2021年10月29日

【チャック誕】チャック×アニスの可能性について考えてみた。

ここ2〜3年というもの、予告通りにコトを成してない気がしますがチャックの誕生日なので仕方ないです。当日の更新でもないですが気にしないでいただきたいお願いゆるして(懇願)。

いや実は去年と同様スルーするつもりでいたんですが(スマン)、ついったで呟いているうちにチャック×美姫で何かしら記事いっこ書けそうと思い、ネタを脳内で転がしていたらチャックとアニスの関係から見直さないと考察が行き詰まるので、書きながらふたりの関係を探ってみたいと思います。

チャックとアニスは、前番組のジリオンのチャンプとアップルと立ち位置が似ていながら、実際は彼らの関係を継承しきれませんでした。チャンプは中盤辺りからアップルへの思慕を垣間見せる場面が出てきますが、それは同時にアップルのJJへの思慕が窺えることでもあり、JJもまたアップルへの思慕を見せ始めていきます。
しかしジリオン3人組の場合、JJ→アップルをほのめかしたところで物語は終わります。チャンプもアップルもJJが大事だったので、JJを頂点にした(恋愛抜きの)三角関係で在り続けることをスタッフが優先したことが、後の関連書籍やアニメ誌の記事から窺えます。OAV「歌姫夜曲」でJJとアップルはいい雰囲気になりますが、スタッフが「恋するJJ」を描けなかったせいでいい雰囲気止まりになったと、アニメディア別冊の歌姫ガイドブックにありましたね。

ボーグマンチームもホワイトナッツの3人と同様、当初は恋愛御法度が前提にありました。しかしボーグマンでは、桂美姫という三角関係に入り込むヒロインが登場。恋愛解禁となりこれがホワイトナッツとの差別化の要素のひとつとなりました。
しかし園田氏はボーグマン3人の関係をアニスを頂点とした正三角形で想定していたようで、美姫はそのバランスを崩す存在として扱いを持て余していた節があります。その辺に触れる前に、チャックとアニスについて見直してみます。

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1クール目はチャックのバギーの助手席に座るアニスという構図が多く、必然的に2人が共に行動している場面が多く見られました。特に園田脚本回では、2人のバギー内での交流が丁寧に描かれておりました。

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5話。リョウを休ませて、チャックとアニスで遠足に行くことを決めた後「その方が(リョウがいない方が)良かったりして」という呟きをアニスに聞かれてしまう場面。冗談めかしてましたが、まだプレイボーイの設定が活きていた頃でもありますし、隙あらば…という空気を作っておく意図があったのかもと思ってみたり。

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7話のこの場面も、教師ってのも大変だな、というぼやきに「文句云わないの」と窘めるアニスを見やるチャックの目線がちょっと意味深。単独行動になりがちなリョウよりも、チャックはアニスといる時間が長い分、彼女を異性として「観察」することが度々あったのかも知れません。

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しかし、それが少し変わったのが8話。暴走ショベルカーに怒ったアニスにチャックが引き気味になり、アニスは自分の手にあまる女の子だという反応を見せます。

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さらに11話で、小競り合いを始めたリョウとチャックを叱り飛ばすアニスで「男2人はアニスの尻に敷かれる」という構図が明確となり、園田氏の考えるボーグマン3人の関係のバランスは11話で完成し、これを崩す気はなかったと思えます。
一方で岸間脚本だとリョウとアニスの絡みが多く、会川氏は(1クール目の時点では)登場人物の横の繋がりよりも、キャラ単体の見せ場を重視してたように思えます。10話のチャックとか。
そして2クール目で美姫が登場。根岸監督&園田氏が主人公とヒロイン(リョウとアニス)の恋愛をやる気がなかったこともあってか、チャックと美姫は恋愛要素を一手に担うこととなり、チャックは園田脚本回で見られた意味深な態度をアニスに見せることはなくなりました。
個人的にですが、美姫登場以降の方が、チャックとアニスの微笑ましい場面が増えたように感じます。チャックに想い人ができてリョウとアニスが接近したことで、岸間&会川氏は3人の距離感を掴めてきたのではないかと推察。園田氏は逆にやりづらくなったと思いますが、この辺に関しては次回以降に。

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1クール目以降で特に印象深いチャックとアニスと云えば、22話と27話でしょう。22話の橋の上でのやりとりは「先代」チャンプとアップルを想起させる軽妙さでとても良いのです。22話はボーグマンチーム3人個々の掘り下げと関係の見直し(アニス→リョウの発覚等)という点でも優良回なんですよね。

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27話は非常に会川氏らしい熱血回。リョウが親友のチャックの嘘を見抜けなかったのは引っかかりますが、しかしそれでもアニスだけは見抜いていて、今の私でも貴方の目の代わりぐらいにはなれる、と彼をサポートする場面の熱さで許せてしまえます。会川氏なりの「男女の関係を超えた仲間」の描写を、ここでやっておきたかったんでしょう。そしてBパートでリョウとアニスの関係の進展を匂わせるというソツのなさよ。
なもんで、28話でお釈迦にされたのが本当に悔やまれる。27話-28話を連続して見ると、まだ作品に残っている可能性や熱量を最大限出そうとしていた会川氏と、アニスにのめり込んでいった園田氏の温度差が明瞭明確です。LD-BOXにインタビューによると、会川氏は当時かなり園田氏に食ってかかっていたそうなので、こういうところで噛み合わなかったのが原因なんじゃないかしら。知らんけど。
28話の制作時点ですべてが根岸監督の意向優先になってて、園田氏は梯子を外されてたように思えますけど、その分アニメ誌というカードを最大限使ったんでしょうなあ。実質園田ヒロインとしてのアニスのプロモーション冊子だったアニスにおまかせ! はその最たるものだったし。

そのアニまかの鷹森さんのインタビューによると、鷹森さん的にはアニスがチャックをどう思っているかは「よく分からないです」とのことで、本当に役作りにおける情報が不足してたキャラだったんでしょう。井上さんはラバレでチャックはリョウとアニスの兄貴分とコメントされていたので、チャックとアニスは「同じ体を持つ兄妹のような関係」でニアピンと結論。
しかしこれらは「チャックと美姫の恋」ありきで成り立ったので、ジリオンから続投したPの意向次第では、美姫がああいう立ち位置でなかったら(もしくは存在すらない)、リョウが朴念仁気味なのも考えると、チャンプの秘めた想いがチャックで報われる可能性は微レ存だったかも知れません。まあ没案のチャック×メモリーとどっこいなぐらいに低かったと思いますけど。

