2019年08月02日

脚本についてすこし考えてみた。

気が付けば2週間ちょい放置した格好となりましたが、猛暑と腰痛の逆襲を喰らっているわたくし、今月は夏休みとして体調を整え充電して、涼しくなったらいろいろやればいいんじゃないかと本気で考えてます。とりあえず今月あと1回は更新したい。

ついったでだらだら呟いていたら、ボーグマンの粗さの原因は脚本の繋ぎの悪さにもあるんじゃないかと思い出しちょっと調べて考察してみた次第。もうねえ、毎度園田氏のことを悪し様に云いたくないんですよ本当。だけどやっぱりまおかになっちゃうんですよねえ。単発回だと特に気にならないんですが、続きものになると繋ぎが悪い。28話以降からは岸間氏がメインライターになったせいで、流れがスムーズになっていきますけど。

これから採り上げる(既に紹介済みの話以外の)各話に関しては、またそのうち感想文でじっくり語る予定です。

【4話→】

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脚本は会川氏。以前アップしたLD-BOXの会川氏インタビューによると、会川氏はやや合流が遅れ、読売広告社と日本テレビのPに見せてもらった資料を参考に脚本を練ったとあります。まだキャラも掴めてない手探り状態で4話のシナリオを仕上げられたことは内容からも窺えます。
強敵ダストジード登場、ロードサンダーの大破、フリッツ博士の死と、ボーグマンチームに大きな爪痕を残した非常に「重い」回となりました。

【5話】

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脚本は園田氏。4話で与えられた試練をどう乗り越えるかがキモだった訳ですが、5話冒頭でメモリーがフリッツを思い涙を流した後は、あなたの残したデータで妖魔と戦うわ! とすぱっと立ち直ったのでありました。

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一方のリョウは、まったく歯が立たなかったダストジードのことよりサンダーの修理に追われ、サンダーを直せない苛立ちに囚われている最中。そしてこのエピのメインは子供たちと遠足に出かけたチャックとアニスが、ダストジードの放った妖魔の追撃を躱しつつ子供たちと交流を深める。その部分に比重が置かれていた訳です。
決して悪いエピではないんですが、ダストジードの存在によるメモリーとリョウそれぞれの葛藤はオミットされ、フリッツ博士も即空気扱いになるなど、この時点から会川氏と園田氏のかみ合わなさが出ていたように思います。

【13話→】

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みんな大好き13話で脚本は云うまでもなく会川氏。会川氏的には改心の出来だった半面、リョウの右手斬り落としで、スタッフ内で相当揉めたことも窺えるエピなのは有名。会川氏は日本テレビの堀越氏に相当庇ってもらったと、LD-BOXのインタビューで語られております。
スペースブロック爆破でダストジードにその場を去られ、取り残されたリョウをチャックとアニスが助けに現れるところで終わり、リョウの失った右手はどうなるのか、ダストジードとの決着を付けられなかった挫折感がその後どう描かれるのか。シナリオ・演出共にそれを匂わせた上での次回へ続くでした。

【14話】

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脚本は園田氏。冒頭でリョウの右手はメモリーが作ってくっつけたよ! であっさり解決。リョウ自身もいつもの明るい態度で仲間たちと接しており、13話のあの張り詰めた態度はなんだったのかというぐらい、ノリが通常に戻っています。
それ自体は悪いことでもないんですが、このエピのリョウの苦悩は「右手を使いこなさないと子供たちを守れない」ことにあり、あれ? ダストジードはもうええんか? と疑問に思った視聴者はいたんじゃないでしょうか。そのダストジードも20話まで音沙汰がなくなってしまう訳で、会川氏が13話で打った楔を引っこ抜いて放置したかのような、良くも悪くも毒のないエピに仕上がってるのでした。
この辺は難しいところで、会川氏はダストジードを通じてもっとリョウを追い込みたかった節が窺えるのに対して、園田氏はリョウがダストジードにこだわることで、「先生と子供たちの交流」の軸から外れたものにしたくなかった、リョウは先ず子供たちに頼られる「響先生」であるべきという考えだったのでしょう。個人的には、園田氏がリョウに変に苦悩させなかったのは正解だと思いますが、それでも会川氏のこだわりを露骨に否定したとも思います。

【17話→】

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岸間脚本。感想文やったエピなので詳細は省きますが、終盤で美姫は「妖魔と戦うには組織の力が必要。妖魔と戦いたいならファントムスワットの傘下に入るべき」とはっきり告げています。この主張はリョウとアニスもその場で聞いてます。

【18話】

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園田脚本。美姫のボーグマンチームへの当たりのキツさは、17話冒頭と変わってません。それが表面上のものなら理解できるんですが、校長室に突然乗り込んできた美姫は前述の主張を繰り返します。いやそれもう云ったよね? メモリーに云いたかったと云えばそうなんでしょうけど、それを聞いたリョウが怒ったのがどうにも不自然。いや美姫がそういう考えなの知ってるでしょ?
チャックと美姫が2人だけで会話する場面で、美姫がチャックのことを「チャックさん」と呼んだりするなど、脚本をチェックする立場にありながら17話の脚本ちゃんと読み込んでなかったんかなと。
どうも園田氏はかゆいところを放置して、個人のこだわりを重視する傾向にあったように思います。輪をかけてその傾向の強かった会川氏と相性が悪かったのは当然だったのかも知れません。しみじみ、岸間氏が上手いこと中和してたんだなあ。

