2021年02月09日

【アニス誕】TVシリーズ感想スペシャル版・28話【本番】

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という訳で、前回は資料が中心でしたが、今回は本題となる28話感想です。
以前の考察と異なり、剣狼伝説等、園田氏の代表作に触れた上で視聴するとさもありなん、という感想。園田氏はクロ逆トークショーで、演出に脚本を変えられることがままあったと語られており、それはボーグマンでもあったと根岸監督がインタビューで告白されていました。たぶん園田回は特に演出サイドの介入があったんでしょう。

しかし28話は園田氏の手癖と情念が終始見え隠れしていることから、28話に関しては絵コンテでの変更はほとんどされてないと思われます。むしろ演出ぐるみで、園田氏が脚本に込めた主張が、池田氏の美麗な作画も相まって丁寧に描かれております。
神回レベルのクオリティで主張されたものは「アニスの挫折と成長」「アニスの過去」そして「リョウとの恋愛フラグの撤去」。園田氏の中で独り立ちしたアニス・ファームというヒロインを、どれだけ氏が愛おしく思い、「園田英樹ブランドのヒロイン」として成立させようとしていたかがストレートに伝わるエピソードです。それ故にアニス以外のキャラの影が薄く(特にリョウ)、本編の流れから微妙に浮いた内容となっていたりします。現在でも(アニスメイン回として)19話ほどに話題にならないのも、園田氏の思い入れが前面に出過ぎているからじゃないでしょうか。

・重苦しい空気が漂う27話のラストから一変し、治療中のアニスから始まる冒頭。アニス以上に致命的なダメージを受けていたはずのリョウとチャックがあっさり快復していて拍子抜けます。
・確かに27話を引きずるのは重すぎますが、空気感が日常パートのそれすぎて、会川氏が27話でこだわった要素のほとんどが一掃されているんですよ。それが28話に付き纏う違和感で、それは終始変わらないのでした。
・心配させるの分かっていて、何で子供たちをアニスの治療の場に立ち合わせているのかメモリー。
・いや分かりますよ。それが後にエピソードの要となる、モーリーとアニスの交流のための布石であることは。その「描きたい構図」「主張したいテーマ」に、キャラを強引に落とし込むのが園田脚本の特徴で、そこがハナについて仕方ないんですよ。
・「アニスはまだ悪そうだな…」のリョウの空気の読めなさが凄い。27話でアニスのために命がけでソニックブースターを発動させたリョウと同一人物とは思えない。アニスに向ける視線がどこか空々しくて、これまた終始変わらないところに園田氏の「この2人はくっつきません僕が認めません絶対にノウ!」という意志の漲りが感じられます。
・剣狼シリーズを見た後だと、それぐらいのことはやるだろうと納得できてしまうのが悲しいトコロ。ホビージャパンだったか、レイナ絡みのコラムで「自分は計算するタイプ」と語っておられましたが、情念が先走るタイプじゃないのかしら。剣狼が計算で成立した物語とは微塵も思えないンですけど。
・アニスが快復していないことを察して、自分たちの無力を痛感する子供たちの描写は悪くないんですけどねえ。シンジモーリー乱堂トオルの、それぞれの思いの吐露がらしくて良い。
・シンジいわく「ボクたちは妖魔をやっつけることができる訳じゃないんだ」はいここBパートまでちゃんと覚えておきましょうねー(イラッ)。
バルテクターの形状から逆算してダストジードの顔を割り出すメモリーの分析能力しゅごい…。いやいやとっくに顔はご存知ですよね…? レミニスの画像が入ったメモリーのペンダントの中のディスク、あの当時ではシャレた近未来の小道具だったんでしょうなあ。今ならSDカードですかね。
・まともに歩くこともままならず、海辺で転んでしまうアニスに駆け寄ろうともしないリョウとチャックの不自然さよ。ここ、「アニスを救うのはモーリーの役目だからお前らは何もするな。特にリョウお前はボンクラでいろ」という神の指令で「何もさせてもらえない」状態になってるんですよ。岸間&会川氏だったらまずやらせなかったことを押し通してる訳で、ホントそういうとこなんですよね…。
・というか、超者まで見てやっと気付いたんですが、園田氏は「悩んで心を閉ざして周囲の気遣いも疎ましがる」というテンプレが鉄板だったんですね。キャラの魅力や面白さに繋がってるかと云うと全然ですが。むしろ超者はそこが特大のマイナスになってますし。
・転んだアニスの前に現れたモーリーは、アニスを抱き起しながらあたしたちだって戦える、ボーグマンの手助けがしたい、と健気にアニスを励ましますが、アニスには当然モーリーでは無理なことは分かっている。その「あなたには無理」が昔メモリーに云われた情景と重なり、思わずモーリーを突き放します。
・すぐに謝罪しますが、ショックを受けたモーリーは駆け出してしまい、落ち込んで崩れ落ちるアニス。ここから回想に入りますが、男2人が目の前で起きたこの出来事に何の対処もしなかった(させなかった)というのがムカつく。お節介だろうが何だろうが、とりあえず何かしらアクションを起こすタイプだと思うんですけどね2人とも。少なくとも「オレにはアニスを見ていることしかできない」と傍観を決め込むのはリョウらしくない。
・アニスはスペースブロックの見学に訪れて妖魔に襲われたとありますが、園田氏はここに「歌手になるためにオーディションを受けに来日していた」という、リョウとチャックが宇宙に行くという夢を持っていたように、アニスにも歌手という夢があったという設定にこだわっていました。これが省略されていたのが今となっては意外です。園田氏が構想していたはずの「アニスアフター」を描く上で重要な設定だったはずなので。