個人的な妄想ですが、チャックは美姫のことはおいてもアニスのことは好きだったと思いますし、アニスはチャックを選んでも充分幸せになったと思います。んでも、アニメディアのアニスインタビュー(おそらく園田氏はノータッチと思われる)での「チャックはひとりでも大丈夫だけど、リョウは自分がついてないと駄目」が真理で、ソツのないイケメン紳士よりも、子供っぽくてほっとけない「ヒーロー」のリョウが良かったんでしょう。22話で一緒に変身するところとか、実はノリも似ている同士ですし。何よりアニスは美姫と張り合ってでもチャックを振り向かせたいというタイプの娘さんじゃないですしねー。

という訳で滑り込みセーフ? の記事でした。次回は本題のチャック×美姫か、小ネタの続きのどっちかです。
posted by はらよしかず at 22:00| ボーグマン

2021年10月15日

2021年秋の小ネタ集・その1

もたもた更新準備している間に、上モノの小ネタが貯まってきたので順次紹介します。會川&ねぎし氏からぽろぽろ初耳情報が漏れ出てきてて、いっそ13話&最終回メインスタッフ中心のトークショーやってくれませんかね! 誰が行かなくてもわたしは行きますから! …ラムネの再起動も老師&ぽりりん不在だったんですよね。あっちもどういう事情でぽりりんがノータッチになってるのか。老師は察せるものがありますけど。

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ビデオベストセレクション特典。このリョウのポスターはアニス以上に見かけない(たまに外人出品者がボッタ価格で出してたかも知れませんが、英文の時点で目がスルーするので)シロモノだったんですが先日ヤフオクで発見。リョウは時々プレ値になることがあるので警戒してましたが、あっさり落札できました。カレンダー部分に痛みはあるものの、メインビジュアル部分は問題なく、経年劣化もほとんどありませんでした。

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大きいことはやはり良いことで、画集より迫力があって、細かい描き込みや塗りを堪能できました。アクリルガッシュってすごい画材だったんですねえ。アナログ塗り死ぬほど苦手だったので、当時から菊池氏の塗りの素晴らしさに溜息ついてました。アニスブームに振り回されることなく、リョウのヒーロー性(とバルテクター)にこだわり続けたことも、このイラストから窺えます。根底にはジリオンのJJの存在感への対抗心もあったのかしら。現場に関われなかった菊池氏が、ジリオンとの差別化及び異なる可能性を、版権イラストを通じて模索していたのかと思うとちょっとやるせないですね。結果論として、園田氏以上のジャイアンになりかねなかった菊池氏を関わらせなかった根岸監督の判断は正しかったと思ってますけど。

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ツイッターより。會川氏とのやりとりですが、ボーグマンの絵コンテで参加されていた剣地尚氏が湯山邦彦氏だったことが判明して驚いた次第。確認したら担当回は25-26話と32話でした。根岸監督がインタビューで、後半で実力のあるスタッフを確保できるようになったと語られていたので、その流れで湯山氏のスケジュールを押さえることができたんでしょう。

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25-26話全編に渡って
このダストジード、ノリノリである

しかし、どの回も湯山氏と分かって見てみたら面白い…とならない微妙回という罠。特に25-26話は怒涛の終盤のプロローグになるはずなのに、いろんな意味で「弱い」エピソードになっちゃってるんですよ。たぶん園田氏と根岸監督の平行線が極まった結果だと思うんですけど。園田氏はここいらで初期構想の「エスパーサイボーグ」的なオカルト路線に引き戻したかった、もしくは作品の主導権を手放す代わりに「アニス=第二のレイナ」がしやすいフォーマットを作ろうとしていた(私的にこっちの可能性の方が高い気が)のに対して、根岸監督は既に後半の構想を固めていてスタッフやPへの根回しも進めていた。そういった過渡期にあったせいで、面白い面白くない以前の、無難な形でしかまとめられなかった印象を受けます。
というか、ついったやトークショーでのファンとの受け答えを見る限り、園田氏はアイディアが二転三転して、何がしたいのかきちんと周囲に伝えられない、そういう気性の持ち主だったんじゃないかと思えます。知る限りでブレなかったのはアニス関連(歌手志望&リョウとはくっつかない)だけなんですよね。

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32話の冒頭、監視カメラ越しに視線を交わし合う(?)メモリーとダストジードの構図は独特で面白いです。ただ、最後のリョウVSダストジード再戦の相撲みたいな押し合いはちょっとイケてなかった。湯山氏がボーグマンという作品を把握できないまま作業しちゃったのかしら。たらればですけど、湯山氏がボーグマンにメインで関わっていたら、園田氏を制御できたんじゃないかなあ。後年のアニポケではちゃんと仕事してたんだし。

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巨神へ…ゴーレム妖魔とか、面白いシチュはあるのにどうして…


25-26話の微妙さは、岸間氏がバトル重視のエピが上手くなかったのも大きいんですよね。たぶんですけど、構成的にも本当は園田氏が手掛ける予定でまったく違う話をお考えになってたんじゃないかと思えますし。本編の妖魔サイドの動向をまとめてみたら、構成で何がしたかったのか、できなかったかが浮かんでくると思うので、そのうちやってみたいです。溜まってる宿題が片付いたらですが(遠い目)。
22話でフェルミナが詰んで妖魔三神官は全員リタイア、そして24話で「中ボス」ダストジードが本格的に動き始めた後の構成案が、園田氏と根岸監督で全然違ったんでしょう。ダストジードがどういう策を弄してくるのか、そもそもダストジードがどういう存在なのか(ジリオンのリックスのようにリョウに執着しているのか、メッシュの野望実現の為にすべてを捧げた部下なのか)、それまで保留してきた要素の整理をしようとしたら、「じゃあ妖魔ってなんなのさ?」から見直さないといけないことになり、結局2話分使っても不完全燃焼になったという気がします。根岸監督と園田氏では「妖魔」の解釈も違ってた(根岸監督はSF寄りのクリーチャー、園田氏は人知の及ばない謎の意識体)ので、二者の間に挟まれたであろう岸間氏を責めるのは気の毒なハナシではあります。
ただ、「妖魔界に引きずり込まれたリョウたちを助けるべく、子供たちと共に奮闘するメモリー」を見ている分には面白いので、「ボーグマンはメモリーの物語」としていた根岸監督の意向寄りに流れを持って行くことに意義があったのかも知れません。園田氏がもし根岸監督の介入を退けていたら、物語をどう盛り上げて〆る気でいたのか、それはそれで気になりますが、アニスが不自然に持ち上げられるだけの毒にも薬にもならない話になったんじゃないですかねえ。レイナという先例のせいで怖気しかしない。

