2020年07月07日

【もうちょっとだけ】ここが変だよ! ラストバトルその4。【続くんじゃよ】

気が付けば一ヶ月近く間が空いてしまいましたが、プライベートのあれやこれやが重なってメンタル含めて体調不良に陥ってまして、PCの電源入れるのも億劫な状態でした。つべのセラムンS公式配信がどうしようと思う位面白くてどんだけ救われたか。
まだ完全復調まで行ってませんが、上向きになるきっかけになるかなーとのっそり。また予告と違うネタで申し訳ありませんがラストバトルです。脳内でネタを複数転がしてたら、すぐまとめられそうなのがこれだったので。ライジンオー感想はエネルギー溜まらないとやれそうにないです。そのせいでしばらく月1100円のバンチャを止められないトホホ。

火鷹に触れる前に片付けたいネタがあったのを思い出したので。ラストバトルで最も痛感するのは、リョウとアニスの不遇なカップルぶりです。ラストバトルは本来、恋人同士となったリョウとアニスの間に割り込む火鷹というシチュエーション、リョウと火鷹の間で揺れるアニスの恋愛模様がメインになるはずでした。

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アニメVの記事再掲。本橋氏の一連のコメントから、「大人の恋をするアニス」がラストバトルの一番の見どころであり、キャラデの一新もそのためのものであることが窺えます。
このプロットでは、サイソニック学園は存続しており火鷹は社会科教師という設定。リョウと別れ古巣に戻ったアニスが、リョウとは違う「大人の男」の火鷹と時間を共にし魅かれていく。そして火鷹も「人類の進化形として共に生きよう」とアニスの手を取ろうとする。火鷹が示す未来への誘惑と、断ち切れないリョウへの想いの間で迷うアニス。その様子を以て「大人の恋」を描写するはずだったんでしょう。
この「大人の恋」がクセモノで、スタッフはそもそもそれが本当にメインターゲットであるアニスファンへのサービスになると本当に考えていたのか。断言しますけど大多数のファンが見たかったのは菊池氏デザイン(&作監)のTVシリーズのアニスの活躍であり、本編できっちり描かれてもいないリョウとの恋愛関係の描写もすっ飛ばした上に、ポっと出のオリキャラでしかない火鷹とのロマンスがファンサービスになると思っていたんでしょうか。

これは推論ですが、根底にはボーグマン放映中に話題となったジリオンOAV「歌姫夜曲」の影響があると思っています。歌姫は映画「ストリート・オブ・ファイヤー」を下敷きにしたパラレル作品ですが、作中でアップルはJJといい雰囲気になりながらも、昔の恋人であるリックスを忘れられずにいる、という「大人の恋を経験したヒロイン」として描かれました。


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ついったのフォロワー様のTLより(火狐だと画像が表示されないので別途アップしました)。歌姫のPである植田氏のこのコメントはアニスに通じるものがあるのではないでしょうか。本編に恋愛要素を持ち込めなかったお詫びに、素敵な大人の男との恋を経験させてあげたい。これはそのままアニスにも当てはまる要素で、良くも悪くも園田氏がボーグマンチームに恋愛要素を持ち込み禁止にしたお陰で、アニスも女性の生々しい感情は控えめなヒロインとして在れたと思います。ただ、園田氏の場合はアニスへの邪心が見え隠れしたのがいただけないンですけど。
主人公が最初で最後の恋の相手になるのは気の毒。その前に大人の恋ぐらい経験させてあげたい。そういう「親心」が当時は当たり前で、こだわれるのならこだわりたい要素だった。ラストバトルのPも根岸監督も、それをメインのウリにするつもりで制作を進めたのでしょう。

しかし、根岸監督は途中で卓袱台をひっくり返し、脚本は第四稿まで練り直されまったく違うストーリーに変更されました。ここで露見したのが、根岸監督の「主人公とヒロインの恋愛」に対する関心の薄さです。脚本の岸間氏がアニメディアの付録で発表したリョウとアニスの“空白の三年”を描いたSSは、恋人として寄り添い合うふたりへの愛情が窺える内容でした。ですが、あれらは最初のアフリカ設定が前提であり、急ごしらえとなったNASA設定には当てはまらない。リョウとアニスの空白の三年は本当に“空白”になってしまった。根岸監督はパンフレットのインタビューで「三年あったらとっくに恋人になってるでしょう」と語るに留まっており、監督の中には具体的な「リョウとアニスの愛の形」のビジョンがなかったと思われます。監督にとってリョウとアニスはFOREVERで成立し、そこで止まってしまったカップルだったのでしょう。岸間氏もアフリカ前提のシナリオが総ボツになった時点で、NASA前提のふたりの過去を構想し直す余裕はなくなったんじゃないでしょうか。ここはさすがに責められないです。