【27話→】

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27話→28話のつなぎの甘さはかなり前にも書いたのですが、傷ついたアニスを前に、リョウがアニスを「守るべき存在」のひとりであるとはっきり自覚し、命懸けで妖魔を退け倒れ、チャックも同様に力を振り絞り、美姫の腕の中で倒れるという締めの27話。会川氏がここでリョウとアニス、チャックと美姫の関係の進展を示唆し、ダストジードの哄笑がボーグマンチームの暗雲となっていることも描かれ、非常に重いエピソードに仕上がっていました。

【28話】

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で、もうさんざんこき下ろしてきたので今更ですけど、拍子抜けするぐらいに28話は通常回と変わらない空気でスタートし、あれだけ重篤な状態だったリョウとチャックはあっさり回復し、アニスだけが回復遅れてますよと云う冒頭。このエピソードで最も重視されたのは「(園田設定による)アニスの過去」、そしてリョウとアニスのフラグの撤去で、27話でアニスを守ろうと懸命になっていたリョウはアニスと距離を置き、彼女を遠巻きに見つめるだけ。落ち込むほどに回復が遅れ、クライマックスでも無理をして戦ったはずのアニスは30話でケロっとしていた訳で、これ根岸監督が園田氏に最終話の執筆を諦めさせる替わりに、28話を好きにさせたのではないかと思う位、園田氏の独善が目に付く内容なんですよね。よくここまで会川氏が盛り上げた描写を無視して自分の描きたいものを通したもんだなと。会川君余計なことしないでよ俺こんなの引き継がないよさあアニスたんをペロペロするお!(^ω^)という感じだったんだろうか。
演出と作画は神クラスだし過去を含めたアニスの描写自体は悪いものではありません(むしろ大好き)。ですが、本編の主導権は監督に譲ってもアニスだけは自分の手元に引き寄せよう、そのためにもリョウとアニスの恋愛の進展だけは阻止しておこう、という園田氏の思惑を感じてしまい、そういう意味で悪質な内容と思えてしまいます。

正直、剣狼伝説を知らなければここまで疑惑を抱くこともなかったんですが、自キャラ萌えしたらあんなエゲツないことも実行できる御仁だったと知った今となっては、とても良心的な目で見れない。28話の時点で「夏目想太郎のなりそこない」となっていたであろう響リョウにどんな運命を与える気でいたのか、下手な怪談より恐ろしいわいブルブル。

まあ29話で、会川氏もまるっと28話のあれやこれやを無視してましたけど、根岸監督が主導権握ったからできたんかな。29話で離脱したことも大きかったんでしょうけど。ボーグマン以降、会川氏と園田氏が一緒に仕事をする機会はなかったようなので、つまりそういうことだったんでしょう。

まあさすがに34話はちゃんと33話からつながった話になってましたけどね。なんと云うか、4話・13話・18話って話が明確に動く重要な回なのに、そこから広げたり掘り下げたりをせずに、園田氏が想定している範囲に要素を置き直して仕切り直すを繰り返したせいで、視聴者に散漫で浅い印象を与えてしまったんじゃないでしょうか。もうちょっと早い内に根岸監督が主導権握って園田氏を抑え込んでいたら、こういったまとまりの悪さを改善できてたかも知れませんけど、どうかな。

次回の更新で何をするかは未定ですが、いい加減園田氏の罵倒は控えたいです。当面は(ぉぃ)。
posted by はらよしかず at 21:20| Comment(3) | ボーグマン

2019年07月16日

ニュータイプ1988年11月号&その他。

だらだら活動してたら、ヤフオク等で張り込みをしていたブツを続けざまに入手する時期があったりするんですが、正にその時だったのであれやこれやを。
まずぬーたいぷ1988年11月号です。実はこの間のアニメディアと同様、既に入手して記事もチェックしていると思い込んでいた分です。アニメディアはヴィナス戦記が紛らわしかったのですが、ぬーたいぷは当時アニメージュで話題になりはじめていたガンダム0079のクリスが紛らわしかったのでした。