話がそれましたが、26話の這いずって逃げるリョウが当時からどうにも嫌だったんですが(チャックとアニスを逃がすための囮になってるのでなりふり構っていられない、という姿を見せたかった意図は分かるんですが、「子供向けアニメの主人公」として見ると単純にみっともなくて受け入れられないんですよ)「外部スタッフ」としての湯山氏の解釈と思うと腑に落ちました。他の演出陣だと、リョウをああいう風に描かなかったと思うんですよ。
ファントムスワットの見せ方は面白いです。特に美姫とメモリーが歩み寄りを見せる描写はとても良い。美姫はフリッツ博士の遺志を継ぐ存在として、もっとメモリーと絡んで欲しかったですね。そこは24話の後で、メモリーに心身共にケアしてもらったりしてたんじゃないかという妄想で補っておく。

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メモリーの描写には力が入ってます

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モーリーからお守りをもらって、お礼を云うサンダーが素敵。ビバ山寺


やっぱり長くなりそうなので一度ここで切ります。次回は小ネタの続きか、チャック誕の予定。
posted by はらよしかず at 21:47| ボーグマン

2021年09月22日

【ありがとう】最終回アフレコ台本入手しました。【ヤフオク】

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今年はあと何回更新できるのかしらーなのっそり更新になったとはいえ、奥や駿河屋のチェックは欠かしておりません故、今回は奥でゲットした35話のアフレコ台本を紹介。実はかなり以前に1話の台本が出品されてまして、これが回転寿司になっていたので入札して余裕かましてたら、終了ギリギリでかっさらわれたトラウマがあり、そんなヘマは二度としないぜ! と気合い入れて参戦したらあっさり入手できました。
最終回シナリオはアニメディアの別冊付録に丸々掲載されているので、目新しさ的にどうだろうと思っていたんですが、チェックしたら微妙な差異があったので(本当に微妙)、そこを中心に最終回語りをしていこうと思います。

周知に関して疑問があるので一応念押し。最終回のシナリオは根岸監督です。園田氏は34話を担当しておられますが、28話以降はあまり制作に関わってないと思われます。園田氏のシリーズ構成作品ではボーグマンだけじゃないですかね。園田氏が最終回に関われてないのは。

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レミニス(ダストジード)を手にかけたメモリーの涙から始まっていた冒頭、台本では防衛軍登場から始まっておりました。ナレーションのタイミングを思うと、逆にしたのは正解ですね。

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ちっと残念なのは、台本ではアニスがリョウの肩で泣くとあったのに、実際はアニスが悲し気に目を伏せるに留まったことです。まあリョウのアニスへの気遣いが窺える表情で充分と云えばそうですが。
あんまり突っついてやるなという点でしょうけど、リョウの切り替えぶりを見ると、リョウとダストジードの因縁の物語は34話で完結しているので、ラバレであんなに引きずるのはおかしいんですよね。そもそも園田構想の最終回はまったくの別ものだったようなので(ソースはアニメディア別冊付録の最終回特集)、園田氏がラバレでキャラにも最終回にも余計なミソ付けた感。園田氏が剣狼伝説系のアニスアフターを構想していたなら、メモリー死亡EDも不本意だったんじゃないでしょうか。園田構想だとメモリーの代わりに男2人が強制退場させられていた疑惑を抱いてますが(剣狼3で最終回の没アイディアを使い回したんじゃないか? と)、その辺は執筆停滞中のアニス考察で触れる予定。

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ここのモーリーのセリフに「シンジ君はどうなるの!?」がありましたが本編ではカット。防衛軍が子供を見捨てる気でいたということになり、コンプラ的によろしくなかったからですかね(メタ)。

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シーン78のリョウとチャックのこの会話もカットされてます。台本で読んでいくと、取り残されたボーグマンたちが妖魔王からも防衛軍からも追い詰められていく様を、丁寧に書いていたことが窺えます。根岸監督はこういう「世間は知らないが生徒たちは知っている」孤高のヒーロー像をやりたかったようですね。
フリッツ博士&美姫やバーガー署長の信念故の「ボーグマンチーム」否定は、根岸監督がもっと掘り下げてやりたかった要素なんじゃないかと思えました。園田氏は逆に「ご当地ヒーロー」として持ち上げたかったんじゃないかと、20話を見る限り思えます。正に「ご近所ヒーローロボット」だったライジンオーが、園田版ボーグマンリベンジだったとするなら尚更。
ただ、「誰からも認めてもらえない」戦いをリョウたちが理不尽と腐らず、笑顔で受け入れ続けたところがボーグマンの魅力だったと思うのです。「どんなに戦っても誰も分かってくれない」という湿気が入らずに終わったのは良かった。

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いつも通りな彼らのまま、最終決戦に臨む姿が最の高


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リョウの見せ場から始まっている台本


クライマックスシーン。妖魔王にソニックブースター付けた後のボーグマンたちの反撃は、台本の段階ではアニスでトドメだったんですね。リョウのヘルメット割れに特に指定がないので、羽原氏が魂を込めて仕事をしたのが窺えます。そういえば台本に「(メモリーの)メガネが取れ、」という記述がありましたが、作監の本橋氏がアニメージュで「メモリーの眼鏡は冷たい印象があって嫌だったので最終話で取った(意訳)」とコメントしており、根岸監督が大畑氏だけでなく本橋氏の要望も取り入れた上で、脚本の執筆を進めたのかなと思ったりします。しみじみ、根岸監督が信用できるスタッフだけで作り上げた最終回だったんですね。