痴話喧嘩で始まったラストバトルのリョウとアニスの関係は、今までさんざん書いてきた通り、リョウのアニスへの想いが伝わってこない。「リョウがアニスをどう愛してきたか」考えてないから描けませんと云わんばかりにハッサンを使ってはぐらかしまくっている。火鷹とリョウの間で苦悩するはずだったアニスは、火鷹の誘いを最悪の返答で絶対にノウ! し、結局「大人の恋」とは程遠い内容になってしまった。クライマックスのオメガとの戦闘も、恋人でなくてもふたりはお互いを守る為ならそこまでやりますよね? 程度の「愛の勝利」で留まり、そもそもどんな恋人同士かというビジョンがスタッフにないので、キスどころかホットな場面がほとんどない同棲カップルという歪な関係に、リョウとアニスはされてしまったのです。この辺、演出の村山氏は相当に不満が残ったようで(アニメVのラバレ連載記事からチラホラ窺えます)、これがラバレに繋がる原動力になったんですよね。そら肝心のリョウとアニスの情報が空っぽだったので、演出しづらかったと思いますよ。

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数少ないそれっぽい場面。リョウのアニスに向ける優しい目線、彼を抱きしめるアニスはまあ好き。

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リョウはアニスに支えられないと動けない位ダメージ追ってたのに、爆風から咄嗟に彼女を庇うカットも好き。


おそらくはですが歌姫夜曲路線の「ヒロインの恋」を想定していたはずが、結局それが根岸監督の手に余る要素だったせいで、恋愛よりも「アニスがサイボーグの体をどう捉え、どう生きていくのか」という主題だけを残し、三年後のメガロシティでボーグマンがメモリーの遺志の下、一夜だけの復活を果たすという、シンプルなストーリーにまとめたと解釈しています。
3人いたPの意向やアニス人気等、とりまとめに苦慮されたことは察せますが(特にアニスの扱いに関しては意見が分かれたと思われますし)、正直ラストバトルからは、根岸監督のリョウとアニスに対する愛情があまり感じられません。アニスが「サイボーグであっても普通の女として生きていきたい」という結論にたどり着くことが重要で、ラストでアニスはリョウと共に生きる未来を選択しましたが、リョウと別れて自立する未来でもそれはそれで有り得ますね、というスタンスだったのかもなあと。いや勝手に思ってるだけですけど。

まあ、火鷹とのガチ恋は没で正解だと思いますけどね。歌姫も賛否あったようですし、当時のアニス人気を考えると、彼女のロマンスはファンにとって要らざるお節介にしかならんかったのではないでしょうか。そこは今も昔もセンシティブな部分だと思いますし。というか、モロ本橋フェイスのスカしたイケメンとのいちゃいちゃとか喜ばれる訳がない。いやまあ、初期では火鷹はダストジード以上のサイボーグだったので、上手くやればダストジードを彷彿とさせるヒールとの禁断の恋という美味しい要素になったと思いますけど、最初から最後までファンととことん考えがズレていた根岸監督が、ファンを納得させられたとは思えませんなあ。
恋愛要素をどうしても入れたかったのなら、なんで(反発も少ないはずだった)リョウとアニスの恋を真面目に描く方向に行けなかったんでしょうかねえ。行ってたらラバレは生まれてませんでしたけど。

本編では園田氏に否定され、ラストバトルでは根岸監督から適切な愛情を与えられず、恋愛中心だったラバレもラストバトルにもFOREVERにも繋がらない孤立したエピで、本当に不憫なカップルですよりょあに。それでも一定の支持があるという不思議なカップルですけど、これはラバレの菊池氏の奮闘と、FOREVERのお陰ですかねえ。ラバレに関してはまた改めて語ります。

またちょっと間が空くと思います。すみません。やりたいことはいっぱいあるんですけどね(;´Д`)
posted by はらよしかず at 19:03| ボーグマン