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菊池氏によるリョウとアニスのイラスト。リョウは画集のアレンジの方がずっと良いですね。キャプションの仰々しさがちょっと鬱陶しい反面(ダストジードは複眼かいと思ってしまふ)、リョウに限らずどのキャラもこういうネガな面はほとんど描かれなかったなあと。そこがボーグマンの魅力でもあったんですが、スタッフがちょっと敬遠しすぎた感はあります。脚本回の作風からして、会川氏はやりたかったんでしょうけど。
つか、割と初期の特集とか編集者はリョウ×モーリー推しだった疑惑。アニス人気のせいでりょあにに関しては慎重になってた可能性もありますけど。シリーズ構成者様のネガキャンもお盛んでしたしねえ。
なんというか、園田氏も(アニス欲しさに)そっちをゴリ押しした可能性がありますけど、安易にリョウにモーリー選ばせるなっちゅーハナシ。りょあに云々ではなく、リョウの教師としての矜持がかかるデリケートな部分だと思うんですよ。まあロム兄さんが実はずっとレイナに恋情を抱いてました! とかキャラの内面に上がり込んで土足で歩き散らかす後付けやっちゃう御仁だったので、根岸監督が動いてなかったら平気でやらかしてたかもにゃー。

アニスは画集で全部描き直しとなっており、このぬーたいぷでしか見れないイラストとなっております。控えめに申し上げてもこっちのが断然可愛い。何でヘアメイクしながら怒ってるのか謎のシチュですけど。菊池氏はたまに思いつきだけで描き上げて、そのまま中山久美子さんに渡したのではと思うようなイラストがありましたよね。当時の売れっ子ぶりを思うと致し方ないですが。
記事のテキスト部分は読まなくても問題ないのでカットしました。当時のぬーたいぷらしいと云えばその通りかも知れませんが、心の狭いワタクシ、どうしたらこんな軽薄な文章が書けたのかとイラっとしてしまう。担当者はダストジードが贔屓だったことは窺えるだけで、基本菊池氏とキャッキャウフフな打ち合わせして受け取ったイラストを見てニヨニヨするだけのお仕事で、作品には特に愛情もなかったんでしょうなあ。ファントムスワットでのやらかしについてはどう考えてたのかしら。ファントムスワットの設定が変更され本編に影響を及ぼしたことを考えると、ぬーたいぷも自粛してないとおかしい事案だったと思うんですが。
11月号の時点でOAV制作決定のアナウンスが成されてますが、「根岸監督の独自の世界」とあり、おそらくこの時点で園田氏の不参加(菊池氏も?)は決まってたんじゃないでしょうか。ラストバトルの情報もだいぶ集まってきたので、ぼちぼち整理して盛大ぼやきたい。30周年ですからヽ(´ー`)ノ

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2色刷りの情報ページより。ぬーたいぷは最終回関連の情報はかなり持ってた様子。アニメディアも最終回直前特集はやってましたが、たぶん他誌優先されてロクな情報が回ってこなかったんだろうなあ…と思うぐらいに中身のない内容だったので、いまだにここで採り上げてません。大畑氏のダストジードのスケッチ、34話で使われたアイディアだったっけ(ウロ)。
ボーグマンでいちばんいい仕事したのは大畑氏だと思うんですが、誰もそこに触れて再評価しないのは残念。菊池氏は確かにボーグマンで絶対的なビジュアルイメージを確立しましたけど、トータルの貢献度では疑問が残る部分もあるので…ここは上手く説明できないですスミマセン。

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ビデオリリースデータページより。今となっては貴重な高河ゆん御大のボーグマンカット。
この時点では菊池氏に源氏OAVのキャラデをオファーするとは作者本人も思ってなかったことでしょう。その源氏はキャスティングで菊池氏とがゆんが揉めたと小耳に挟んだんですが真相はどうなのか。菊池氏が主人公は佐々木氏以外でとかそんな特級の地雷を進言したとか?(適当)
ちなみにわたし、がゆんもCLAMPも女豹様も洗礼受けてません。あの頃はやおい大の苦手だったし…(遠い目)。

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DO-PE1991年夏の号。レモンピープルの増刊号で、ガチな18禁ネタありのOUTもしくはふぁんろーどと云ったら察していただけるでしょうか。ものすごくカオスなサブカルチャー雑誌です。2年ぐらい前でしょうか、フォロワーさんに教えてもらった記事目当てでずっとネットで張り込んでいたブツです。

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これなんですけどね、画像が思ってたより小さかったので解像度粗いです。以前ここでも紹介してましたっけ? なリョウとアニスのフルスクラッチ。海洋堂主催の(審査アリの)アマチュア模型展示会で出品されたものらしく、たぶんワンオフの完成品だと思います。もうめっちゃ実物見たくて辛いですけど!(ゴロンゴロン)リョウの私服完成品なんてこれっきりで、当時のワンフェスでも発表されなかったんじゃないかと思うので。

どうもこのDO-PEの編集中に、宮崎事件の影響でコミケットが幕張を追い出される騒動そして同人誌やマンガにおけるエロ表現の弾圧が起こったらしく、それに関するコラムにページを割いてます。ボーグマンとまったく関係のない長文になりそうなんで言及はしませんが、コミケは結局修正チェックの強化で凌いで晴海に戻って、その後有明に移ったんでしたっけ? 当時バブル期でイベント目白押しだった幕張からすれば、宮崎予備軍のキモオタ連中に会場使わせる義理はねえしということだったんでしょうけど、バブル崩壊後に使ってもいいのよ? しても既にコミケは有明で定着してしまい、これまた袖にした赤ブーに拾われるという顛末は正直ざまあみろでしたね。まあ二次裏で聞きかじったハナシですけど。
それはそうとなかなか面白い雑誌なので、可能ならバックナンバー集めてみたいですね。