いや本当に、こうやって最終回を吟味すると終盤は根岸体制になって良かったと思います。当時の園田氏のアニス関連のはしゃぎ方を見てると、園田氏がこの最終回以上の最終回を作れたとは微塵も思えないので。構成的にターニングポイントだったはずの18話以降も、ここからどうまとめに入る気でいたんだろう…と思う位に散漫だったしなあ。19話や22話とか、単品だといいハナシが増えてきてたんですけどね。
もっと早くに構成に芯が入っていたら、25-26話は締まったものになってたはずだし。2話分やる意味が感じられないぐらい緩い内容だったのは本当に痛恨。なんだろう。昭和カラーTVアニメ版の009で、序盤の主軸だったのに途中から保留されて各キャラの単発エピ「戦士の休息編」でお茶を濁し続けた「宇宙樹編」が、ネオ・ブラックゴースト三兄弟とガンダール登場でそろそろ話が動くのか? と思わせといてやっぱり動きませんでした! だった肩透かしに似ていると云えば、分かるひとには分かってもらえるかしら。あれも確か高橋御大が宇宙樹編を持て余したのが原因なんですよね。その反省を活かしたのがボトムズという考察をどっかで聞いた。

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さりげないツッコミですが、乱堂はスタッフから愛されてたのかしらヽ(´ー`)ノアドリブが入っていたりと、桜井氏もノリノリでしたし。

リョウ誕をやる余裕がなかったので、予告通りの台本紹介でした。奥で原画集を落札し損ねたショックを引きずっててすまない…うすいほんを新型ipadと思い込める愛と勇気と財力がわたしにはありませんでした…いやマジで予約できるぐらいの金額に跳ね上がったので…。
しかしそのお陰でネタが拾えたので、次回は(できるだけ間を置かずに)小ネタを更新予定。

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おまけ。
最終話で鷹森さんのお名前の誤植はいただけませんが、台本あるあるだったんでしょうか。
posted by はらよしかず at 19:00| ボーグマン

2021年07月16日

【いまだに充電中】13話裏話発見&玩具レビュー動画紹介【小ネタ】

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今回はリンクのみで画像がないのでアニスカレンダー7月イラスト(たぶん再々掲)。
羽原氏のアニスは良いものです。


御無沙汰しております。飽きた訳ではないんです(仕込みはのっそり続けてますし)。しかし300記事越えた直後から燃え尽きた感が出てしまったのと、DMMブックスのセールがきっかけで、電子書籍で懐かしマンガを読む喜びに目覚めてしまったので、あんまりPC起動させてなかったりします。トシ食った分だけ発見も多くて実に楽しいので、SNSで何かやりたいと思っている所存。ちなみにここのさくらブログは新規受付を停止しているという寂しみ。サービス終了はまだないそうですが。

35話のアフレコ台本を入手したのでそっちをやろうと準備を進めていたんですが、「電脳冒険記ウェブダイバー」の20周年&ブルーレイBOX化キャンペーンの一貫で行われた座談会記事にて、根岸監督と松尾慎氏がボーグマン13話を語られていたので急遽紹介させていただきます。ウェブダイバーは主人公のお父さん役の大倉さんの声が目当てで(闘神伝のエイジの声が好きだったモンで)ちょっとだけ見てたんですが、ジャン君が好みだったのと主人公の弟が悪堕ちしたことぐらいしか覚えてません。期間限定でも配信してくれれば見る。

『電脳冒険記ウェブダイバー』20thアニバーサリー 豪華ドラマCD出演キャストの寄せ書き直筆サイン色紙が当たるツイッターキャンペーン実施中!
※上記記事より該当部分を引用させていただきます。

──80年代終盤でのネギシさんの監督作で松尾さんの作画というと、88年の『超音戦士ボーグマン』13話「血戦!リョウ最期の日」がすごくインパクトがありました。

ネギシ あれは最初から松尾君が1本全部自分で作監(作画監督)をやりたいという話を聞いていて。各話脚本だった會川昇氏(13話の脚本担当)も「自分のポリシーを出せる回をやりたい」と、すごく意気込んでて、ちょっと尖った感じの話をやってみたいということだったんですよ。そんなことを少し松尾君に話したら、「そういう話数だったらやってみたい」って言ってくれて。

松尾 その話を補足すると、それまで僕はメカ作監の仕事ばかりだったんですよ。それでキャラクターの作監もやってみたいと思っていて、当時の葦プロのデスクの下地志直さんに相談したんです。そうしたら『ボーグマン』を紹介してくれて。それで僕はTVシリーズをやりたい気持ちが強かったから、本当はそのままローテーション作監として入りたかったんですよ。そうしたら、佐野さんに今度は『ヴイナス戦記』(89年)に引っ張られて(笑)。

ネギシ こちらも13話の後も、シリーズ構成上の重要回は全部松尾君に作監で入ってもらおうと予定してたんですけどね。でも『ヴイナス戦記』の作業が一番忙しい時に13話を作監だけじゃなくて、原画も一番たくさんやってくれたんです。

松尾 僕としては、そこがアニメーター人生の分岐点だったと思ってるんですよ。TVをローテでやらずに劇場作品をやったことで、真面目な演出さんの元で真面目に作画する方向になった気がして。
ネギシ でも確かに、あの頃TVの仕事をずっとやってたら、松尾君は「TVアニメの人」になってただろうなぁ。


初耳情報が多くてテンション上がりました。こういう話が聞きたかったんですよわたしは! もう菊池氏関連はおなかいっぱいなんですよだいたい同じ情報だし!(こら)
しみじみ、13話は会川氏&松尾氏の意気込みと、スポンサーから批判を受けたスタッフの反骨心が生み出したエピソードだったんですね…。松尾氏にとっても13話は思い入れのある仕事だったことが分かって嬉しいです。
松尾氏は13話以降もローテ作監になるはずが「ヴィナス戦記」に拘束されてなかったことになった話は「80年代アニメ秘話」でも語られておりました。重要なエピを任せる予定だったということは、少なくとも18話と34話は松尾氏が手掛けていた可能性は高かったですね。18話は空気な印象ですが、あれ本当は構成上かなり重要な話なんですよ。園田氏と根岸氏の溝が埋まらなかったせいで毒にも薬にもならない内容になったと思ってますが、詳しい考察は18話感想をやる時にでも。
ところで、作監のスケジュールがそんだけ流動的(只野和子さんも本当なら何話か手掛ける予定だったそうで)だったのに、菊池氏のゼオライマーの進行止まってるから作監やらせてなおねだりを、根岸監督が「班体制が決まったから無理」と断り続けたということは、つまりそういうことなんでしょうなあ。根岸監督も間接的にゼオライマーに振り回された訳で、信頼関係を築けなかったのは仕方ない。

