグマンのサイボーグとしての描写も無く、メカの魅力をあえて削ぎ落としてましたからね。TVの時のように断捨離しまくってたかも。


「人間としてのリョウたちを描く」というのは良いんだけど、そのためにどんどん地味にしちゃって、結果的にえらく「弱体化」。人間ドラマを描くのは結構だけど、その手段が「キャラを弱くする事」ってのは、正直どうなんだろう。
 確かに、「教師としてのリョウたち」「妖魔と戦っていたころのリョウたち」と異なる、TVシリーズを引きずってない彼らの姿を描いてはいましたけど。
 でも、こうやって改めて資料とインタビューの発言とを集めて見返してみると。
「園田・菊池両氏の要素を抜いた、俺流ボーグマン作るぜ」という、根岸氏の想いが伝わってきます。

 つーか、園田氏がやってた(と思われる)、「自分が面白いと思うもんはファンも面白いと思う(筈)」ってのを、知ってか知らずか根岸監督も行っちゃってますね。
 どうもこの頃のOVAには、「ファンが見たいもの」よりも、「作り手側が作りたいもの」の方を優先させてた作品も垣間見られます。
 まあ、「レイナ剣狼伝説」みたいには絶対したくないって思ってたのもあるんでしょうけど。


 それにしても、アニメVの記事にて。シナリオの初期稿などを見ると、本当に色々と変更されて決定稿になったんだろう事は、想像に難くないです。
 おそらく、当初の構想が60分で描き切れなかったのかもですが。それでも、初期稿の『殺人の容疑者が、ボーグマンのようなサイボーグ』ってのは、ちょっと面白そうと思ってしまいました。


 あと、冒頭のメガロシティの街並みの事も、インタビューで答えてましたね。
『香港をモデルに』『海上都市を描く』『妖魔に破壊された街並みがスラム化』『国際都市を意識』などなど。理屈の上では、確かにそうなってる可能性もありますが。
 ただ、TV作中と比較して、あまりにも違和感があるんだよなあ。いくら三年経過してても、両者が同じとは到底思えないですし。

 ファンの求める内容じゃない、期待されてた各種メカや設定も描かない、アクションも控えめに、キャラは弱体化、TV時の世界観と違和感がある。
 こんなんで、ファンが喜ぶと考えていたのかしらん。このような『ファンとの齟齬の大きさ』も、ドッチラケになった原因の一つだったのかも。

 ただ、喜ばなかった故に、後にその不満がラバレという形になって結実するんでしょうけど。そちらもラストバトルとは異なる齟齬が。ほんと、ままならないものです。
Posted by 塩田多弾砲 at 2019年09月07日 01:37
>塩田多弾砲様

>この状態で、大畑氏が参加してたら。

内容はさらに変わってたか、初期のアフリカスタートプロットを膨らます形になったでしょうね。ああいう内容に変質していったのは、大畑氏の途中離脱が関係しているように思えます。大畑氏は初期からボーグマンの企画に関わっておられましたし、根岸監督も大畑氏に高い信頼を寄せていたようなので。それはそれで見てみたかったですねえ…。

>「園田・菊池両氏の要素を抜いた、俺流ボーグマン作るぜ」という、根岸氏の想い

根岸監督的にはそこから始まった企画だと思うんですが、いざ着手してみたら「メモリー不在」の世界観を上手く構築できず、迷走した結果があのラストバトルになってしまったんでしょう。また記事でじっくりやりますが、ラストバトルが「ボーグマンの後日談」として見ると駄目な欠陥品なのは、根岸監督のメモリーへの固執が最大の原因だと思います。そこはアニスに固執した園田氏と同じ轍を踏んだように思えますね。

>「自分が面白いと思うもんはファンも面白いと思う(筈)」

根岸監督はラストバトルに関しては、ファンサービスはあまり考えてなかったのではないかと思ってます。東宝(?)のオーダーに応じて続編を作っただけで、本当はボーグマンのアフター自体やりたくなかったのではないかと。菊池氏の起用を見送った時点で、大多数のファンから反発されることは想定していたと思いますし。
ただ、園田氏がアニス剣狼伝説()的な、本編を否定するような続編を作れないように、自分の手でしっかりと幕を引いておきたかったという意図はあったんじゃないかしら。妄想ですが。