ちょう余談ですが、「いまだから語れる80年代アニメ秘話〜スーパーロボットの時代〜」を寝る前に気が向いたらちびりちびり読んでるんですが、スーパーロボットなのにボーグマンの話題もチラホラあったりと、当時の葦プロアニメやAIC作品の裏事情が窺える実に興味深い1冊です。しみじみ、金田氏は偉大なアニメーターだったんですね…。
ボーグマンに関してはまた何かの話題と混ぜて採り上げることもあるかと思いますが、なんと云うか葦プロがそんなんだったのなら、そらボーグマンがああいう雑な仕上げの作品になったのもしょうがないとしか。それはさておき、菊池氏はゼオライマー関連で平野監督と対談しておられ、氏のゼオライマー描き下ろしイラストも収録されてるのですが世の中には知らなくていいこともあると心底思いました。「変化」を求める姿勢を否定する気はないし素晴らしいことだと思いますけど、それにしたってほどっちゅーモンがあると思います(しどい)。
posted by はらよしかず at 19:22| Comment(5) | ボーグマン

2019年07月05日

【会川氏】ぬーたいぷ1988年9月号【寄稿】

ボーグマンの版権イラストの中でもトップクラスの認知度を誇る、女性キャラのドスケベ水着が掲載されているぬーたいぷ1988年9月号ですが、ソレが有名すぎたせいか、同号に載っているのにあまり知られていなさそうな会川氏のコラムを紹介します。本当は他のネタをやるつもりでぬーたいぷの山を崩したのですが、それを読み返したら採り上げたくなったので。
13話は会川氏をはじめ関わったスタッフが多数コメントを残されており、それらを含めて語りたいと思っているせいで延々と後回しにしております。今回のコラムも、その際に出そうと思って手を付けなかったのですが、13話そのものではなく13話に至るまでのスタッフの“迷走”が窺える部分の考察ということで。

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ぶっちゃけ、ここ最近園田氏のやらかしばかりを採り上げていたせいで、会川氏のこの文章に癒しすら覚えました。如何に作品とまともに向き合って語るスタッフがいなかったのかというハナシですけど。(一番脚本を手掛けていたはずの)岸間氏が裏方に徹したのがもったいない。会川氏はもしかしたら、このままではボーグマンは駄作に終わってしまうという危機感があり、だから早く13話のような物語の核心に触れるエピをやりましょう、と主張しておられたのかと勘繰ってしまう内容ですよね。そういう危機感を抱かせる現場だったのかと。

会川氏は前半でリョウたちの過去もダストジードとメモリーの因縁もさほど重要ではない、と語られてますが、実際は16話等、キャラの肉付けに必要な要素としてこだわってるんですよね。主題に関わる要素ではないということでしょう。ただ、メモリーとメッシュの因縁は、「メモリーの視点」ありきで作品を構築していたはずの根岸監督的には重要だったんじゃないかしら。
実際会川氏は他のスタッフほどにはメモリーを重視しておらず、23話でやっとメモリーを掘り下げ始めた印象。16話なんて回想にしか出てこなかったぐらいし。先ずはボーグマン3人からという意図があったのかも知れませんが。

「自分たちの敷いた設定に目を奪われていた」は、正に1クール目の最大に駄目だった部分でしょう。とはいえ、岸間脚本回は尻上がりに良くなっていったと思うんですけどね。12話とか。暗に園田氏のことを云ってるんじゃないかと思えるんですが、たぶん間違ってないと思います。以降も園田氏は「自分が(独断で)敷いた設定」に固執していきますし。特にアニス関連。
LD-BOXのインタビューでも触れておられましたが、当時会川氏は若さも手伝って、相当に園田氏に反発したのかも知れず。根岸監督と園田氏が「ボーグマンの世界観のビジョン」をなかなか明確にしないことを歯がゆく思っておられたんでしょうか。いや勝手な想像ですけど。
というか、園田氏は逆に当初から各キャラクター(特にボーグマン3人)にこだわり、世界観の構築にはあまり目を向けなかった気がするんですが。だから妖魔の設定もゆるゆるガバガバになったんじゃないのん。設定は夏目想太郎前提の旧設定を域を出てないし風呂敷も広げたまま放置してるしでどうしていくつもりなんですかコレ、ということだったのかしらね。
しかしアレですな、会川氏のこの文章からすると、相当にシリーズ構成にも何かしら進言したのではと思えるんですが穿ちすぎかしら。早い時期から13話のプロット(リョウたちの過去とダストジードの掘り下げ))を押していたそうですし。話が動くここぞというエピは自分が手掛けたい、という思いがあったのでしょうか。
最後のカタストロフィ云々は27話のことなのか、それとも打ち切り決定前に構想していたプロットで、結局変更もしくはボツになってしまったのか。28話が園田氏のアニスへの下心ありきなエピでなければ、27話はもっと存在感のある話になったと思うんですけどね。ラストのあの絶望交じりの盛り上がりは何だったのかと思う位には、28話はいろいろ台無しにしちゃってるし。