記事全部に目を通すと、根岸監督は玩具と絡めて設定やSF考証をみっちり詰めるタイプなようで、その辺良くも悪くもイージーな園田氏と合う訳なかったんですな。なんというか、根岸監督が明確にしたい設定を、園田氏は不要として放置したんじゃないかと思えます。たぶん(ライジンオー以前の)園田氏的には、玩具は自分の作品の良さを縛る枷で、できればシカト決め込みたい制約だったんじゃないかと。逆もまた然りで、園田氏がこだわった要素を「玩具アニメ」にこだわる根岸監督が採用しなかった。この平行線がボーグマンを粗い作品にしてしまった大きな要因だともう何度も云ってますが、園田氏がいたからこその魅力もボーグマンにはあるので痛し痒し。
また機会があれば触れますが、園田氏のツイッターを遡った時に、ちょっとしたカミングアウトをされていたTLを見かけて、それであの気質に関して腑に落ちたところはあります。あーだから剣狼3でやらかしたんだなーと。

あとボーグマンの玩具関連のコメントもありました。

──作品の話になりますが、『ウェブダイバー』の話がネギシさんのところに来た段階では、どの程度設定などは決まっていたんですか?

ネギシ 設定も何も……まずタカラさん(現タカラトミー)からイオン(のちのウィーヴ[現フリュー])さん経由で玩具の遊び方についての企画書が来たんです。「TVに繋いで連動する『プラグイット』という機能を使った商品を出したい」ということだったんですよ。ただ『ボーグマン』もそうでしたけど、僕としてはTVと玩具の連動ってなかなか難しいという印象があって。『ボーグマン』では玩具と連動させるために、放送コードギリギリの高い音を本編中に効果音として流しましたからね。だからプラグイット機能でTVゲームと連動するって、すごいむちゃぶりだな!というのが、最初はありました(笑)。でも発想はすごく面白かったです。コントローラーが変形ロボの玩具そのもので、そこはビックリもしました。


あのキュイーンはそういうことだったのか…!(目からウロコ)根岸監督は初の玩具アニメで無茶ぶりさせられてたんですね。実際は(レビュー動画を見た限りでは)あんな虫歯が疼きそうな音が出たからどうなのかというカンジでしたが(ひどい)。セガはその辺でもうひとひねりする気はなかったんでしょうか。

玩具の話題つながりでもういっこ。



バトルフィギュアのレビュー動画。非常に丁寧で愛のある解説が素晴らしかったです。玩具弄りに慣れた方の撮影で見る分にはカッコよく見えますねえ物欲動かないけど(ボソリ)。
しかし、以前紹介させていただいた動画もそうでしたが、「ポロリ」という単語が多すぎませんかねえ…ヽ(´ー`)ノこういう動画を見る度に、わたしは手に入れてもムキー! となるだけでこんな楽しみ方は絶対できないと確信する次第です。ありがとう玩具ユーチューバー。
アニスがちゃんと女性の体型とありましたが、リョウよりバストがちょっと大きいだけに見えなくもない。バルテクター装着という前提があるから仕方ないとはいえ、随分…鍛え直したな…という言葉しか浮かばない。しかし確かにリョウとアニスのメタリックカラーはキレイですよね。ふと思ったんですけど、ジリオンの玩具と互換性はないのかしら。リョウをトライチャージャーに乗せられるとか。
ソニックウェポンとフィギュアの凸凹が合わない云々とありましたが、原因は経年劣化なのか個体差なのか。それともセガの玩具のノウハウが甘かったのか。星矢の聖衣との比較が少し出てましたが、やっぱりアッチの方が遊びやすさは段違いだったんですかねえ。セガよりノウハウはあったはずのタカラのるーぱーは、何で技術面で聖衣に及ばなかったのかしら。ボーグマンもるーぱーも、星矢のヒットがあって生まれた後発作品なのにねえ。

しかし衝撃だったのは、おまけのふるプニアニス簡易レビューで「箱の下に組み立て説明があった」ことです。そんなん全然気づかなかったわ!(白目)箱の底まで誰が見るんじゃ! えっみんな見てて当たり前!?

またちょっと間が空くかもですが、次回はアフレコ台本の予定です。
posted by はらよしかず at 18:00| ボーグマン

2021年04月13日

【祝】ボーグマンぬりえ1&2【33周年】

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間が空いた上に、アニス誕やラバレ感想を放置で33周年記念記事です。アニス誕アフターの方はちびちび書き進めてますが、アニスの在り方そのものの考察が絡んできて、かなり長くなりそうなのでしばらく忘れていただきたい。あといい加減セーブしつつ書かないと、(エゴサでもされてた日には)園田氏に訴えられそうでヽ(;´ー`)ノ
ラバレも当面放置させて下さい。すいません。鉄を熱いうちに打たないからタイピングが進まなくなるのよよしかずちゃん。

と云う訳で、今年は先日ヤフオクで激闘()の末入手したボーグマンぬりえ2冊目と、紹介しそびれていた1冊目のメイン部分を紹介させていただきます。2冊目の存在はまんだらけの通販(既に売り切れてました)で知って、あちこち張り込みを続けて3年は待ったと思います。いいトシのBBAがぬりえに出す金額じゃないよねというぐらい競りましたが後悔はない(血涙)。

先ず1冊目のショートストーリーから。

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アバンガ塗りたいキッズはいたのか、そもそも何でアバンガだったのか。ハイテンションな乱堂とトオルにじわる。それはともかくこのおはなし、実はボーグマン本編でいちばんあるあるだった戦闘パターンを忠実に再現しています。作画のぬるさまで再現せんでええのに。