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OUTの記事より。
アニスの過去設定は二転三転した形跡が窺え、園田氏が相当に手を加えたのか、
Pや他スタッフと検討を重ねた結果なのかは不明。


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アニメージュのあらすじ紹介文より。
歌手志望だけでなく、アニスにはボーグマンシステムだけでなく、
事故で亡くなった子供たちの臓器が移植されているというプロットもあり、「子供たちに生かされている」
としたかった様子もあります。没になったのはエグいからでしょう。


・「妖魔に殺された子供たちの無念を晴らす為、そして今は生徒たちを守るためにボーグマンとして戦う」と「歌手になる夢を追っていた」の両方は尺の都合で詰め込めず、泣く泣く後者を諦めて前者に絞ったんでしょうか。ここまで考えて思ったんですが、園田氏はこの28話を会川氏の13話と対にする意図もあったのかもなあ。
・云うのは野暮ですけど、アニスだけがスペースブロックの惨劇の被害者として、メモリーに手術されてるのが引っかかります。他にも被害者は相当いたんじゃないの…? 
・コールドスリープ状態にあったボーグマンたちは既に無理だったんでしょうけど、あの時のメモリーがその場に居合わせただけの見学者の治療ってちょっと無理があるような。というかリョウとチャックは何してたんだろうか。
・こういったことの背景が見えてこない点とか、如何に「描きたい要素」で繋いでいったかが窺えます。関係あるようでないンですが、サイレント某もそういう作品でしたよね。似た者同士だったのかも知れない。
メガロビル上空にギルトライアングルが出現することを察知したメモリーの連絡で、リョウとチャックは出撃。その際にアニスに今回は俺たちに任せておけーと呼びかけますが、アニスは返事もせずに俯いたまま。「あたしには無理なんだ…」と完全に落ち込んでます。
・俯瞰から見ると、落ち込むヒロインを放置し続ける仲間たちという薄情な構図で、「アニスなら自分で立ち直ると思う」という台詞をリョウに云わせているのがまた云い訳がましい。
「アニスを立ち直らせるのは生徒(モーリー)」という大前提と、リョウに接近させるとリアルタイムで撤去中のフラグがまた立つから駄目、という園田氏の思惑が丸出しなんですよ。
・ボロクソ云ってますが、サイボーグ手術によって死の淵から生還し、退院の日を迎えたアニスとメモリーの会話は本編屈指の名場面と断言します。「厳しいリハビリによく耐えたわね」が泣ける。手術が成功した後も苦しんで、それを乗り越える強さをアニスは持っていたのかと。
普通の少女の顔から戦士として生きる決意をメモリーに見せる瞬間は、演出と鷹森さんの演技の相乗効果で特に印象に残ります。アニスに関しては演出にも気合いが感じられて素晴らしいのですが、一方で露骨にリョウとアニスの間に距離を作っていたのだけはいただけない。園田氏の意向を全面的に汲んだんでしょうかね。