会川氏が想定していた「これから」が、結局やっぱり消化不良となってしまったのが非常に残念に思える文章です。13話レベルの高クオリティの熱い話をシナリオ面でも作画・演出面でもできなかった(さすがに最終回は別格ですが)。ただ、会川氏が園田氏がその後もおろそかにし続けた要素を重視するシナリオを出していったことは、ボーグマンにとって救いになったと思います。岸間氏も23話とか、神が降りてきたのかと思う良エピソード出すことがありましたしねえ。会川氏もまた根岸監督と同様、園田氏と相性の悪いスタッフだったのかも知れません。
根岸監督の要請で参加したスタッフのみで制作されていたら…と考えなくもありませんが、そうなると今在るボーグマンがまったくの別物になってそうだったのが痛し痒し。そういう意味で、園田氏は本当に厄介な御仁です。

こっからちょっと追記っぽい雑談ですが、園田脚本のレベルが低いと云ってる訳ではないです。ただ、会川氏の13話、岸間氏の22話のような突出した脚本回がなく、可もなく不可もなくで終始しちゃった感。世間的に園田脚本の決定版は28話だと思うんですが、今までさんざん批判してきた部分から、個人的に良回と云うのは抵抗があります。池田作監と安東演出によるコーティングで良回に見えるだけで、脚本家様は「アニスをリョウとくっつけるなんてやだやだ! レイナみたいにアニスをぼっくんのプロデュースで売り出すんだい!」と主張しまくってみっともない、とつい思っちゃうので。

それとついったでちろっと呟いてる最中にふと考えたことなんですが、ボーグマンは本来4クールの予定が打ち切りで35話となった訳で、もし4クールあったとしたらどうなっていたのか。園田氏による後半の構想のアイディアが「エスパーサイボーグ」「リョウとチャックの対立」など突飛すぎるものが多かったこと、会川氏の途中離脱は避けられなかったとしたら、相当にグダグダな“駄作”になっていた可能性は高いんじゃないでしょうか。
しかし4クールあれば、マシンロボ等に取られていた葦プロの実力派スタッフがもっと参加できていたかも知れないし、メモリー&ダストジードの掘り下げ、リョウとアニスの関係の進展は可能だったんじゃないかとも思ったり。りょあにはいくら園田氏がゴネても、根岸監督がすっぱり舵を切ったらそっちに行ったはずですし。少なくとも岸間氏はやる気でいらっしゃったんだし。
ダストジードは打ち切りがなかったら「戦いの最中にレミニスの記憶を取り戻して苦悩する」という別の未来、別のキャラクターになった可能性が高いので、それはそれで見てみたかったです。悪の華のままで散った彼も良いんですけどね。
それもですけど、妖魔サイドの事情、メッシュの思惑はちゃんとやる予定だったんですかね。メモリーはもっと掘り下げが必要な「影の主人公」だったはずで、そのメモリーにとって「宿敵」メッシュはどういう存在で、メッシュはメモリーをどう思っていたのか。そこがもっと明確であれば、ボーグマンたちの「誰が為に戦う」が引き立ったと思うんですが、まあ「子供向けにそんな大人のドラマ要りません」と云われたらそうかも知れず。

それこれ考えると、やっぱり打ち切りの35話で収まったのは作品にとって良かったのかも知れません。話数あったところで、園田氏と根岸監督の「ボーグマン」に対する認識のズレのすり合わせはなされなかったと思いますし、菊池氏もいい加減本編に参加させろ最終回ぐらいやらせろと突き回してきたかも知れないですし。年老いたオタクになって再燃してあれこれ調べたから分かりましたけど、とても根岸監督が現場で制御できたとは思えない、いろいろアカン御仁でしたよね…(超小声)。
posted by はらよしかず at 18:00| Comment(3) | ボーグマン

2019年06月21日

【大きいことは】サウンドトラックLPレコード【いいことだ】

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ヤフオクでずっと張り込んでいるブツのひとつに「サントラのレコード盤」があったんですが、先日発見したので気合い入れて落札しました。ボーグマンの頃にはCDが台頭していたと思い込んでいたので、レコードはずっと盲点でした。もうちょっと早く気付いていればなあ。
しかし今回落札した三枚、保存状態が良かったのかかなりの美品でオビも付いており、さらに2と3にはポスターが封入されているという美味しいシロモノでございました。LPサイズのジャケイラが欲しかったので、レコードの状態に関しては何とも。母がレコードに思い入れがあるのでプレーヤーはあるんですが、接続に手間取っちゃうので聴く予定はないです。

という訳で紹介。

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サイズがサイズなので菊池氏の画集より画質が良く、細かい部分の描き込みまで鑑賞できます。画集のだとスキャンしたら粗くなっちゃうんですよね。部屋が狭いんで飾れないのが残念。