妖魔がでたぞー!→
ボーグゲットオン!(歌い始める山寺宏一)→
アニス変身で男性視聴者は瞬間、心重ねて→
ちょっと不利になる妖魔→
妖魔神官「じゃあ増援呼んでトリプルモンスターにするね」→
なんだかんだで優勢に→
バトルゲットオン! もしくはスーパーサンダーアターック!→
キュイーンドカーン! カッコいいだろ親に玩具ねだれよキッズ共!→
シンジ大丈夫だったか? うん!(今週も生き延びたかこの餓鬼ィ)


特撮のフォーマットを意識してたんならパターン化は別にありなんですが、なんせ戦闘での駆け引きが描けてなかったし、玩具縛りのせい? でメリハリもなかったのが大きな敗因でしたよね。その辺は変化球担当だった会川氏はともかく、岸間&園田氏は上手くなかったですなあ。そこはボーグマンに負けず劣らず大味だったクロ逆を引きずったんでしょう。アッチはロム兄さんによる外連味が強かったからまだ良かったですけど。

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ぬりえ2冊目の裏表紙。1冊目にはいなかったファントムスワットが登場しています。美姫がちょっとえっちくさい。

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2冊目はバンクシーンや版権イラストのトレースがメインで、1冊目のフリーダムさがなくなっているのが非常に残念です。きゃらでざいなーのきくちみちたかせんせいのかっこいいえがぬりたい! というキッズの要望に応えたと思えば、そっちの方がアリですが。

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「いくぞ!」「うてー!」で駄目だった。どの話の原画からトレースしたのかは調べないと分かりませんが、なかなか線が綺麗で塗りがいがありそうです。バケツ塗りだけでそこそこいけそうな(そこはアナログで頑張ろうよ)。

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1冊目もですが、ぬりえの編集者はトオルの名前をリョウと勘違いしていた模様。主人公と同じ名前になることに疑問は抱かなかったんでしょうか。
バーガー署長とかぶっちゃけ誰得なのかと思いましたが、1冊目にフリッツ博士がいたので、オッサンキャラにもキッズの需要はあったということでしょうか。横のモブ警官ちょっとカッコいいですね。

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これはおおきなおともだちが認知しているファントムスワット。

そして

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これが現実です。目を逸らしてはなりません。
これが げ ん じ つ で す 。
子供にウソをついてない分、さすがは幼児向けですね(えぇ…)。
名前だけでも継承している可能性はあるんでしょうか。どっちかティナでどっちがトレントでしょう(鬼か)。
しかし改めてぬーたいぷの記事を読むと、チャックと美姫がいい仲になることまでバラしてるんですよね。菊池氏が後で葦プロに滅茶苦茶怒られたのは周知の事実ですけど、元凶としか思えないぬーたいぷの編集者はお咎めなかったんかしら。

最後にシルエットクイズ。

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全問正解者には何もありませんが、間違えた愚か者にはこれを執行します。

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チェンソーマン第二部とアニメ楽しみですね(関係ない)。
posted by はらよしかず at 18:00| ボーグマン

2021年02月09日

【アニス誕】TVシリーズ感想スペシャル版・28話【本番】

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という訳で、前回は資料が中心でしたが、今回は本題となる28話感想です。
以前の考察と異なり、剣狼伝説等、園田氏の代表作に触れた上で視聴するとさもありなん、という感想。園田氏はクロ逆トークショーで、演出に脚本を変えられることがままあったと語られており、それはボーグマンでもあったと根岸監督がインタビューで告白されていました。たぶん園田回は特に演出サイドの介入があったんでしょう。

しかし28話は園田氏の手癖と情念が終始見え隠れしていることから、28話に関しては絵コンテでの変更はほとんどされてないと思われます。むしろ演出ぐるみで、園田氏が脚本に込めた主張が、池田氏の美麗な作画も相まって丁寧に描かれております。
神回レベルのクオリティで主張されたものは「アニスの挫折と成長」「アニスの過去」そして「リョウとの恋愛フラグの撤去」。園田氏の中で独り立ちしたアニス・ファームというヒロインを、どれだけ氏が愛おしく思い、「園田英樹ブランドのヒロイン」として成立させようとしていたかがストレートに伝わるエピソードです。それ故にアニス以外のキャラの影が薄く(特にリョウ)、本編の流れから微妙に浮いた内容となっていたりします。現在でも(アニスメイン回として)19話ほどに話題にならないのも、園田氏の思い入れが前面に出過ぎているからじゃないでしょうか。

