2019年10月04日

【資料】ラストバトル アーカイブス【後編】

ラストバトルに戻ってきました。が、リョウ誕もちっと書き足りてない感があるので、もしかしたら補足回をやるかも知れません。またマンガをロクに描けないまま今年もあと2かgウェッホウェッホン!!!(吐血)

今回は脚本の岸間信明氏がアニメディアの別冊付録で発表した2本のSSです。掲載に差し障りが出たら削除します。
ラストバトルの欠陥の原因のほとんどは脚本にあると云ってもいいぐらいですが、岸間氏を戦犯として責める気になれないのは、このSSを通じて岸間氏のボーグマンという作品、そしてリョウとアニスの関係に対する深い思い入れを感じるからです。
前編で掲載した根岸監督のインタビューにあるように、脚本が途中で大変更となり結局四稿まで改稿された経緯を考えると、岸間氏のモチベーションが切れても仕方ないし気の毒な状況に置かれていたことは想像に難くありません。
SSはどちらも「リョウとアニスはアフリカで教師をやっていた」最初の設定が大前提となっており、ラストバトルでトンチキぶりを晒したリョウは、ここではちゃんとアニスを大事にする年相応の青年として、アニスはリョウに寄り添いつつ、教師として懸命に生きる女性としてしっかり描写されています。
あの22話で見事にリョウを掘り下げるなど、キャラクターを重視して丁寧に描写してきた岸間氏なので、ラストバトルのあの完成稿が氏の本意だったとは到底思えないんですよ…。

脚本の大変更の理由は知る由もありませんが、3人いたプロデューサーの意向のすり合わせや、根岸監督の「ボーグマンの続編」に対する試行錯誤など、大人の事情が錯綜したことは確かでしょう。
本編でも、主人公が夏目想太郎でゴールドシルバーブロンズなボーグマン設定ありきの世界観がギリギリでひっくり返った経緯を考えると、根岸監督はそういう卓袱台返しが平気な方だったんじゃないかと思ったり。


アニメディア1989年6月号付録「アニメ少女体験告白集」より。

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「メモリーの不在」がアニスにもたらすリスクから彼女を救うリョウや、アニスの教職に対する情熱、リョウへの想いが見どころ。ここでは未亡人にコナかけられてますよリョウ。イザヤは何歳なんだ。ピチピチの若い男を捕獲しておきたかったのか。アニスをサポートするサンダーもいい味出していて、この世界観だったらサンダーもそこそこ登場していたのかと。
アニスのパーツを自分のと交換したと云うリョウですが、どうやって手術したのか。ブラックジャックが自分で自分を手術したぐらいには難易度高そうですが。
まじめな話、アニスは生きている限りこういったリスクを負う運命にある訳で、リョウが傍にいて自分の一部を与え続けていくことで、2人は一蓮托生ということですよね。まあチャックが猛勉強してメモリー並の科学者になる未来なら、悲観することもないと思いますけどそんなものはない(無表情)。

アニメディア1989年9月号「アニメキャラ キョーフの未公開秘話集」より。

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たぶん時系列的に、こっちが「ラブ・バラード」より先のエピソードになるんでしょう。実はよしかずさんこの話がちょう大好きです。控えめに申し上げてもラバレより遙かに好きです。りょあにの聖典だと断言します。
男女の関係を意識し合いながらも、間に横たわるメモリーの存在にそれを阻まれてしまう。それでいて、ふたりで過ごす時間が楽しくて幸せで。そんな空気感がたまらなくいいんですよ。幽霊メモリーとリョウの会話も優しくてしっとりしてていい。サンダーがチャーミングでいい。最後なんてもう絶対にセ(規制)。

どちらも岸間氏の温かい目線の感じられる内容なので、だから園田氏みたいにフルボッコできないんですよ。おそらく(火鷹を交えた)2人のラブ・ストーリーをちゃんとやりたかった岸間氏に対して、根岸監督は同棲設定で満足してしまい、別の要素を重視してしまったのではないかと。この「別の要素」に関して、後日考察を進めていく所存。

だいぶ前にも書きましたが、ラストバトルはノベライズ版を出して補完するべき作品だったと思います。菊池氏が外れた時点でそういう企画も出なかったのかも知れませんけど、惜しいなあ…。

おまけ。
アニメージュ89年10月号のOAVレビュー。

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タイトル部分をうっかりトリミングしちゃってますが、いちばん下がラストバトルの項目です。あさり先生は通常営業だからともかく、アニスのおっぱ…変身バンクしか見てなかったライター連中にそこまで云われる筋合いねーよとか思っちゃうのはわたしの心が狭いんでしょうか。まあ当たってる部分も多いけど(ムキー)。
posted by はらよしかず at 21:00| Comment(3) | ボーグマン
この記事へのコメント
 って、レスを書いてるうちにこちらにも記事がUPされてましたか。ウワーこれは一生の不覚、きっとブラック・アニスの呪いに違いない(違います)。