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ポスター。大畑氏の描き下ろしの方はネットでも時々見かけるイラストですが、B2サイズだと迫力があってすごくカッコいいです。
アニスは画集にも大きめで収録されてましたが、やはり大きいのはいい…。ポスターならではのレイアウトでしたし。

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1と2のライナーノーツ表紙。3のボーカル集はCDと同様、1色刷りで歌詞のみだったので省略。1のレイアウト、シンプルでカッコいいですね。

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サントラ2のライナーノーツカット。アニスは大きめにしときましたお納めくださいヽ(´ー`)ノ

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サントラについての原稿を依頼した(はず)なのにお出しされたものがコレだった、当時の東芝EMIの担当者の心中や如何にな園田氏のコラム2連発。まあ当時は30年後に嫌なオタクによって蒸し返され、こうやってイヤキチ書かれる未来など想像なさってなかったと思われるので致し方ないのかも知れません。それでも何故音楽について頑なに語らなかったのか。もしかしたらまともに聴いてなかったのか。控えめに申し上げても飛澤さんに土下座しろという心境。アースシェイカーのガチ勢から怒られなかったのか。失礼以前に大人としてどうなのかと。
と云うか、これってもしかしたらお小遣い貯めてサントラを手にした小中学生に向けてのメッセージを想定して書かれたんかしら。HAHAHA子供の理解力をナメるなっちゅーねん。こんだけ「屈んで子供に目線を合わせようとしない大人」が、よく小学生が主人公のライジンオーを成功させたなあ。悪運が強かったんですかね。
…ちょっと待て。剣狼も真実だと云ったかあ”あ”!?

それでも、これに比べたらまだまともに見えるのが恐ろしい。

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ものすごく失礼だと思うのですが、ノストラダムスを真に受けていたのか仕事のストレスマッハで心療内科の世話になっていたのか。この思想から生まれたのが剣狼1ならすべて納得いきますけど。この文章を読んだであろうボーイズアンドガールズは、そんないらん心配をヨソに今でもちゃんと人としてカタギもしくはオタライフをエンジョイしてるんじゃないでしょうかね。
好意的に捉えれば、宮崎事件で辛酸を味わい中のオタクへの応援と取れなくもないんですが、とりあえず何でこんなにひらがなめっちゃ多いですか? まだワープロ導入されてなくて手書きだったんですか? 辞書引くヒマなかったんですか? ボーグマンが好きならオレのことも許してくれよとか甘ったれたこと抜かしてくれてますけど、ファンの大多数が好きだったのは菊池氏のビジュアルであって、他のスタッフのことは別に愛してなかったと思いますよいやマジで。無謀じゃなくて手抜きっちゅーんじゃソレェ!(ガッシャーン)

後半のストーリー紹介はまあだいたいこの通りで、この時点で「根岸案」がほぼ通り、園田氏の後半構想のほとんどが没になっていたと思われます。作品が園田氏の手をほとんど離れちゃってる状況だったと思われるので、その辺でもストレス溜めてらっしゃったんですかね。一応リョウとアニスの関係の変化にも触れてますが、くっつける気などビタイチなくて、アニスには実は恋人がいました!(自分を指さしながら)とか「意外な結末」をねじ込むつもりでいたんじゃないでしょうか。アニスの確保だけは最後まで粘ったはずだし。

いやまったく最近の更新はこんなツッコミばかりで申し訳ない。安心安定の会川回特集でもやりたいところなんですが。
しかしこんなこともあろうかと、口直しにアニスの大きめ画像を集めておきました。やっぱり菊池アニスは最高だな!

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posted by はらよしかず at 19:45| Comment(3) | ボーグマン

2019年06月11日

【小休止の】小ネタなど。【合間】

とりあえずお絵描きのアップを目指していたんですが、疲労で居眠りを繰り返していたせいで笑っちゃうぐらい何も進まなかったのと、ちょっとやりたいなと思っていたネタも余裕が欲しいので見送り。なもんで、週末までまったりしようかと思っていたんですがついったでネタと遭遇したのでかるーく更新。あと先日手に入れたアレコレも紹介。
実は体調管理の都合で22:30分以降はスマホPC断ちしており、その分作業時間が減ったというのもあります。しかしこれで長年の悩みだった睡眠障害が改善されつつあるので止める訳にはいかんのであります! いい加減導眠剤とバイバイしたいんじゃ!(血涙)


この動画のちょうど1分辺りにスーパーサンダーの玩具CMが入っております。ついったで見たのは単品だったんですが、この動画の方が画質がちょびっとだけ良いので。
現在の世相のせいで、こんな暗い部屋でひとりでボーグマンを見ている男児の家庭環境が無駄に気になったりした訳ですが、スーパーサンダーは本当にTVのSEに反応する仕様だったんでしょうか。スーパーサンダーとソニックレシーバーはセットだったんですかね。ものがプレ値付いてて、ヤフオクでもなかなか見かけないもんで未確認なんですよ。ソニックレシーバーのパーツをスーパーサンダーに装着しても反応するのか。まあ光るだけのようで、山寺声で何かしゃべるとかもちっとどうにかならんかったんですかね。まだ技術的に無理ゲーだったかしら。
CMで見る限りではバトルフィギュアもオールコンプしてたら見栄えしたかもと思わされますが、おそらくそれは幻覚でしょう(画像略)。
セガの発想になかったのかアイディアにはあっても没になったのかは分かりませんが、バルテクターのなりきりセットでは駄目だったのかとふと思いました。仮面ライダーの変身ベルトの延長的な。リョウだけでもあったら面白かったんでは。メットとかコストかかっちゃいますかねえ。