・重苦しい空気が漂う27話のラストから一変し、治療中のアニスから始まる冒頭。アニス以上に致命的なダメージを受けていたはずのリョウとチャックがあっさり快復していて拍子抜けます。
・確かに27話を引きずるのは重すぎますが、空気感が日常パートのそれすぎて、会川氏が27話でこだわった要素のほとんどが一掃されているんですよ。それが28話に付き纏う違和感で、それは終始変わらないのでした。
・心配させるの分かっていて、何で子供たちをアニスの治療の場に立ち合わせているのかメモリー。
・いや分かりますよ。それが後にエピソードの要となる、モーリーとアニスの交流のための布石であることは。その「描きたい構図」「主張したいテーマ」に、キャラを強引に落とし込むのが園田脚本の特徴で、そこがハナについて仕方ないんですよ。
・「アニスはまだ悪そうだな…」のリョウの空気の読めなさが凄い。27話でアニスのために命がけでソニックブースターを発動させたリョウと同一人物とは思えない。アニスに向ける視線がどこか空々しくて、これまた終始変わらないところに園田氏の「この2人はくっつきません僕が認めません絶対にノウ!」という意志の漲りが感じられます。
・剣狼シリーズを見た後だと、それぐらいのことはやるだろうと納得できてしまうのが悲しいトコロ。ホビージャパンだったか、レイナ絡みのコラムで「自分は計算するタイプ」と語っておられましたが、情念が先走るタイプじゃないのかしら。剣狼が計算で成立した物語とは微塵も思えないンですけど。
・アニスが快復していないことを察して、自分たちの無力を痛感する子供たちの描写は悪くないんですけどねえ。シンジモーリー乱堂トオルの、それぞれの思いの吐露がらしくて良い。
・シンジいわく「ボクたちは妖魔をやっつけることができる訳じゃないんだ」はいここBパートまでちゃんと覚えておきましょうねー(イラッ)。
バルテクターの形状から逆算してダストジードの顔を割り出すメモリーの分析能力しゅごい…。いやいやとっくに顔はご存知ですよね…? レミニスの画像が入ったメモリーのペンダントの中のディスク、あの当時ではシャレた近未来の小道具だったんでしょうなあ。今ならSDカードですかね。
・まともに歩くこともままならず、海辺で転んでしまうアニスに駆け寄ろうともしないリョウとチャックの不自然さよ。ここ、「アニスを救うのはモーリーの役目だからお前らは何もするな。特にリョウお前はボンクラでいろ」という神の指令で「何もさせてもらえない」状態になってるんですよ。岸間&会川氏だったらまずやらせなかったことを押し通してる訳で、ホントそういうとこなんですよね…。
・というか、超者まで見てやっと気付いたんですが、園田氏は「悩んで心を閉ざして周囲の気遣いも疎ましがる」というテンプレが鉄板だったんですね。キャラの魅力や面白さに繋がってるかと云うと全然ですが。むしろ超者はそこが特大のマイナスになってますし。
・転んだアニスの前に現れたモーリーは、アニスを抱き起しながらあたしたちだって戦える、ボーグマンの手助けがしたい、と健気にアニスを励ましますが、アニスには当然モーリーでは無理なことは分かっている。その「あなたには無理」が昔メモリーに云われた情景と重なり、思わずモーリーを突き放します。
・すぐに謝罪しますが、ショックを受けたモーリーは駆け出してしまい、落ち込んで崩れ落ちるアニス。ここから回想に入りますが、男2人が目の前で起きたこの出来事に何の対処もしなかった(させなかった)というのがムカつく。お節介だろうが何だろうが、とりあえず何かしらアクションを起こすタイプだと思うんですけどね2人とも。少なくとも「オレにはアニスを見ていることしかできない」と傍観を決め込むのはリョウらしくない。
・アニスはスペースブロックの見学に訪れて妖魔に襲われたとありますが、園田氏はここに「歌手になるためにオーディションを受けに来日していた」という、リョウとチャックが宇宙に行くという夢を持っていたように、アニスにも歌手という夢があったという設定にこだわっていました。これが省略されていたのが今となっては意外です。園田氏が構想していたはずの「アニスアフター」を描く上で重要な設定だったはずなので。

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OUTの記事より。
アニスの過去設定は二転三転した形跡が窺え、園田氏が相当に手を加えたのか、
Pや他スタッフと検討を重ねた結果なのかは不明。


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アニメージュのあらすじ紹介文より。
歌手志望だけでなく、アニスにはボーグマンシステムだけでなく、
事故で亡くなった子供たちの臓器が移植されているというプロットもあり、「子供たちに生かされている」
としたかった様子もあります。没になったのはエグいからでしょう。


・「妖魔に殺された子供たちの無念を晴らす為、そして今は生徒たちを守るためにボーグマンとして戦う」と「歌手になる夢を追っていた」の両方は尺の都合で詰め込めず、泣く泣く後者を諦めて前者に絞ったんでしょうか。ここまで考えて思ったんですが、園田氏はこの28話を会川氏の13話と対にする意図もあったのかもなあ。
・云うのは野暮ですけど、アニスだけがスペースブロックの惨劇の被害者として、メモリーに手術されてるのが引っかかります。他にも被害者は相当いたんじゃないの…? 
・コールドスリープ状態にあったボーグマンたちは既に無理だったんでしょうけど、あの時のメモリーがその場に居合わせただけの見学者の治療ってちょっと無理があるような。というかリョウとチャックは何してたんだろうか。
・こういったことの背景が見えてこない点とか、如何に「描きたい要素」で繋いでいったかが窺えます。関係あるようでないンですが、サイレント某もそういう作品でしたよね。似た者同士だったのかも知れない。
メガロビル上空にギルトライアングルが出現することを察知したメモリーの連絡で、リョウとチャックは出撃。その際にアニスに今回は俺たちに任せておけーと呼びかけますが、アニスは返事もせずに俯いたまま。「あたしには無理なんだ…」と完全に落ち込んでます。
・俯瞰から見ると、落ち込むヒロインを放置し続ける仲間たちという薄情な構図で、「アニスなら自分で立ち直ると思う」という台詞をリョウに云わせているのがまた云い訳がましい。
「アニスを立ち直らせるのは生徒(モーリー)」という大前提と、リョウに接近させるとリアルタイムで撤去中のフラグがまた立つから駄目、という園田氏の思惑が丸出しなんですよ。
・ボロクソ云ってますが、サイボーグ手術によって死の淵から生還し、退院の日を迎えたアニスとメモリーの会話は本編屈指の名場面と断言します。「厳しいリハビリによく耐えたわね」が泣ける。手術が成功した後も苦しんで、それを乗り越える強さをアニスは持っていたのかと。
普通の少女の顔から戦士として生きる決意をメモリーに見せる瞬間は、演出と鷹森さんの演技の相乗効果で特に印象に残ります。アニスに関しては演出にも気合いが感じられて素晴らしいのですが、一方で露骨にリョウとアニスの間に距離を作っていたのだけはいただけない。園田氏の意向を全面的に汲んだんでしょうかね。

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「絶対に助けますからね」のメモリーの声に
応えるように指が僅かに動くところが好き


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この辺りのカットは
勝生&鷹森両氏の演技を含め
すべて最高としか云いようがない