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「絶対に助けますからね」のメモリーの声に
応えるように指が僅かに動くところが好き


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この辺りのカットは
勝生&鷹森両氏の演技を含め
すべて最高としか云いようがない


・時系列がよう分からんのですが、この時既にリョウとチャックは戦闘用サイボーグの手術を受けていたんでしょうか。彼らを戦いに巻き込むことを望んでなかったメモリーが、一般人のアニスの「あたし戦いたいんです!」という決意をあっさり受け入れたのがちっと釈然としなかったり。すったもんださせる訳にもいかないからそうしたんでしょうけど。
・だからまあ、本当に「そういうとこ」なんですよ。他スタッフ、特に会川氏が組み上げてきたものを反故にしてでも、「俺ヒロインのアニス」を押し通してるんですよね。
・ものすごく好意的に解釈するなら、メモリーはリョウとチャック、そして自分のサポートにするなら大丈夫だと思ってたのかも。ジリオンで云えばエイミみたいな。
・リョウたちが向かうメガロビル付近に、何でかシンジとトオルがうろうろしています。妖魔の居場所を探さなくちゃ! とシンジが基地からガメた探知機で妖魔を探していました。何でお前さんは人様から物を盗むんだ許せぬ今から奉行所に行く(半天狗回想自重)。
トオルは終始咎めてましたが、シンジは「ボクたちができることは消えた妖魔を見つけることぐらいだろう!?(キリッ)」と危険へ危険へと突き進んだ模様。27話と立場が大逆転していて、ここも28話が浮いている原因のひとつなんですよ。
・そうそう、皆さんAパートもですが、その27話を思い出して下さいシンジが何を云ったのか。「ボクたちが勝手なことしてどうするんだ!」
・ここでシンジをフルボッコにするのは簡単ですが、作劇上、ボーグマンの戦う姿を見届ける生徒たちという構図が欠かせなくなっていたので、シンジを使うしかなかったんでしょう。シンジはもう「生徒代表」化していて、乱堂を引っ張り出すと散漫になりそうだったし。それでも30話のブレ方はあんまりですよねえ…。
・こうなると、むしろ27話でシンジの成長を書こうとした会川氏の方が余計だったのかも知れないなどと。決して間違ってはいなかったんですが、終盤の構想にはそぐわなかったということかなあ。
ボーグマンがまだ生きていたことに驚くダストジードですが、アンタちゃんと死亡確認しなかったから…27話のラストで浮かれて哄笑しちゃってやあねえ恥ずかしい。
・ギルトライアングルを降下させるべく、ダストジードの放った妖魔に強襲されるメガロビル。ねえここメガロシティの中枢の割に、何でセキュリティこんなに甘いの…?  小学生も入り込んでますよ…? シティポリスも世界警察ももっとガード強化してなきゃダメじゃん…19話から全然改善されてないじゃん…。
・メガロビルに到着したリョウはシンジとトオルに遭遇し、「余計なことばかりしやがって!」と怒ります。実はリョウが子供たちにこんなキレた態度を取ったのはこれが最初で最後なんですよ。ぶっちゃけ、シンジの無謀は園田氏的にも本意ではなく、リョウを使って視聴者の気持ちを代弁させたと取るのは穿ちすぎでしょうか。
・砂浜でずっと蹲っていたアニスの前に、再び現れたモーリーが手渡したのは、自分の花壇で育った花。
・突き放されても尚、アニス先生に寄り添おうとするその健気な姿に、やっとアニスは立ち直るきっかけを掴みます。これ自体はいい場面なんですが、ここを描くためにいろんなものを台無しにしてるので、素直に見ることができない。
・チャックのバギーで出撃しようとするアニスを「今の貴女の体では無理よ」と止めるメモリー。アニスにとって地雷だったこの言葉を彼女は乗り越え、バルテクターを装着しメガロビルに向かいます。
アニスに無理をさせたくないという配慮からメモリーは静観していたようですが、根岸監督の解釈は違ったようです。これは後で触れます。
27話の妖魔ズほどには強いとも思えない(ダストジードもボーグマン対策は考えてなかったようだし)妖魔機人(?)ガナッシュにめっちゃ苦戦するリョウとチャック。シンジたちはサンダーが保護して離れたので、足でまといはいない状況なのに冴えないなあ。まあ理由はミエミエなんですが。
・2人の大ピンチを救ったのは颯爽と駆け付けたアニス。立ち直った彼女を前に「それでこそアニスだぜ!(ヒュー)」。さんざん放置しておいて何云ってんの。
妖魔工場DE合体した妖魔とガンウォーリアで応戦するアニス。苦戦しますが、心に浮かぶモーリーの笑顔、生徒たちの笑顔を支えに妖魔に反撃。その間ドン臭い行動しかしない男2人。アニスが迎え撃つ前にさっさとソニックウェポンぐらい出しておかんかい。
・子供たちを守る為にも妖魔なんかに負けられない。自分の弱さにも打ち勝ってみせる。それを描きたかったのはすごく伝わります。だけど、その後「アニスにおまかせ!」等で出された裏設定を台詞に反映できてない。アニまかによると、アニスの戦う動機は最初「メモリーへの恩返し」だったとか、事故に巻き込まれた見学者の子供たちも台詞だけで1カットも出てきてないので、一連の裏設定は掘り下げどころか、逆にノイズになった気がして仕方ない。