そこまで考えて、もしかしたらボーグマンの玩具的な弱点は「なりきりごっこがしづらい」にあったのではないかと思った次第。ボーグゲットオン! した後、どう戦うかをお子チャマたちに想像させる様式美に欠けていたというか。ライダーならライダーキックがありますけど、ボーグマンはスーパーサンダーとかソニックウェポンとか、サポートメカで押し切っていたのでどうともできませんよね。せいぜい三輪車でいくぞサンダー! やるぐらいしか想像できない年老いた脳。
ちょうどるーぱーのwiki見たりしていたんですが、るーぱーも玩具は在庫過多になったりしたそうで、るーぱーの独特の様式美も子供にはなじみにくかったのかも知れないなと。るーぱー5人がジュンの目を通した「憧憬」だったことにも原因があるのかなと思ったり。いや今思いついただけですが。
ボーグマンもあんなちっこい(しかもパーツもげやすいと聞いた)バトルフィギュアでどうしろという感はあったんじゃないでしょうか。ジリオンシューティングからバリエーションを広げるんじゃ駄目だったんですかねえ。そっち方向ならなりきりも楽しかったような。

それとグッズ。
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ずっと手に入れそびれていた缶ペンケースです。当時1200円だった模様。先日ついったで画像上げましたが、もちっと大きいサイズで撮り直ししました。デザインいいですよね。中皿の絵とフォントの配置が特に好きです。底もカッコいい。しかしやや小ぶりなせいで、鉛筆が入れられないのでありました。大事に保管しろということですね。

少し前に入手したうすいほん。

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実は当時でもこういう「男性向けの全年齢本」は見たことがなかったので、今回入手できて本当に嬉しかったです。描きたいシチュだけ徹底的に描いて、それによって登場人物が死のうが世界が瓦礫まみれになろうが、オチは投げっぱなしにする男性向けならではのノリ、個人的には好きですよヽ(´ー`)ノ
内容もちゃんとボーグマンの世界観を踏まえた上でのパロディしてて、アニスクラブの(一部)執筆者はこの作者の爪の垢でも煎じて飲めという気分に(今頃すぎる)。

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奥付。さすがに住所にはモザイク入れさせていただきました。元々はレイナのサークルさんだったんですかね。
このアニス勢ぞろいなイラストに心から感動した次第。ラフ稿のアニスまでは、さすがに当時でも描いた方なかなかなかいらっしゃらなかったんじゃないでしょうか。素晴らしい。
posted by はらよしかず at 18:53| Comment(4) | ボーグマン

2019年05月28日

【付録】続・アニメディア1988年9月号【小説】

前回紹介したアニメディア88年9月号ですが、別冊付録「ア・ブ・ナ・イアニメ マル秘極秘資料FILE」には、園田氏によるアニスの一人称ショートノベル「アニス 夏のダイアリー」が収録されております。以前から度々話題にしていたこともあり、タイミングとしても今回いい機会と思いアップさせていただいた次第。著作権的に問題あるようなら削除します。
まずはお読みください。

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…読み終わりましたか?
まあアレです。なぜ女の子の一人称で書こうと思ったのか。この時期まだスレイヤーズが世に出てなくて本当に良かったですね。「オッサンの考える可愛いヒロイン妄想」で塗り固められたアニス像にクラクラさせられました。いやそれで可愛さが成立していればいいですよ? 後年にやはりアニメディア別冊付録で発表されたレイナSSのレイナだってギリアリだったし。でもアニスはただのヒステリー糞女じゃないですか。オレのアニスに何してくれてやがったのかという憤りしかない。ともすればエロ同人誌のアニスの方が可愛いかも知れないとか何事なの。
それを置いても本当に当時既に売れっ子文筆業家だったのかと疑ってしまうほど、文章力もセンスも低レベルで、とりあえず脱稿した後ちゃんと読み返して修正しました? と問いたい。小一時間問い詰めたい(古いよ)。

