ここ2〜3年というもの、予告通りにコトを成してない気がしますがチャックの誕生日なので仕方ないです。当日の更新でもないですが気にしないでいただきたいお願いゆるして(懇願)。
いや実は去年と同様スルーするつもりでいたんですが(スマン)、ついったで呟いているうちにチャック×美姫で何かしら記事いっこ書けそうと思い、ネタを脳内で転がしていたらチャックとアニスの関係から見直さないと考察が行き詰まるので、書きながらふたりの関係を探ってみたいと思います。
チャックとアニスは、前番組のジリオンのチャンプとアップルと立ち位置が似ていながら、実際は彼らの関係を継承しきれませんでした。チャンプは中盤辺りからアップルへの思慕を垣間見せる場面が出てきますが、それは同時にアップルのJJへの思慕が窺えることでもあり、JJもまたアップルへの思慕を見せ始めていきます。
しかしジリオン3人組の場合、JJ→アップルをほのめかしたところで物語は終わります。チャンプもアップルもJJが大事だったので、JJを頂点にした(恋愛抜きの)三角関係で在り続けることをスタッフが優先したことが、後の関連書籍やアニメ誌の記事から窺えます。OAV「歌姫夜曲」でJJとアップルはいい雰囲気になりますが、スタッフが「恋するJJ」を描けなかったせいでいい雰囲気止まりになったと、アニメディア別冊の歌姫ガイドブックにありましたね。
ボーグマンチームもホワイトナッツの3人と同様、当初は恋愛御法度が前提にありました。しかしボーグマンでは、桂美姫という三角関係に入り込むヒロインが登場。恋愛解禁となりこれがホワイトナッツとの差別化の要素のひとつとなりました。
しかし園田氏はボーグマン3人の関係をアニスを頂点とした正三角形で想定していたようで、美姫はそのバランスを崩す存在として扱いを持て余していた節があります。その辺に触れる前に、チャックとアニスについて見直してみます。
1クール目はチャックのバギーの助手席に座るアニスという構図が多く、必然的に2人が共に行動している場面が多く見られました。特に園田脚本回では、2人のバギー内での交流が丁寧に描かれておりました。
5話。リョウを休ませて、チャックとアニスで遠足に行くことを決めた後「その方が(リョウがいない方が)良かったりして」という呟きをアニスに聞かれてしまう場面。冗談めかしてましたが、まだプレイボーイの設定が活きていた頃でもありますし、隙あらば…という空気を作っておく意図があったのかもと思ってみたり。
7話のこの場面も、教師ってのも大変だな、というぼやきに「文句云わないの」と窘めるアニスを見やるチャックの目線がちょっと意味深。単独行動になりがちなリョウよりも、チャックはアニスといる時間が長い分、彼女を異性として「観察」することが度々あったのかも知れません。
しかし、それが少し変わったのが8話。暴走ショベルカーに怒ったアニスにチャックが引き気味になり、アニスは自分の手にあまる女の子だという反応を見せます。
さらに11話で、小競り合いを始めたリョウとチャックを叱り飛ばすアニスで「男2人はアニスの尻に敷かれる」という構図が明確となり、園田氏の考えるボーグマン3人の関係のバランスは11話で完成し、これを崩す気はなかったと思えます。
一方で岸間脚本だとリョウとアニスの絡みが多く、会川氏は(1クール目の時点では)登場人物の横の繋がりよりも、キャラ単体の見せ場を重視してたように思えます。10話のチャックとか。
そして2クール目で美姫が登場。根岸監督&園田氏が主人公とヒロイン(リョウとアニス)の恋愛をやる気がなかったこともあってか、チャックと美姫は恋愛要素を一手に担うこととなり、チャックは園田脚本回で見られた意味深な態度をアニスに見せることはなくなりました。
個人的にですが、美姫登場以降の方が、チャックとアニスの微笑ましい場面が増えたように感じます。チャックに想い人ができてリョウとアニスが接近したことで、岸間&会川氏は3人の距離感を掴めてきたのではないかと推察。園田氏は逆にやりづらくなったと思いますが、この辺に関しては次回以降に。
1クール目以降で特に印象深いチャックとアニスと云えば、22話と27話でしょう。22話の橋の上でのやりとりは「先代」チャンプとアップルを想起させる軽妙さでとても良いのです。22話はボーグマンチーム3人個々の掘り下げと関係の見直し(アニス→リョウの発覚等)という点でも優良回なんですよね。
27話は非常に会川氏らしい熱血回。リョウが親友のチャックの嘘を見抜けなかったのは引っかかりますが、しかしそれでもアニスだけは見抜いていて、今の私でも貴方の目の代わりぐらいにはなれる、と彼をサポートする場面の熱さで許せてしまえます。会川氏なりの「男女の関係を超えた仲間」の描写を、ここでやっておきたかったんでしょう。そしてBパートでリョウとアニスの関係の進展を匂わせるというソツのなさよ。
なもんで、28話でお釈迦にされたのが本当に悔やまれる。27話-28話を連続して見ると、まだ作品に残っている可能性や熱量を最大限出そうとしていた会川氏と、アニスにのめり込んでいった園田氏の温度差が明瞭明確です。LD-BOXにインタビューによると、会川氏は当時かなり園田氏に食ってかかっていたそうなので、こういうところで噛み合わなかったのが原因なんじゃないかしら。知らんけど。
28話の制作時点ですべてが根岸監督の意向優先になってて、園田氏は梯子を外されてたように思えますけど、その分アニメ誌というカードを最大限使ったんでしょうなあ。実質園田ヒロインとしてのアニスのプロモーション冊子だったアニスにおまかせ! はその最たるものだったし。
そのアニまかの鷹森さんのインタビューによると、鷹森さん的にはアニスがチャックをどう思っているかは「よく分からないです」とのことで、本当に役作りにおける情報が不足してたキャラだったんでしょう。井上さんはラバレでチャックはリョウとアニスの兄貴分とコメントされていたので、チャックとアニスは「同じ体を持つ兄妹のような関係」でニアピンと結論。
しかしこれらは「チャックと美姫の恋」ありきで成り立ったので、ジリオンから続投したPの意向次第では、美姫がああいう立ち位置でなかったら(もしくは存在すらない)、リョウが朴念仁気味なのも考えると、チャンプの秘めた想いがチャックで報われる可能性は微レ存だったかも知れません。まあ没案のチャック×メモリーとどっこいなぐらいに低かったと思いますけど。
個人的な妄想ですが、チャックは美姫のことはおいてもアニスのことは好きだったと思いますし、アニスはチャックを選んでも充分幸せになったと思います。んでも、アニメディアのアニスインタビュー(おそらく園田氏はノータッチと思われる)での「チャックはひとりでも大丈夫だけど、リョウは自分がついてないと駄目」が真理で、ソツのないイケメン紳士よりも、子供っぽくてほっとけない「ヒーロー」のリョウが良かったんでしょう。22話で一緒に変身するところとか、実はノリも似ている同士ですし。何よりアニスは美姫と張り合ってでもチャックを振り向かせたいというタイプの娘さんじゃないですしねー。
という訳で滑り込みセーフ? の記事でした。次回は本題のチャック×美姫か、小ネタの続きのどっちかです。
2021年10月29日
【チャック誕】チャック×アニスの可能性について考えてみた。
posted by はらよしかず at 22:00| ボーグマン