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アニスにおまかせ! より。実際に放映された28話の
内容との齟齬がいちいち気になる。

・なもんで、アニスは退院したらメガロシティでのことは忘れて、歌手になる夢を再び追うこともできた。だけどリョウとチャックと同様、夢を封印して戦士になることを選んだ。おそらく園田氏が必要不可欠としたこの設定を、28話で全部カットしたのは大正解でしたね。これも盛っていたらアニスがどういうヒロインなのか、園田氏にしか分からないことになっていたと思うので。
・妖魔を撃退したものの、その隙にギルトライアングルはメガロビルに降下。ビル内に留まったシンジとトオルの運命や如何に!? というところで28話終了。とりあえずシンジはトオルとそのご両親に土下座しろ話はそれからだ。
・ダストジードと妖魔の犠牲になったメガロビル職員のことも時々思い出してやって下さい。脱出成功した職員の方が多いと信じたい。
・この通り、最初から最後まで「すべては(アニスという)ヒロインを輝かせるため」というエピソードだった訳ですが、その為にリョウとチャックは弱体化してメモリーはアニスを放置。傷つけられてもアニスの手助けがしたいと動いたのがモーリーだけ(乱堂は何してたの)。
・こういう「ヒロイン我が愛」を悪い意味でアップグレードさせて生まれたのが「剣狼伝説3」だったんじゃないかと思います。タイミング的にも、剣狼3の制作も進行していたと思われますし。また改めて書きますが、剣狼3がああいう内容になったのは、園田氏が28話以降の構想に関われなくなったことも遠因してるんじゃないかと思ってます。