 関係ないけど、最後のOVAケチ付け罵倒……もとい、OVA評価。
 一番下がラストバトルなら、上から
「ドミニオン」
「輝皇帝伝説」
「?」
「ハイスピード・ジェシー」
「強殖装甲ガイバー(89年度版)」でしょうか。
 真ん中のだけはわからんですが。うーむ。

 しかしまあ、あさり先生はほんと、貶すの好きよねー。当時は真に受けてたとこがありましたが、何かで「視聴者やファンをバカにしてる」「これらのバカな作品を喜ぶファンもバカだ」みたいな事を言っておきながら、ご本人のマンガでも「読者をバカにする」事を実践してから、自分は見限ってしまいましたが。
 そういや、菊池氏もこのコーナーに「意味があるのか」と疑問を呈してたっけ。批判という名の貶しと劣等性の指摘「だけ」ってのも、少なくは無かったしなあこのコーナー。
 というわけで改めましてこんばんは。


 この二つのSS、自分も当時読みました。今の目で再読したところ、この路線を活かしたうえでラストバトルを作ってほしかった……と、思ってしまいました。
 つーか、全体に漂う優し気な雰囲気は、園田氏が出さない、あるいは出せない、非常に心地良いものですね。
 それに加え、ラストバトル本編以上に『メモリーへの想い』『サイボーグ体の利点と弊害』を描いているのは、見事と思うと同時に、

『なんで本編中で、同じ事ができなかった』

 と、言いたいところです。

「アニス・ラブ・バラード」
 この二人の行動を見るにつれ、この後でどうやってNASAに赴き、リョウはロケットの打ち上げスタッフに入り込めたのかとか、そっちの方が気になってしまいます。
 考えてみれば、TVの最終回でリョウはチャックとともに「俺たちは教師だ」と、「宇宙飛行士とは異なる、新たな道」を進む事を決意してたわけですし。ここから宇宙開発の技術者になるのは、ちょっと無理があるような。
 それよりも、この設定を活かした方向でラストバトルにつなげても、十分に描けたんじゃあないかしらん。
 ひょっとしたら、リョウがオメガに苦戦してたのは、アニスに部品を移植したから、とか? アニスもそのせいで、バルテクターを装着できなかった、とか。


「メモリー・メモリー」
 メモリー・ジーンへの想い、そしてメモリー自身の想いが描かれてますよね。
 根岸監督も、メモリーへのこだわりがあるのなら、なぜこういう方向性で行わなかったのか。
 メモリーの事を想いつつ、メモリーがいるから二人は男女の一閃を越えられない。
 けど、夢か現か、メモリーに会えた。そしてそこから、二人はくちづけをかわした=男女として一歩を踏み出せた。
 こんな切なくもあったかいラブストーリーを、当時自分は読んでおきながら、あまり覚えてなかったとは。
 なにしてたんだ当時の自分、こんな素敵物語を忘れてたとは、死ね、死んでくれ当時の自分(じたばた)。

 根岸監督は、一体どういうわけでこれらの作風を捨て、ラストバトルをあんなにしちゃったのか。その点の考察にも期待したく思います。



>どうやって手術したのか

 アニスは偶発的にボーグマンになってしまったわけですが、リョウおよびチャックは元からボーグマン計画の被験者で、おそらくその時に、「体内メカ破損時の、自己修復および部品交換」のやり方は、学んでいたのではないでしょうか。
 ただし、メモリーのような科学者ではなく、さらに専門的な技術を有しているわけでもないので、あくまでも「専門家不在時の、緊急時における処置」であり「簡易的な部品交換」にとどまるものなんでしょうけど。
 元からボーグマンは惑星開発が目的であり、修理要員が居ない状況下での体内メカ修復の必要性は危惧されていた。そこで、ボーグマン同士で互いに体内メカ修復のデータおよび技術を、内部メカに内蔵させていた、とか。

 サンダーにも手伝ってもらったのでしょうけど、おそらくこの世界観、通常の手術器具でも、止血や縫合などがほぼ素人でも可能な機械が存在してる……ってのはないかなー、やっぱ。