もうちょっと語りたいこともあるのですが、アーカイブスその2とリョウ誕をやった後でじっくり採り上げる予定なので、またその時によろしくお願いします。
Posted by はらよしかず at 2019年09月13日 18:53
>はらよしかず様

 確かに、大畑氏と根岸監督が組めば、メカ方面での描写はましになったかもしれませんね。正直、ハンターとオメガ。ボーグマンのバリエーションとして期待してたとこがあったので、大畑氏が深くかかわってそれらを描写してくれたら、見たかったかもです。
 というか、考えてみればTVでもほとんど大畑氏は関わってないですしね。最終回の対妖魔王戦みたいなのを、ラストバトルでも全編にわたりみせてくれたなら、まだ違ったものになったかも。

>ラストバトルが「ボーグマンの後日談」として見ると駄目な欠陥品なのは、根岸監督のメモリーへの固執が最大の原因だと思います

 園田氏がアニスに固執して作品をドッチラケにしたように、根岸監督はメモリーに固執して、似たような結果に、といった感じでしょうかね。
 仰る「メモリーの不在」に関してですが、正直ラストバトルの作中において、「メモリーが各人の中でどんな存在だったか」が、伝わって来ないんですよね。
 おそらく根岸監督の中では、

:リョウたち元ボーグマンチーム=メモリーの思想を肯定し受け継いでいく者たち。

:カーチスの一味=メモリーの思想を否定する者たち。

 という対の存在として、対立させる……ってなつもりだったのでしょうけど。
 ただ、それだったなおの事、リョウとアニスの痴話ケンカとか絡めず、最初から最後まで、ボーグマンたちを「メモリーの代弁者」として描いた内容にしてほしかったところです。

 それこそ、
:カーチスがオメガやハンターを率いて、メガロシティ征服を企む
:リョウとアニスがメガロシティに戻り、チャックとともにバルテクター着てそれを阻もうとするも敗れる
:勝てず絶望するも、メモリーの記録を発見し、そこから気持ちも新たに再戦し勝つ。
:ボーグマンチームは、改めてメモリーの想いを受け継ぎ生きていく事を誓う。
 ……みたいな内容にしても良かったろうに。

 おそらく、当時はアニス大人気だったため、メモリーよりもアニス、およびリョウとの恋愛関係の方が、ファン側も見たいだろうから……というような迷いもあって、踏ん切りがつかなかったのかも。


>根岸監督はラストバトルに関しては、ファンサービスはあまり考えてなかったのではないかと思ってます。東宝(?)のオーダーに応じて続編を作っただけで、本当はボーグマンのアフター自体やりたくなかったのではないかと。

>ただ、園田氏がアニス剣狼伝説()的な、本編を否定するような続編を作れないように、自分の手でしっかりと幕を引いておきたかったという意図はあったんじゃないかしら。妄想ですが。


 もしも「言われたから(ラストバトル)作った」だったら、正直どうなのよと言いたくはなります。ファンに対し、そんなやっつけなものを提供するのも、クリエイターとしては誠実とは言えんのでは。

 ただ、おそらくは園田氏の言動に、根岸氏はいい加減腹に据えかねるものがあったため、「ここで断れば自分の初監督作品が、別の監督と園田氏脚本で、レイナみたいにめちゃくちゃにされる」と危惧したから、受けたと思われます。あくまで自分が、作品の引導を渡すつもりで。
 園田氏の剣狼伝説でのやらかしだけでなく、TV本編で関わってきた事からも、そうしたくなる事は想像に難くないかと。
「あいつらはキャラをアイドル扱いして、ただカワイイと愛玩するだけの存在に堕落させ食いつぶす。そして元作品の世界観やテーマやストーリーなど歯牙にもかけず、否定する。自分の監督作品とキャラに、そんな事をさせてたまるか」
 ……と、そんな憤りがあったかと。

 とりま、アーカイブ2とリョウ誕に期待です。
 これらラストバトルに関する事を頭に入れたうえで、ラバレを考察したら、更なる発見がありそうな気がしますね。
Posted by 塩田多弾砲 at 2019年09月14日 00:53
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