・時系列がよう分からんのですが、この時既にリョウとチャックは戦闘用サイボーグの手術を受けていたんでしょうか。彼らを戦いに巻き込むことを望んでなかったメモリーが、一般人のアニスの「あたし戦いたいんです!」という決意をあっさり受け入れたのがちっと釈然としなかったり。すったもんださせる訳にもいかないからそうしたんでしょうけど。
・だからまあ、本当に「そういうとこ」なんですよ。他スタッフ、特に会川氏が組み上げてきたものを反故にしてでも、「俺ヒロインのアニス」を押し通してるんですよね。
・ものすごく好意的に解釈するなら、メモリーはリョウとチャック、そして自分のサポートにするなら大丈夫だと思ってたのかも。ジリオンで云えばエイミみたいな。
・リョウたちが向かうメガロビル付近に、何でかシンジとトオルがうろうろしています。妖魔の居場所を探さなくちゃ! とシンジが基地からガメた探知機で妖魔を探していました。何でお前さんは人様から物を盗むんだ許せぬ今から奉行所に行く(半天狗回想自重)。
トオルは終始咎めてましたが、シンジは「ボクたちができることは消えた妖魔を見つけることぐらいだろう!?(キリッ)」と危険へ危険へと突き進んだ模様。27話と立場が大逆転していて、ここも28話が浮いている原因のひとつなんですよ。
・そうそう、皆さんAパートもですが、その27話を思い出して下さいシンジが何を云ったのか。「ボクたちが勝手なことしてどうするんだ!」
・ここでシンジをフルボッコにするのは簡単ですが、作劇上、ボーグマンの戦う姿を見届ける生徒たちという構図が欠かせなくなっていたので、シンジを使うしかなかったんでしょう。シンジはもう「生徒代表」化していて、乱堂を引っ張り出すと散漫になりそうだったし。それでも30話のブレ方はあんまりですよねえ…。
・こうなると、むしろ27話でシンジの成長を書こうとした会川氏の方が余計だったのかも知れないなどと。決して間違ってはいなかったんですが、終盤の構想にはそぐわなかったということかなあ。
ボーグマンがまだ生きていたことに驚くダストジードですが、アンタちゃんと死亡確認しなかったから…27話のラストで浮かれて哄笑しちゃってやあねえ恥ずかしい。
・ギルトライアングルを降下させるべく、ダストジードの放った妖魔に強襲されるメガロビル。ねえここメガロシティの中枢の割に、何でセキュリティこんなに甘いの…?  小学生も入り込んでますよ…? シティポリスも世界警察ももっとガード強化してなきゃダメじゃん…19話から全然改善されてないじゃん…。
・メガロビルに到着したリョウはシンジとトオルに遭遇し、「余計なことばかりしやがって!」と怒ります。実はリョウが子供たちにこんなキレた態度を取ったのはこれが最初で最後なんですよ。ぶっちゃけ、シンジの無謀は園田氏的にも本意ではなく、リョウを使って視聴者の気持ちを代弁させたと取るのは穿ちすぎでしょうか。
・砂浜でずっと蹲っていたアニスの前に、再び現れたモーリーが手渡したのは、自分の花壇で育った花。
・突き放されても尚、アニス先生に寄り添おうとするその健気な姿に、やっとアニスは立ち直るきっかけを掴みます。これ自体はいい場面なんですが、ここを描くためにいろんなものを台無しにしてるので、素直に見ることができない。
・チャックのバギーで出撃しようとするアニスを「今の貴女の体では無理よ」と止めるメモリー。アニスにとって地雷だったこの言葉を彼女は乗り越え、バルテクターを装着しメガロビルに向かいます。
アニスに無理をさせたくないという配慮からメモリーは静観していたようですが、根岸監督の解釈は違ったようです。これは後で触れます。
27話の妖魔ズほどには強いとも思えない(ダストジードもボーグマン対策は考えてなかったようだし)妖魔機人(?)ガナッシュにめっちゃ苦戦するリョウとチャック。シンジたちはサンダーが保護して離れたので、足でまといはいない状況なのに冴えないなあ。まあ理由はミエミエなんですが。
・2人の大ピンチを救ったのは颯爽と駆け付けたアニス。立ち直った彼女を前に「それでこそアニスだぜ!(ヒュー)」。さんざん放置しておいて何云ってんの。
妖魔工場DE合体した妖魔とガンウォーリアで応戦するアニス。苦戦しますが、心に浮かぶモーリーの笑顔、生徒たちの笑顔を支えに妖魔に反撃。その間ドン臭い行動しかしない男2人。アニスが迎え撃つ前にさっさとソニックウェポンぐらい出しておかんかい。
・子供たちを守る為にも妖魔なんかに負けられない。自分の弱さにも打ち勝ってみせる。それを描きたかったのはすごく伝わります。だけど、その後「アニスにおまかせ!」等で出された裏設定を台詞に反映できてない。アニまかによると、アニスの戦う動機は最初「メモリーへの恩返し」だったとか、事故に巻き込まれた見学者の子供たちも台詞だけで1カットも出てきてないので、一連の裏設定は掘り下げどころか、逆にノイズになった気がして仕方ない。

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アニスにおまかせ! より。実際に放映された28話の
内容との齟齬がいちいち気になる。

・なもんで、アニスは退院したらメガロシティでのことは忘れて、歌手になる夢を再び追うこともできた。だけどリョウとチャックと同様、夢を封印して戦士になることを選んだ。おそらく園田氏が必要不可欠としたこの設定を、28話で全部カットしたのは大正解でしたね。これも盛っていたらアニスがどういうヒロインなのか、園田氏にしか分からないことになっていたと思うので。
・妖魔を撃退したものの、その隙にギルトライアングルはメガロビルに降下。ビル内に留まったシンジとトオルの運命や如何に!? というところで28話終了。とりあえずシンジはトオルとそのご両親に土下座しろ話はそれからだ。
・ダストジードと妖魔の犠牲になったメガロビル職員のことも時々思い出してやって下さい。脱出成功した職員の方が多いと信じたい。
・この通り、最初から最後まで「すべては(アニスという)ヒロインを輝かせるため」というエピソードだった訳ですが、その為にリョウとチャックは弱体化してメモリーはアニスを放置。傷つけられてもアニスの手助けがしたいと動いたのがモーリーだけ(乱堂は何してたの)。
・こういう「ヒロイン我が愛」を悪い意味でアップグレードさせて生まれたのが「剣狼伝説3」だったんじゃないかと思います。タイミング的にも、剣狼3の制作も進行していたと思われますし。また改めて書きますが、剣狼3がああいう内容になったのは、園田氏が28話以降の構想に関われなくなったことも遠因してるんじゃないかと思ってます。

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ラストバトルのアニスの回想より。このテキストを打っている最中に気付いたんですが、「メモリーならあんな風にアニスを放っておいたりしない」という根岸監督の「反論」だったのかなと。
タグ:感想
posted by はらよしかず at 20:33| ボーグマン