片っ端から細かくツッコミをさせていただきますけど、

・基地に戻って授業の準備をしたかったはずのアニスがなぜ直帰しているのん?
・アニスがボーグマンになった事情を仲間にも云わない理由「自分がボーグマンであることには変わりないからどうでもいいじゃない」…ちょっと何云ってるのか全然分からないですね。作者の都合とはっきり書いた方が良かったんじゃないですかね。本編でも「そういうエピがないだけでリョウとチャックは実は既に知ってます」という設定でも不思議じゃありませんでしたし。
・冒頭でリョウはアニスがサイボーグになった理由を云わないことに疑問を呈しますが、この後でアニスのサイボーグ化一周年を思いっきり祝ってますけど教授これは一体。
・リョウは「アニスがサイボーグになった日」だけメモリーに教えられて屈託なく祝うんですか? 理由は知ってたけどとぼけて探りを入れたのか、ただのアホウなのかどっちなんですか?
・そもそもアニスは延命の措置でサイボーグになり、決して望んでそうなった訳ではないと強調されている。「重い過去」なはずなのにそれを誕生日の感覚でサプライズパーティーを仕掛けるというシチュはキチガイ沙汰以外の何ものでもない。
・アニスは自分の身勝手で日本に残った上に、パパに高級マンションを買わせる糞娘ということですか? 家族にも事情を云ってないんですよね?
・まあ(心無い言葉を云われたからとはいえ)感情に任せてリョウを思いっきりぶん殴って吹っ飛ばしておきながら「いい気味だわ」で終わらせるメンタリティなので性根が腐ってるんでしょうね。園田氏の中ではこういうアニスを可愛いと思って書いてらっしゃったんでしょうね。
・とか云ってたら下段でアニメディア編集部の「注釈」が記載されている辺り、何も考えずに書いたことは明白。シャワーシーンありきで考えたからそんなことになったんですかね。
・そのシャワーシーンの描写は読者のボーイズアンドメンには刺激的だったかも知れませんけど、いいトシのBBA的にはオッサンの劣情丸出しで正直ひいてしまう。胸がいつから大きくなったのかとかうわあ…。
・過去回想は28話とだいたい同じで、この時点で28話に対する執念が感じ取れますけど良かったのかここで盛大にネタバレかまして。
・まあわたくしの脳内検索で、バイファムでも早い時期からロディとカチュアが接近するよとスタッフが雑誌でバラしていた記憶がヒットしたので、そういう早バレは当時の葦プロ的には問題なかったのかも知れませんけど根岸監督とP的にはどうだったのか。
・28話のプロットはこの後も二転三転した形跡があり、スタッフ間で揉めた可能性があるんですがこれはまた別の機会に。
メモリーの描写は特に問題ないんですけどねえ。当時のメモリーがアニスをどう思っていたのかが分かるのはとてもいい。肝心のアニス(とリョウ)がダメダメなのがこのSSの致命的な欠陥。
・学園が要塞化できる基地だったことをアニスは知ってるような描写ですが、実際は23話まで知らなかった様子。
おれじゃない
あいかわがかってにやった
しらない
すんだこと

だったんですかね。(※23話の脚本は会川氏です)

ラストに関しては既に書いたので省略。いくらアニスは望んで妖魔との戦いに挑んだとはいえ、サイボーグ化の何がそんなにめでたいのか説明してもらいたい。
…ちょっと待って一周年はおかしいぞ! スペースブロックのアレは2年前なのに。スペースブロックではなく、その1年後に起こった「妖魔が起こしたとある事故」でサイボーグになった案だったのが本編で変更になったということ?

しかしこの小説の何が一番タチ悪いかって、「リョウとアニスはチャックから見てもお似合いに見えるけど2人にそんな気はない。アニスはリョウを少しは意識しているかも知れないがリョウにその気はない」と、一見りょあにに見せかけたりょあに否定な内容なことですよ。当時既に美姫が登場し、チャックとの恋愛関係の進行に伴いリョウとアニスの接近は検討されていただろうので、「え? ちゃんとリョウ×アニス匂わせてるでしょ?」というスタッフ対策の意味合いがあったのかも知れませんけど。

好意的に見れば、アニスにとってリョウとチャックは頼もしい仲間であり、ずっと一緒に歩いていきたい男性たちであることは伝わります。リョウとチャックにとっても、アニスが大事な女の子であるとしていることは分かります。下手に恋愛を持ち込むよりこの距離感を維持する方が、作品にとっても彼らにとってもベターであるという主張であったなら理解できます。ジリオンの3人組とはまた違う男2人女1人チームの在り方の提示という意味でも。
でも、彼らのこの距離感に対するこだわり以上にアニスに執着し、リョウとアニスの関係の進展を頑なに認めなかった。結局ラバレで渋々認めるという顛末は正直いただけませんでしたね。園田氏のアニス観とボーグマンチームの人間関係観が凝縮されており、園田氏だけはこれを通したという意味で、貴重な内容と云えなくもありません。本編とどれだけズレていたかがよく分かりますしね。

記憶している方もいらっしゃるかも知れませんけどこのSS、ボーグマン関連の商品で最高に産廃なカセットブックでボイスドラマ化されてます。よっぽど気に入ってたのかモチベが尽きて使い回したのかまでは知りませんけど。ナディアを通ったせいか、鷹森さんのヒス演技に拍車がかかったアニスしか印象に残っておらず聴き返す気にはなれません。そもそも再入手してないけど。リョウとチャックはまあ良かったような。
posted by はらよしかず at 17:10| Comment(5) | ボーグマン