 では、またも長く失礼しました。
Posted by 塩田多弾砲 at 2019年10月05日 01:08
>塩田多弾砲様

>真ん中のだけはわからんですが。

「エンジェルコップ」でした。ぬーたいぷ整理中に北崎先生のコミック版を読んだんですが、後味の悪さがすごく…会川節です…でした。
あさり先生は芸風というか、偏屈枠と捉えておりました。あさり先生より一時期のOUTのアニメ・ジュン氏のレビューの方がモヤモヤ度高かったこともあるんですが。80年代後半から、だいぶカドの取れたレビュー記事書くようにはなっておられましたけどね。
菊池氏はサイメビ映画が、そのテの方々からあんまり褒められなかったのもあるんじゃないですかね(ボソボソ)。

>この後でどうやってNASAに赴き、

おそらくですけど、書き上げた直後に脚本が没になって1からプロットを組み直す羽目になり、仕方なくそういう補足をせざるを得なかったのではないかと。だから、このSS2本とラストバトルは繋がっているように見せているだけで、実は繋がってないと思います。もう本当に一晩で仕上げましたなインスタントシナリオだったと。
たぶん、根岸監督もリョウとアニスの「空白の3年間」のビジョンがなくて、岸間氏に丸投げしていたんでしょうね。こういうところとか、根岸監督が「ボーグマンの続編」にノリ気ではなかったのが窺えます。監督の中ではFOREVERで終わってたんでしょうね。
3人いたPにてんでばらばらに横やりを入れられた可能性もあるので、根岸監督ばかり責められない気もしますけどねー。

>ボーグマン同士で互いに体内メカ修復のデータおよび技術

それ面白いですね。そういう妄想の広げ方もできた作品なのに、間違いなくスタッフは何も考えてなかったのがいとかなし。菊池氏だったら、そういう方向でもっと掘り下げていたかも知れないですね。まあ彼に実現したとしても、サイメビレベルだったと思いますけど。

以降は前記事のレス。

>「リョウ」というのはどこから。

企画段階で1度出てきた(園田氏が関わる前?)「リョウ・ハザマ」だと推察。ついったで当時すでに人気を集めていた「らんま1/2」の響良牙説も聞いたんですが、TVアニメの主人公に、既存キャラから丸パクなネーミングはちょっと考えられないかなと。

>時代劇におけるヒーロー

その路線の様式美をボーグマン(想太郎)に持ち込みたかったのかも知れませんね。7話クライマックスのアニスにその片鱗が窺えますし。そこはやりようによって面白くなったかも知れませんが、たぶん根岸監督が嫌だったんでしょう。岸間氏はともかく会川氏はそういう作風ではなかったですし。

>松本さんはソッチ寄りなのかー。

松本さんのついったのRTの傾向とか、たまにタイムラインに流れて来るいいねを拝見するともう、モロに。舞台出身の方はソッチに行きがちなんですかねー。個人的には人気商売の方は、SNSでそういうものを匂わせて欲しくないんですけどね。どうしたって荒れるし(ちょう小声)。

>アニスの方もどういう命名の意図

あー、それは根岸監督がついったで自分が名付け親だったと明言してました。
「アニス」は名作少女マンガ「サイファ」のヒロインからいただいたそうです。「ファーム」はアニスの設定にあった「親が巨大な農場を経営している」からファームにしたそうで(安直)。チャックは映画「ライトスタッフ」の登場人物からだとも呟いておられましたね。それを知るまではチャック・ノリスからだと勝手に思ってました。
Posted by はらよしかず at 2019年10月11日 18:27
>はらよしかず様

 真ん中のは「エンジェル・コップ」でしたか。
 自分もNTに連載されてたマンガの方は読みましたが、OVAの方は未見。コミックスでは、黒幕だった上司が始末されるシーンが追加されてて、後味悪さが若干軽減されて……は、なかったよなあ。
 確か、実写特撮化も進められてたとかで。

 あさり氏は、当時は「宇宙家族カールビンソン」など、あの独特の作風が好きでしたが、どうにも偏屈なとこに加え、前述した「読者に対し不誠実な行為」があってから、どうでもよくなり現在に至ります。
 まー、80年代には似たような「偏狭かつ、好む対象を隅から隅まで知り尽くした、口うるさいオタク」は、結構多く存在してたんだよなあ。そういうとこに、ある意味憧れてた自分もいましたが。
 というわけでこんばんは。

 サイメビの劇場版、あれは「ファン以外の、知らない視聴者層に対してのフォローが全く考慮されてなかった」ところが問題だった気もします。当時に見に行ったけど、「サイメビの原作を知らない人には、チンプンカンプンだろ」ってのが、感想の第一声でしたが。
 どうにも、乱発された原作ありのOVAのような「知ってる人、元から好きである程度予備知識を得ている人。それらの視聴者層のみに受ければいい」というノリを、劇場版アニメに持ち込んでしまったような。そんな風に感じてしまいます。
 しかし、そういうのを劇場アニメ化して公開・配給してしまったんだよなあ、当時は。ほんと、あの頃の勢いは色々な意味でスゴかった。