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ラストバトルのアニスの回想より。このテキストを打っている最中に気付いたんですが、「メモリーならあんな風にアニスを放っておいたりしない」という根岸監督の「反論」だったのかなと。
タグ:感想
posted by はらよしかず at 20:33| Comment(3) | ボーグマン
この記事へのコメント
>はらよしかず様

 わーいアニスからチョコもらったー♪

 という夢を見たかった日曜の朝でした。というわけでこんにちは。
 前の記事の時にすぐにでも書き込みたかったですが、忙しかったのとちょっと疲れが取れずで、その余裕がなかったです。

 前回と今回の記事を読んで思ったのは、園田氏の問題点を改めて認識……ってなとこでしょうか。
 アニスをレイナのように独立させ、アイドル的に活躍(もしくは愛玩)させたい……という点は、百歩譲っていいとして(本当は良くはないけど)。
 しかし、そのための方針というかやり方が、唯我独尊過ぎるのが鼻につきます。

>園田氏は「妖魔のいない平和なメガロシティで、歌手として忙しい日々を送るアニス」を、鷹森さんの協力を得て後日談として発表したかった。それを主軸としたメディアミックスを構想していたんじゃないかと思ってます。
(中略)
>アニスの単独プロデュースをやりたい園田氏にとって、リョウとの恋は邪魔な要素。だから念入りにリョウとアニスの関係を否定されていたんでしょう。


 この点は、そう外したものではないかと。
 レイナと同じくらいの大友人気を得て、レイナのように「人間に転生」という事を行う必要も無し。本編終了後にそのまま歌手活動=アイドル化させて、その線でのプロデュースを予定してたと考えると、合点がいきます。

 だからこそ、リョウは恋愛に値しないバカキャラ扱い。本編が終わったらとっとと消えてほしかったし、そもそもがここまで活躍させる予定も無かった。故に扱いがひどかったと。
 リョウの扱いが悪いのも

「自分の想太郎の方が上だ、リョウなんか認めるか」

 ってのに加え、

「アニスは誰とも恋仲にならないしさせない(自分は別だが)」
「アイドルデビューさせて、活躍(愛玩)させたい」

 という考えがあったからと仮定すると、これまた納得してしまいます。
 もしこれが事実だったら、劇中のキャラのみならず、それを応援してるファン。その両方をバカにしてんのかと、文句の一つも言いたくなりますが。
 まあどうせ、聞き入れんだろうし理解もできなかったでしょうけど。あくまで仮定の話ですが。

>正直、アニス以外に関しては園田氏のコメントがぞんざいになっていってたので、本編以降の「アニスアフター」に心が飛んでいたんじゃないかと思えます。剣狼シリーズの版元であるユーメックスの関係者も「第二のレイナ」として、園田氏を通じてアニスの取り込みは期待していたと思われますし。

 なんだかんだ言って、レイナの人気を継続させられたわけですし、その前例からアニスで同じ事を行おうとしたのは想像に難くないですが(当時の自分も、それを期待してたとこありました)。
 しかし、そのやり方がどうにも汚いというか、即物的で、「今儲かって人気得られりゃいい」「ストーリーなど二の次三の次」ってなとこも感じてしまいます。
 根岸監督も、そしておそらくは読広のPも、こういう事は望まず「安易なキャラ人気に迎合するより、作品としてちゃんとしたものを」「今見ているファンが求めてるものを提供したい」みたいに考えてたからこそ、超音戦士としてのボーグマンを否定したラストバトルになっちゃったのかもしれませんね。
 仮にそうだったとしても、それがうまくいったとは断じて言えませんが。


 それはともかく、本記事の28話に関しても、アニス自身を際立たせる、彼女の魅力を見せる事に注力した事はわかりますが。しかし指摘されてる点からも、園田氏のホンの癖というか、問題点も如実に感じられます。