>おそらくですけど、書き上げた直後に脚本が没になって1からプロットを組み直す羽目になり、仕方なくそういう補足をせざるを得なかったのではないかと。だから、このSS2本とラストバトルは繋がっているように見せているだけで、実は繋がってないと思います。もう本当に一晩で仕上げましたなインスタントシナリオだったと。

 だとしたら納得です。そうなると、没になった最初の脚本はどんなんだったのかが、ちょっと気になりますが。
 とはいえ、

>たぶん、根岸監督もリョウとアニスの「空白の3年間」のビジョンがなくて、岸間氏に丸投げしていたんでしょうね。

>監督の中ではFOREVERで終わってたんでしょうね

 あれで終わっており、後になんも思いつかないのは仕方ないとはいえ。
 実際に製作に取り掛かって、なにもビジョンが思いつかなかった、というのも、残念というかなんというか。
 まあ、初監督の直後に、続編または後日談のOVA作れというのも、酷ではありますが。
 ただ、動機や状況がなんであれ、仕事として受けたのなら、もう少し考えて欲しかったとも思いますけど。
 でも、当時のプロデューサーたちがどういう横やり入れたのかも、これまた気になります。園田・菊池の両氏を追い出したからには、それを補う魅力を付加しろなどとと迫ったんだろうなとは思われますが。
 仮に、根岸氏がボーグマンの続編または後日談を作る気があって、明確なビジョンあるいは作品のイメージがしっかりできていたら、もう少しましなものになったのでしょうかね。


>>ボーグマン同士で互いに体内メカ修復のデータおよび技術

>それ面白いですね。そういう妄想の広げ方もできた作品なのに、間違いなくスタッフは何も考えてなかったのがいとかなし。

 おそらく、園田氏含めて、スタッフ諸氏には、「サイボーグ=機械を内臓した、強化された人間」程度のイメージで止まってたのでは。
 菊池氏や大畑氏なら、もう少し「サイボーグとしてのビジョン」が明確に提示できたかもしれませんが。

 劇中における「サイボーグの定義」がどういったものなのか描かず、それを掘り下げる描写も無し。
 そもそも、

「サイボーグとして改造を施された」
「そのサイボーグは、本来は宇宙開発用で、被験者は訓練を受けてきた」
「しかし、妖魔というオカルトな存在と戦うため、戦闘用に改造された」
「さらにメンバーの一人は、妖魔がらみの事故で重傷を負った一般人。サイボーグ化したら、偶然にもそのシステムが身体に合い、復活できた」

 これらのバックストーリーだけでも、面白い話はいくらも描けそうなのに、無視して活用せずに終わらせちゃってましたからね。


>命名

 リョウの名前は、さすがに「響良牙」は違うかなと。
 リョウ・ハザマ説の方が、それらしいですね。むしろ「想太郎=ソウタロウ」より「リョウ」と、一音節の方が口にしやすいし、主人公に相応しいかと。

 アニスは、少女漫画からでしたか。ただ、ウィキで「サイファ」の項目をググってみましたが、アニス・マーフィの性格は、アニスとはかなり異なるみたいですね。根岸監督は当初、アニスを奔放な性格にするつもりだったのかしらん。
 あとついでに、アニスシード、及び「ブラック・アニス」とは、スペルが異なってました。
 アニスは「ANICE」、
 シードは「ANISE」、
 ブラック・アニスは「BLACK ANNIS」。
 うーむ、「アニスという名前から、実はオカルト方面からなにか関係があって命名された」などと、放送時に勝手に憶測してたっけなあ自分。恥ずかしー。


>舞台出身の方はソッチに行きがちなんですかねー。個人的には人気商売の方は、SNSでそういうものを匂わせて欲しくないんですけどね。

 自分も同感。個人での思想は自由ですが、それを強調しすぎるとトラブルが起こり、そこから活動や創作がおろそかに……ってのはよく起こりますし、見たくもないですしね。

 ただ、舞台出身の人が多い……というより、舞台の劇作家の思想に、どこか演者の方が影響を受けて……ってな事があるんじゃないかなと。
 舞台の劇作家がソッチ寄りで、その作風に影響を受けてしまった舞台俳優や演者も少なからずいた、と。


 いつも長文、失礼しました。では。
Posted by 塩田多弾砲 at 2019年10月13日 01:12
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