>岸間&会川氏だったらまずやらせなかったことを押し通してる訳で、ホントそういうとこなんですよね…。
(中略)
>一般人のアニスの「あたし戦いたいんです!」という決意をあっさり受け入れたのがちっと釈然としなかったり。すったもんださせる訳にもいかないからそうしたんでしょうけど。
>だからまあ、本当に「そういうとこ」なんですよ。他スタッフ、特に会川氏が組み上げてきたものを反故にしてでも、「俺ヒロインのアニス」を押し通してるんですよね。

 他脚本家が劇中で積み上げてきたものを、「俺が必要ないと判断」、あるいは「気に入らん」「後々邪魔になる」というとこから、それらを削除。
 そのうえで「自分の思い通りにする」。このようなやり方でアニスを輝かせ、何も思うところはないのか……、
 いや、ないんだろうなあ。俺のプロデュースこそが正しいと思い込み、周囲の邪魔が無く、徹頭徹尾自分の思い通りに行ってれば、全てうまくいったのにと、本気で考えていたっぽいし。

 しかしほんと、「アニスアフター」のために、「アニスは歌手を目指してた」を選択したのは、現時点での事をうっちゃって、後に控えた自分の欲求を優先してるようで、非常にモヤります。

「妖魔により、目前で子供が死ぬのを見た。そして自分も死にかけた」
「そこから、サイボーグ化して自分は蘇った。もう二度と、目前で死んだあの子のような犠牲者を出さない」
「それが、私の戦う理由。ボーグマンとしての力は、そのためにある」

 むしろ、「超音戦士」として劇中のストーリーを語るのなら、こうしても良かったんじゃないかと。
 正直、設定も時系列も、メモリーがなんでアニスを治療および、ボーグマンへの改造手術ができたのかといった理由やシチュも、どれもが説明つかないわけですが(考察するのも苦労しそう)。
 それらは最初から「細けえ事は(略」で考えてなかったか、
 あるいは後のお楽しみ、アニスアフターの皮算用を優先し、その結果こうなったのか。どっちにしてもろくな理由ではないように思ってしまいます。

 作中で、キャラクターたちはこの話数のこの状況になるまで、経験し、成長や変化もしているはず。
 他の脚本家諸氏の脚本や、園田氏自身の脚本で、それは成された事。なのにそれらをことごとく無視、または忘れて、「キャラの単独アイドル化」の準備を優先。
 それが、28話のアニス以外のキャラの行動のおかしな点として、綻びのように現れてしまった。前記事と本記事を読むと、どうにもそんな気がしてならんです。


>こういう「ヒロイン我が愛」を悪い意味でアップグレードさせて生まれたのが「剣狼伝説3」だったんじゃないかと思います。

>剣狼3がああいう内容になったのは、園田氏が28話以降の構想に関われなくなったことも遠因してるんじゃないかと思ってます。

 この点の考察も、楽しみにしてます。
 ただ、確実に言えるのは。ヒロインを愛でたい気持ちはあっても、その手法には大いに議論の余地があるもの……といったところでしょうか。

 と、いつもの通り園田氏のケチ付けに終始してしまい失礼しました。
 まあ、アニスがもしもレイナみたいに単独で活躍するようになったら。実現しなくて良かったとは思うけど、もし実現したらどうなってたか。その妄想くらいは楽しみたいところです。

 昨今のご時世や季節の変わり目に加え、昨晩の地震など、色々と大変な時期ではありますが、どうかご無理をなさらぬようご自愛くださいませ。
 それでは。
 
Posted by 塩田多弾砲 at 2021年02月14日 13:49
>塩田多弾砲様

このご時世なので、体調でも崩されたのかしらと気になっていたので、レスに安心しました。

>本編終了後にそのまま歌手活動=アイドル化

麻宮先生のアセンブラ0Xで、エピソードと連動して水谷&林原両氏をアイドルユニットとしてデビューしてもらう企画がありましたが、ああいうのを考えていたんじゃないかと思います。たぶんライトニングトラップでレイナVSアニスが実現できていたらそうしていたんじゃないかと。それはそれでファン垂涎の企画になったと思うし見てみたかったですが、クロ逆とボーグマンにいらんミソがついた可能性もあるのが痛し痒しです。妄想ですけど。

>レイナの人気を継続させられたわけですし、その前例からアニスで同じ事を行おうとした

次回の更新でメインにしたい要素ですが、園田氏は確かに「剣狼ワールド」の創造とか、レイナのプロデューサーという面で評価できる部分もありますが、レイナ人気の在り方をちょっと勘違いされていて、そのせいでアニスを「園田プロダクション」に取り込めなかったと思います。剣狼にせよボーグマンにせよ、ファンの声を聞いているようで聞いてないし、キャラに入れ込みすぎて作品をおろそかにしてるんですよね。ボーグマンの場合、初手で「坊ちゃん」をやれなかったという躓きから起動修正できず、アニス人気で上がったモチベーションの表れが、アニメ誌でのアニス語りと28話なのかと。

>「安易なキャラ人気に迎合するより、作品としてちゃんとしたものを」

根岸監督の玩具アニメとして、自身の初のTVアニメ作品としてきちんと完成させたい、という真面目さと、レイナみたいにOAV作ってアニスを推す方がファンは喜ぶし僕の知名度も上がる! という園田氏のエンジョイ&エキサイティング! スピリットがどうしても噛み合わなかったんでしょうね。今更ですし別の事情があったのかも知れませんが、クロ逆がラスト3話を総集編で埋めたのはシリーズ構成的にどうなの? という疑問が湧いてきました。
根岸監督が読広のPに自分の構想を持ちかけたのも、これ以上園田氏にボーグマンを委ねられないという判断だったんでしょう。というか、園田氏は才能はあれども、そういう人脈作りや根回しができない方だったんでしょうね。アニスVSレイナが実現しなかったのも、東宝との信頼関係ができてなかったのもあると思います。

>「妖魔により、目前で子供が死ぬのを見た。そして自分も死にかけた」

ああ、ここを描いてないから(アニスの決意ふたたびが)ちょっと弱く見えるのかも。TVアニメの規制に引っかかった可能性もありますけど。28話で詰め込み切れなかった要素は、ライトニングトラップの小説版でかなり使われてますね。アニスの歌手志望設定は、後でじっくりやるつもりで本編ではカットしたのかしらといま思いました。

>その手法には大いに議論の余地があるもの

批判ばっかりしてますが、まだメディアミックスが確立していなかった時代に、園田氏がレイナというヒロインを送り出したことは画期的だと思ってますよ。レイナがいなかったらサイメビのメディアミックスも少し違ったものになっていたかも知れませんし。ただ、レイナでやったプロデュースはアニスには嵌らない、園田氏だけのヒロインでいる器ではないということに気付けなかったのが、園田氏にとってもボーグマンにとってもマイナスになったんじゃないかなあと。キャラクターコンテンツの成立における試行錯誤だったと思えば、否定ばっかりもできないですね。実際ライジンオーはうまくハマりましたし。
Posted by はらよしかず at 2021年02月19日 19:36
>はらよしかず様

 ご心配かけたようですみませんでした。単に忙しかったのとちょっとした疲労によるモチベ低下なだけなので、どうかご心配なく。

>麻宮先生のアセンブラ0Xで、エピソードと連動して水谷&林原両氏をアイドルユニットとしてデビューしてもらう企画がありましたが、ああいうのを考えていたんじゃないかと思います。

 キャラを作品から独立させて、存続させる……という狙いがあったんでしょうね。やりようによったら、レイナとアニスでそういうのをやってやれない事は無かったでしょうが。
 しかし、その思い付きはともかく、それを具体的に実現するための手段に問題があったとも思われますね。

>園田氏は確かに「剣狼ワールド」の創造とか、レイナのプロデューサーという面で評価できる部分もありますが、レイナ人気の在り方をちょっと勘違いされていて、そのせいでアニスを「園田プロダクション」に取り込めなかったと思います。

 確かに、評価できる点もありますし、レイナを単なる作品のキャラとしてだけでなく、作品世界から飛び出して活躍させられるポテンシャルを持たせた事も事実です。
 でも、仰る「勘違い」、それに自身の悪癖というか問題点というか、そういった点に気付いてないのか、改善されないままで今に至っている気がします。


>剣狼にせよボーグマンにせよ、ファンの声を聞いているようで聞いてないし、キャラに入れ込みすぎて作品をおろそかにしてるんですよね。

 ですね。ファンが何を求めているのか。そういうところが分かっているようでわかっていない。
 キャラクターに入れ込んだのはわかるけど、そのためにそのキャラが活躍した世界観や、サブキャラたちをないがしろにしてる。
 レイナやアニスを引き立たせるためなら、元の作品の世界観や他のキャラが壊れてしまっても構わんと思っているようで、そこんところが結果的に、何もかもダメにした原因の一つじゃないかと。

 レイナが剣狼を手にして、独立して活躍するのを見せる!→このアイデアは良かったけど、
 そのために、レイナ以外のクロノスキャラは弱体化!ロム兄さんも死なす!ついでにほんとの兄妹じゃない!→他のクロノスキャラのファンの事や、クロノスの基本設定変更に気付いてない。そんなのクロノスファンは見たいと思ってない事も気付いてない。

「思い付きは良いけど、その思い付きを実行するための人材と手段、具体的な方法と手腕には欠けていた」
「そして、作品及びキャラに対してのファンの思い入れ、作品やキャラのどういう点が好まれたかの理解と把握もできていなかった」
「ついでに、創造主である自分のやる事なら、ファンは付いてきてくれるだろうと、楽観的で都合良く考えていた」

 これらが園田氏には足りなかったんでしょう。
 そして、

>園田氏は才能はあれども、そういう人脈作りや根回しができない方だったんでしょうね。アニスVSレイナが実現しなかったのも、東宝との信頼関係ができてなかったのもあると思います。

 同志というか、同じ考えの仲間を増やし、自身のプロジェクトを進めていく。こういう基本的な事に頭が回らず、「自分のアイデアはスゴイ。だから進める」ってだけで突っ走っちゃってたんでしょうね。
 思い付きを、具体的に実現するための方法に関しては無策。でも、自分が率先して行い進めれば、周囲は付いてくるしうまくいく。実際、それでなんとかやってきた。
 こういうとこが、唯我独尊さを漂わせる原因の一つでは……と、今回のレス読んで思いました。

>園田氏がレイナというヒロインを送り出したことは画期的だと思ってますよ。レイナがいなかったらサイメビのメディアミックスも少し違ったものになっていたかも知れませんし。

 確かに、マシンロボという変形ロボの玩具のアニメ化で、あのような魅力的な美少女キャラを産み出し、なおかつ単独デビューできた事は画期的でした。
 とはいえ、

>ただ、レイナでやったプロデュースはアニスには嵌らない、園田氏だけのヒロインでいる器ではないということに気付けなかったのが、園田氏にとってもボーグマンにとってもマイナスになったんじゃないかなあと。

 こういうとこが、台無しにしちゃってるんですよね。
「園田氏だけ」というか、おそらく園田氏には、理解者や協力者みたいな人がいなかったのでは。
 人脈作りや根回しが出来ず、自身の構想を具体的に実現化させる方法も無策。プロデュースするにしても、その方法はあまり思いつかないし、それしかできない。加えて、キャラの持つ魅力や器を理解する事も乏しい。
 おそらく、剣狼伝説が「ライトニングトラップ」および未完の小説で停まってしまったのも、園田氏自身の思いつく手段や方法の少なさ・乏しさも、原因の一つではないかと思ってしまいます。

 いつも通り、長くて失礼しました。
 それでは。
Posted by 塩田多弾砲 at 2021年02月21日 01:49
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